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ジャイアンツのレジェンドであるウィル・クラーク氏がラファエル・デーバスに3日連続ですっぽかされた事を明かす

石山修二 Shuji Ishiyama

Teddy Ricketson

ジャイアンツのレジェンドであるウィル・クラーク氏がラファエル・デーバスに3日連続ですっぽかされた事を明かす image

MLBのトレードデッドラインにはまだ時間のあった先月、サンフランシスコ・ジャイアンツは、レッドソックスから三塁手のラファエル・デバースを獲得するという衝撃的なトレードを成立させた。レッドソックスはデバースとの契約が8年残っていたにもかかわらず、フランチャイズプレイヤーとの契約を解除し、新たな方向性へ進むことを決断した。

紙の上では首を傾げる決断だが、現実的には理にかなった判断だったと言える。レッドソックスはデバースの打者としての能力には満足していたが、その「スター気質」にはうんざりしていた。しかも、レッドソックスのファームには若手の内野手のタレントが豊富にいるばかりか、何よりこのオフには元アストロズのアレックス・ブレグマンを獲得していた。

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レッドソックスが内野の配置転換をしていく中で、チームとデバースの間には亀裂が生じていった。デバースはスプリングトレーニングから指名打者として起用され、その適応からか打撃面でも苦戦を強いられた。その後、一塁手のトリスタン・カサスが負傷すると、チームはデバースに一塁手としてプレイすることを求めたが、デバースはこれを拒否した。

サンフランシスコにトレードされた時、ジャイアンツはデバースの一塁手としての可能性を改めて試すものと見られていた。しかし移籍後、デバースは指名打者としてしか出場していない。それでも、一塁手の練習は行なっている。

ジャイアンツはこれまでもチームのOBに現在の選手たちのサポートをさせてきた。そしてジャイアンツには引退後永久欠番となり、現在のチーム特別アシスタントを務めている元一塁手のウィル『ザ・スリル』クラーク氏がいる。

そのクラーク氏がデバースに一塁手としての指導を申し出たが、デバースはそれを断ったばかりか、クラーク氏の前に姿も見せなかった。

デバースがジャイアンツのレジェンドの前に姿を見せなかった訳とは?

クラークは1986年から1993年までジャイアンツでプレーした。わずか8シーズンだったが、その間に彼はチームに確かな足跡を残した。5年連続オールスター選出、シルバースラッガー賞2度受賞、1988年には打点王に輝き、1989年にはナ・リーグのMVPも受賞している。

クラークは守備面でもゴールドグラブ賞の実績がある。ジャイアンツのレジェンドはトーク番組『No Filter Network』に出演した際、6月にデバースに一塁手の指導を申し出たことを明かした。クラーク氏は週末のシリーズが行われる金曜、土曜、日曜の試合前にアドバイスすることを申し出たが、デバースは3回とも姿を見せなかったという。

「金曜、土曜、日曜、彼は一度も試合前に出てこなかった。以上。全く出てこなかったんだ。フィールドで打撃練習すらしなかった」とクラーク氏は語った。

この発言はソーシャルメディアで話題となり、デバースに不満を抱えるレッドソックス・ファンの多くは自分たちの元三塁手は今やジャイアンツの問題になったとコメントした。

だが、クラーク氏の言葉は文脈の中で理解する必要がある。クラーク氏がデバースの指導を申し出たシリーズは、現地6月21日(金)からスタートしたレッドソックスとの対戦だった。

「ボストンでの出来事を考えれば、相手のダグアウトから20フィート離れた一塁でプレーしたくなかったんだろう。今は私と一塁の練習をしているしね。メディアの取材で以前のような状況を再び経験したくなかったんだろう。私には理解できる」とクラーク氏も理解を示すコメントをしている。

デバースがクラーク氏の指導をすっぽかしたこと、クラーク氏のコメントが文脈から切り取られて報じられたことは残念に思えるが、一方でデバースの気持ちも理解できるところだ。乗り越えるべきだったのかもしれないが、ボストンで一塁手を拒否したデバースとしては、古巣の目の前で一塁の練習をしているところを見られたくなかったのだろう。

ただクラーク氏はデバースへの一塁でのアドバイスを諦めてはいない。

「でもラファエル・デバース、次回サンフランシスコで再会した時には一塁に立ってもらうことになる。念のため伝えておくよ」

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原文:Rafael Devers no-shows on Giants legend offering 1B tutorial: 'He did not come out early at all'
翻訳・編集:石山修二(スポーティングニュース日本版編集部)


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石山修二 Shuji Ishiyama

スポーティングニュース日本版アシスタントエディター。生まれも育ちも東京。幼い頃、王貞治に魅せられたのがスポーツに興味を持ったきっかけ。大学在学時に交換留学でアメリカ生活を経験し、すっかりフットボールファンに。大学卒業後、アメリカンフットボール専門誌で企画立案・取材・執筆・撮影・編集・広告営業まで多方面に携わり、最終的には副編集長を務めた。98年長野五輪でボランティア参加。以降は、PR会社勤務・フリーランスとして外資系企業を中心に企業や団体のPR活動をサポートする一方で、現職を含めたライティングも継続中。学生時代の運動経験は弓道。現在は趣味のランニングで1シーズンに数度フルマラソンに出場し、サブ4達成。

Teddy Ricketson

Teddy Ricketson is a Digital Content Producer at The Sporting News. He joined the team in 2024 after spending the last three years writing for Vox Media as part of its DK Nation/Network team. Teddy does his best to support the South Carolina Gamecocks and Carolina Panthers, but tends to have more fun cheering on the Atlanta Braves. In his free time, he loves spending time with his wife, Brooke, and their two dogs, Bo and Hootie.