現地3日(水)のパイレーツ戦、3回にデイブ・ロバーツ監督がダルトン・ラッシングを代打に送った時、ファンに不安が走った。
その前の回の守備で、キャッチャーのウィル・スミスの右手にファウルボールが当たったため、スミスが急遽試合から退いたのだった。
試合後、ロバーツ監督が伝えた最新情報はファンの不安を和らげるものだった。レントゲン検査の結果は異常なし、スミスには腫れと痛みがあるが、骨折はないことが分かった。現時点では、試合当日の状態次第で出場の可否を決める見込みだ。
スミスが試合から退くとトレーナーは直ちに画像診断を手配し、検査を行った。結果は異常なしで、ドジャースは深刻な事態は免れた。
ロバーツ監督は、スミスの即座の復帰は難しいだろうと認めつつも、この結果はチームにとって勝利と捉えていると語った。
「痛みと腫れはあるが、レントゲン結果に異常ない。これは良い知らせだ」
スミスの状態が心配される理由
チームにとって、スミスは単に1人の打者というだけではない。ドジャースの捕手としてプレイするチームの要となる選手だ。投手をリードし、ワンバウンドするような球をブロックし、なおかつ安定した攻撃力を発揮する。その打率は.296で、ナショナル・リーグの打率ランキングで4位につけている。現在のメジャーリーグのキャッチャーの中でも屈指の全てを兼ね備えたキャッチャーだ。
スミスの負傷のタイミングはチームにとって大きな影響をもたらす。というのも、今のドジャースは予測不能なチームで、競合相手に勝利しながら下位のチームに敗れるような不安定さを見せているからだ。スミスの存在は、そうした苦しい時に打線が崩壊するのを食い止める役割となっている。
ダルトン・ラッシングの出場機会
もし明るい材料があるとすれば、ドジャースが今夏のトレードデッドラインでラッシングを放出しなかったことだ。ルーキーのキャッチャーはメジャーリーグの投球にまだ適応中ではあるが、打席では持ち前のパワーと選球眼の片鱗を見せている。スミスが回復するまでの間、ラッシングが更なる出場機会を得ることは長期的に見てプラスになるだろう。
守備の点で言えば、ラッシングはまだスミスほど洗練されていないが、その打撃は新たな脅威となる可能性を感じさせている。安定感に欠けるドジャースにとって、彼の起用は予想外の追い風をもたらすかもしれない。
緊迫感を増すドジャースのプレーオフへの道
シーズン終盤を迎え、ナショナル・リーグのプレーオフ争いは激戦となっており、ドジャースがかつて築いていたリードはなくなっている。現地木曜日の時点で西地区首位のドジャースと2位サンディエゴ・パドレスのゲーム差は2.5ゲームとなっている。
原文:Los Angeles Dodgers get update on Will Smith following injury
翻訳・編集:石山修二(スポーティングニュース日本版編集部)
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