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MLBオールスターゲームで選手たちがマイクを付けてプレイ|苦戦したスクーバルに対してカーショウは会話を楽しみつつ好投

石山修二 Shuji Ishiyama

Daniel Mader

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メジャーリーグ(MLB)の中継で、選手たちがマイクを装着してプレイする『マイクドアップ』は今では珍しくなくなった。それでも、投手や捕手がマイクを付けて試合中に中継ブースと直接話すことはまずない。

現地16日(火)に開催された2025年のMLBオールスターゲームでは、その前提を覆し、マウンドに立った数人の投手とア・リーグの先発捕手だったカル・ラリー(ローリー)が試合中にマイクを付け、『FOX』のキャスターであるジョー・デービス氏、そしてブレーブスのレジェンド投手ジョン・スモルツ氏と直接言葉を交わした。

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アメリカン・リーグの先発投手を務めたタリク・スクーバル(タイガース)とレジェンド選手としてオールスターに選出されたナショナル・リーグの2番手クレイトン・カーショウ(ドジャース)もこの試合でマイクを装着してプレイした。

カーショウは短い登板だったものの、いくつかのハイライトを生み出した。一方、スクーバルにとってマイクを付けての登板はあまり良い経験とはならなかったようだ。

『マイクドアップ』したスクーバルは苦戦

アメリカン・リーグの先発投手としてマウンドに上がった直後、スクーバルの付けたマイクがFOXの放送ブースとつながった。シーズン前半に素晴らしいパフォーマンスを見せた昨季のサイ・ヤング賞投手は、その状況に少し動揺したのかもしれない。

先頭打者の大谷がヒットで出塁すると、続くロナルド・アクーニャJr.には内野安打で続いた。そしてケテル・マルテが右中間を破る二塁打を放ち、2人の走者を返した。その瞬間、思いがけずFワードがスクーバルの口をついてしまった。

(マイクを付けてプレイするタリク・スクーバルの口から自然とFワードが飛び出す)

ただ、スクーバルがマイクを装着していたことで、MLB史上でもユニークな瞬間を生み出すこともできた。2025年のオールスターゲームではABS(自動ボール・ストライク判定)が導入されたからだ。スクーバルは捕手のカル・ラリー(マリナーズ)と共に、このシステムを使って判定に異議を申し立てた最初の選手となり、ボールの判定を覆してストライクに変えることに成功した。

「手に入るものは何でも手に入れろ、みんな」と、チャレンジが成功したスクーバルは放送でそう語った。

(ABSチャレンジシステムが導入される中、FOXのブースからマイクを向けられたタリク・スクーバルが語る⚾️)

そこからスクーバルは立ち直り、マニー・マチャド(パドレス)とウィル・スミス(ドジャース)を三振で打ち取ってそのイニングを切り抜けた。

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『マイクドアップ』したカーショウは終始楽しみつつ、ヴラディミール・ゲレロJr.を三振に

次のイニング、マイクを付けたカーショウはオールスターでのピッチングを楽しんでいた。今季3000奪三振を達成したベテランはその輝かしいキャリアを祝うべく、レジェンド選手としてオールスターゲームに選出された。

カーショウが投げたのは打者2人だけだったが、その間中、ブースとの会話で試合を盛り上げた。まず、ブースにいるデイビス氏、スモルツ氏に「まずはチーズ(速球)を投げてみる」と告げると、前日のホームランダービーで優勝したラリーにレフトへの鋭いライナーを打たれる。

そして、その打球をカイル・タッカー(カブス)がスライディングキャッチで好捕すると「すごいプレイだ」と喜んだ。

(「まずはチーズ(速球)を投げてみる」 😅 クレイトン・カーショウはマイクを付けてのプレイを楽しんでいる。そしてカイル・タッカーのナイスキャッチ!)

続くヴラディミール・ゲレロJr.に対して最初スライダーを投げるとブースに語ったが、チームメイトであるキャッチャーのスミスはカーブを要求した。そこで、カーショウは「分かった、いいよ」と答え、美しいカーブを投じた。

そのカーブをゲレロが空振りするとカーショウは驚きの声を上げた。

(クレイトン・カーショウが、昔から変わらぬカーブを繰り出した😮‍💨)

他にも、ゲレロの打席では、ブースにいるスモルツ氏に何を投げて欲しいか聞き、スモルツ氏が「内角のカッター」と言うと、「俺はカッターなんて投げないよ、スモルツィー!」と反論する場面や、試合を退く時にはマウンドでチームメイトやデイブ・ロバーツ監督と言葉を交わして降板し、「楽しかったよ!」とブースに語りかけながらダグアウトへ戻るなど、いくつもの印象的なシーンを生み出した。

(必聴:オールスターゲームでクレイトン・カーショウがマイクを付けてプレイ)

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MLBオールスターゲームでの『マイクドアップ』に対する反応

MLBの選手たちが試合中にマイクを装着すると、ファンの反応は通常二分される。それはオールスターゲームでも変わらなかった。一部のファンは、選手たちによる試合中の分析を楽しんだり、会話の中に彼らの性格を垣間見たりして楽しんでいる。

 (以前も言ったことがあるけれど、MLBのオールスターゲームは数あるオールスターゲームの中でも最高だ。他のスポーツではそうはいかないけれど、MLBでは本物のゲームのようにプレイしている。『マイクドアップ』も素晴らしかった)

(クレイトン・カーショウがオールスターゲームにマイクを付けて出場した。これは今日見るべき最高の映像だ) 

(クレイトン・カーショウがジョン・スモルツに「何を投げてほしい?」と尋ね、実際に投げるシーンは本当に素晴らしかった。『マイクドアップ』でこれまで見た中で最も素晴らしいものの一つだ)

一方で、インタビュー主体となり本当の解説を聞けなくなる点や、マイクを付けられた投手や捕手が不利になるのではないかという点を批判するファンもいた。

 (MLBのオールスターゲームでピッチャーとキャッチャーに『マイクドアップ』したのはあまりうまくいってなかったと思う)

 (エキシビションゲームとはいえ、オールスターゲームで毎イニング『マイクドアップ』してインタビューを行うのは少しやり過ぎではないか。彼らが実際に試合について話している声が聞きたい)

(スリーピー・ジョー・デイビス:「カル・ラリーとタリク・スクーバルにマイクを付けてもらっている。何をしているのか教えてくれ」*沈黙*「ピッチングとキャッチングをしているんだ、この馬鹿野郎」) 

(カルとスクーバルにマイクを付けたのは失敗だったね(笑)) 

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原文:MLB All-Star Game mic'd up moments: Tarik Skubal struggles while talking to Fox announcers, Clayton Kershaw shines
翻訳・編集:石山修二(スポーティングニュース日本版編集部)


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石山修二 Shuji Ishiyama

スポーティングニュース日本版アシスタントエディター。生まれも育ちも東京。幼い頃、王貞治に魅せられたのがスポーツに興味を持ったきっかけ。大学在学時に交換留学でアメリカ生活を経験し、すっかりフットボールファンに。大学卒業後、アメリカンフットボール専門誌で企画立案・取材・執筆・撮影・編集・広告営業まで多方面に携わり、最終的には副編集長を務めた。98年長野五輪でボランティア参加。以降は、PR会社勤務・フリーランスとして外資系企業を中心に企業や団体のPR活動をサポートする一方で、現職を含めたライティングも継続中。学生時代の運動経験は弓道。現在は趣味のランニングで1シーズンに数度フルマラソンに出場し、サブ4達成。

Daniel Mader

Daniel Mader is a Content Producer for The Sporting News. He joined SN in 2024 as an editorial intern following graduation from Penn State University. He has previously written for Sports Illustrated, NBC Sports, the Centre Daily Times, the Pittsburgh Post-Gazette, The Daily Collegian and LancasterOnline. Daniel grew up in Lancaster, Penn., with a love for baseball that’ll never fade, but could also talk basketball or football for days.