ホームランダービーは、誰が最もパワーがあるかを強打者たちが競い合う、スポーツ界で最も人気のあるイベントの一つだ。
過去40年にわたり、ホームランダービーは時代を超えて語り継がれる数多くの伝説的な瞬間とパフォーマンスを生み出してきた。1985年に始まったこのイベントは、デイブ・パーカー(当時レッズ)が合計6本のホームランで優勝して以来、数多くの選手が参加し、より多くの記録が生まれるようフォーマットも変更され、興奮に満ちたバトルが展開されてきた。
ここでは、ホームランダービー史上最も記憶に残る13のパフォーマンスを振り返る
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13. マーク・マグワイア(1999年)

1999年のオールスターゲームは、MLBがミレニアムを祝うイベントとしてフェンウェイ・パークで開催した伝説的な試合だった。この年はマーク・マグワイアが第1ラウンドで13本のホームランを打って、1ラウンド当たりのホームラン記録を更新した。マグワイアは総合3位に終わったが、この第1ラウンドがこの夜のハイライトとなった。
マグワイアとサミー・ソーサがシーズン最多本塁打記録を競った1998年シーズンの翌年だったこともあり、マグワイアはこのゲームで最も人気を集めたホームランヒッターだった。前年に70本塁打の記録を樹立したマグワイアはこの年65本塁打を放った。
12. ライアン・ハワード(2006年)

2006年、ライアン・ハワードは23本のホームランを放ってデビッド・ライト(メッツ)を下して優勝した。それ自体は特に目立ったものではなかったが、その勝利は象徴的な瞬間で締めくくられた。ハワードは、ピッツバーグのスタンドの「Hit it Here(ここに打て)」の看板に当てるホームランで優勝を飾った。
The All Star Game was supposed to be this week. That’s definitely not happening. So here’s Ryan Howard winning the 2006 Home Run Derby pic.twitter.com/GGrsP41qwP
— Life of a Philly Fan (@PhillyFanLife) July 13, 2020
2006年シーズンはハワードにとってキャリアハイの1年だった。58本塁打を放って、26歳にしてナショナル・リーグのMVPを獲得した。その後も3シーズン連続で40本塁打以上を記録し、ステロイド時代以降のホームランヒッターとして印象的な一時代を築いた。
11. ブライス・ハーパー(2018年)

ナショナルズでの最後のシーズン、ブライス・ハーパーはホームスタジアムでホームランダービーを制した3人目の選手となった。ハーパーは父親をピッチャーに迎え、最終ラウンドで将来のチームメイトとなるカイル・シュワーバー(当時カブス)を劇的な逆転劇で破った。
Bryce Harper put on a show in his home park at last year's HR Derby 💪 pic.twitter.com/DqXco66fKO
— ESPN (@espn) July 8, 2019
ハーパーはこのシーズン34本塁打を放ち、ナショナルズの選手としての史上2番目の本塁打数を記録したが、そのオフシーズンにフィリーズへ移籍した。ワシントンはその年プレーオフ出場を逃し、この勝利はハーパーが同球団で過ごした最後のシーズンを象徴する瞬間となった。
10. サミー・ソーサ(2000/2002年)

ホームランダービーのホームラン数が10本台後半だった頃、サミー・ソーサは2000年に26本を放ち、史上初めて20本を達成した選手となった。そのうち11本は準決勝で打ったもので、その夜の2位の選手よりも1本少ないだけの本数だった。
2年後、ソサは今度は500フィート(約152メートル)を超えるホームランを5本打ってホームランダービーを盛り上げたが、決勝ラウンドでジェイソン・ジアンビ(当時ヤンキース)に敗れて優勝を逃した。彼は今でもホームランダービー史上最長飛距離のホームラン記録を2本保持している。
𝐉𝐮𝐥𝐲 𝟖, 𝟐𝟎𝟎𝟐| 💣
— This Day in Chicago Sports (@ChiSportsDay) July 8, 2020
Sammy puts on a SHOW during the home run derby!
- 8 HRs over 480 ft.
- 5 HRs over 500 ft.
- Furthest HR 524 ft. pic.twitter.com/4Zj8TAzDuE
ソサは1999年から2001年まで毎年シーズン50本以上のホームランを打ち、2002年にも49本を打った。その間、ダービーに優勝した2000年以外の2シーズンでは60本以上のホームランを打っていた。
9. デイビッド・オルティーズ(2010年)

オルティーズの2010年のホームランダービー優勝は終盤に向けて盛り上がっていった。第1ラウンドを3位で終えたオルティーズは最終2ラウンドで合計24本のホームランを放ち、ハンリー・ラミレス(当時マイアミ)を破って優勝、3度の敗北の末にタイトルを獲得した。
David Ortiz wins the 2010 MLB Home Run Derby with a total of 32 HR, he faced Hanley Ramírez in the final round. #HRDerby pic.twitter.com/IuXBJ4e5Cj
— Boston Strong (@BostonStrong_34) July 10, 2023
当時、オルティーズのボストンでのキャリアは終焉を迎えているように思われたが、この2010年に32本塁打を放って復活を印象付けた。2004年から2006年にかけてシーズン40本塁打以上をマークしていた時の活躍には及ばなかったが、オルティーズはその後さらに6年間プレーし続け、3年連続で35本塁打以上を放ってキャリアを締めくくった。
8. ロビンソン・カノ(2011年)

2011年のホームランダービーは、ロビンソン・カノとエイドリアン・ゴンザレス(当時レッドソックス)がタイトルを争う白熱したイベントとなった。ゴンザレスは第1ラウンドでカノを1本差で破ったが、カノは次の2ラウンドで12本ずつホームランを放ち、ゴンザレスの11本を上回った。父親が投手を務める中、カノは計32本のホームランを打って31本のゴンザレスを破った。
カノの2011年シーズンは、ヤンキースで安定した活躍を見せ続けたキャリアの1シーズンに過ぎなかったが、真のパワーヒッターではなかったカノにとってシーズン28本塁打はその時点でキャリア2番目に多い記録だった。カノは翌年にダービーのタイトル防衛に挑戦したが、その大会では1本塁打も打つことができなかった。
7. アーロン・ジャッジ(2017年)

2017年、リーグを席巻したアーロン・ジャッジはルーキーとして最多の52本塁打を放ち、アメリカン・リーグ新人王に輝いた。またこの年、彼は初めてホームランダービーに出場し、各ラウンドで最多の本塁打を放ち、合計47本塁打を記録した。この勝利で満足したのか、ジャッジはその後、ホームランダービーには出場していない。
July 10, 2017: Rookie Aaron Judge wins the Home Run Derby in Miami with 47 total homers. pic.twitter.com/TpWRTNum0w
— This Day In Sports Clips (@TDISportsClips) July 10, 2020
この年、ジャッジは後半にペースを落としている。それが、自身の記録を更新した2022年も含め、以降ホームランダービーに一度も出場していない理由かもしれない。それでも、彼の素晴らしいルーキーシーズンは、MLB史上最高のシーズンの一つとして確固たる地位を築いている。
6. ピート・アロンソ(2021年)

アロンソは2019年にもホームランダービーで優勝したが、2021年にクアーズフィールドで開催された大会で連覇を達成したパフォーマンスは、5大会連続出場の中でも最高の一夜だった。メッツのスラッガーは3ラウンドすべてでトップのホームラン数を記録し、合計74本塁打で2位のトレイ・マンチーニ(当時オリオールズ)の58本を大きく上回った。
7/12/2021 Pete Alonso defends his Home Run Derby title by launching 74 homers at Coors Field. Alonso becomes the fourth player to win multiple derbies and joins Ken Griffey Jr. and Yoenis Céspedes as the only players to win consecutive contests. pic.twitter.com/A6YEMnRjXH
— This Day in Mets History (@NYMhistory) July 12, 2024
アロンソの74本はダービー史上最多ではないが、ダービー優勝者の中では歴代最多だ。レギュラーシーズンでもルーキーイヤーの2019年に記録した53本塁打には及ばなかったが、この2021年シーズンも37本塁打を放って堅実なシーズンを送った。
5. ヴラディミール・ゲレロJr.(2019年)

当時20歳でホームランダービー史上最年少の出場選手となったルーキーのゲレロJr.は、クリーブランドで素晴らしいパフォーマンスを披露した。ブルージェイズのスター選手は、ダービー記録となる29本のホームランで第1ラウンドをリードし、第2ラウンドでも40本のホームランを放って全出場選手中トップの成績で決勝進出を決めた。しかし、決勝で22本のホームランを放ち合計91本に伸ばしたものの、最終ラウンドでピート・アロンソに敗れた。
29 homers in the first round for Vlad Guerrero Jr.
— ESPN (@espn) July 9, 2019
That's a #HRDerby record for a single round 💪 pic.twitter.com/hyN1jLp1Ub
敗れはしたものの、ゲレロの1大会91本という記録は依然として健在だ。ただ、この年のレギュラーシーズンでは123試合でわずか15本本塁打しか打っていない。ゲレロが真のパワーヒッターとして認められるようになったのは2021年に48本のホームランを打ってからだ。
4. ボビー・アブレイユ(2005年)

2005年にコメリカ・フィールドで開催されたホームランダービーで、アブレイユは第1ラウンドで24本、合計41本のホームランを放ち、歴代最多記録を樹立する圧倒的なパフォーマンスを披露した。第2ラウンドでは6本を打ったイバン・ロドリゲス(当時タイガース)に次ぐ成績だったが、最終ラウンドでは6本差の11本を打って優勝。トータルでは準優勝のロドリゲスよりも21本多くのホームランを放った
On this day in 2005, Bobby Abreu put on one of the best Home Run Derby performances ever. pic.twitter.com/vTJnMGYAq8
— Tim Kelly (@TimKellySports) July 11, 2023
アブレイユはホームランヒッターとして知られた選手ではなかった。キャリアを通じて30本以上打ったのは2度だけで、2006年にはわずか15ホーマーしか記録していない。この夜は、フィラデルフィア・フィリーズで9年間プレーした後、7月にニューヨーク・ヤンキースにトレードされる前の、アブレイユが最後にスポットライトを浴びた瞬間となった。
3. ジョシュ・ハミルトン(2008年)

ハミルトンはおそらくホームランダービー史上でも最も記憶に残るパフォーマンスを披露した選手だろう。2008年にヤンキースタジアムで開催された大会で、ハミルトンは第1ラウンドに28本のホームランを放ち、当時のダービー史上最多の1ラウンドあたりのホームラン数を記録した、旧ヤンキースタジアムで開催された最後のオールスターゲームで打ったその28本の中にはニューヨークの観客を熱狂させた13本連続のホームランが含まれていた。
Good luck beating this tonight, fellas. #HRDerby pic.twitter.com/8s506ntgWT
— Texas Rangers (@Rangers) July 8, 2019
この年、ハミルトンは最終的にジャスティン・モーノー(ツインズ)に敗れ、このリストでも3位にとどまった。それでも、レンジャーズ入団1年目で32本のホームランを放ち、5年連続のオールスター出場を果たしたハミルトンが驚異的な復活を遂げたこの年のホームランダービーは今でも忘れがたいものとなっている。
2. ジャンカルロ・スタントン(2016年)

ジャンカルロ・スタントンがホームランダービーで優勝するのは時間の問題だった。2016年の大会では、3ラウンドすべてで最多ホームラン、合計61本という圧倒的な成績を残した。この記録は、2019年にヴラディミール・ゲレロJr.によって更新されるまで、ホームランダービーの最多ホームラン記録として残っていた。
スタントンはホームラン打者として知られていたが、そのシーズンは27本しか打てず、それまでも30本を打ったシーズンが3度あっただけだった。しかし、このホームランダービーが翌シーズンの前兆となり、マーリンズのスラッガーは2017年に59本塁打を放ち、MVPを受賞した。
1. ケン・グリフィーJr.(1993/1994/1998/1999年)

ホームランダービーの絶対王者であるグリフィーは、1994年、1998年、1999年の3回にわたってホームランダービーで優勝した唯一の選手だ。彼は1990年から2000年までに間に計8回の大会に出場した。
しかし、彼の最も象徴的な瞬間は彼が勝てなかった1993年の大会で訪れた。その年、グリフィーは460フィート(約140メートル)のホームランをボルティモアの倉庫にボールを打ち込んだ。
July 12, 1993: Ken Griffey, Jr. is the first player to hit Baltimore's B&O Warehouse on the fly with a 460-foot shot during the Home Run Derby pic.twitter.com/uXeq4295Mx
— This Day In Sports Clips (@TDISportsClips) July 12, 2020
勝利した大会で言えば、フェンウェイパークでマーク・マグワイアを追い抜いた最後の勝利が、3つの勝利の中で最も素晴らしい勝利だったと思われる。
Before Monday's Home Run Derby, here's a look back at Ken Griffey Jr.'s epic battle with Mark McGwire in the 1999 contest at Fenway Park. pic.twitter.com/kzMrqsCv9m
— ESPN (@espn) July 13, 2018
グリフィーは1993年から2000年までの7シーズン中6シーズンで40本以上のホームランを放ち、キャリア通算本塁打数は630本に達した。彼のベスト・シーズンは1997年で、自己最高の56本塁打を放ち、MVPを受賞した。
原文:13 greatest Home Run Derby performances in MLB history, ranked from Pete Alonso to Ken Griffey Jr.
翻訳・編集:石山修二(スポーティングニュース日本版編集部)
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