シアトル・マリナーズのファンが『MVPコール』をしても、ここしばらくの間、カル・ラリー(ローリー)はその声援にふさわしいプレーを見せられていなかった。
だがこの日の一打は、試合展開にとってはもちろんのこと、ラリーの今シーズンにおいても非常に重要な一打となりそうだ。
現地8日(金)のレイズ戦、2-0とリードされた状況の8回裏、塁上に2人のランナーを置いて打席に立ったラリーはセンターに特大のホームランを放った。これまでのスランプを断ち切るような逆転スリーラン・ホームランだった。
ラリーは一躍、今季の役回りだったスーパーヒーローとして復活を遂げた。
GOODBYE BASEBALL. HELLO LEAD! pic.twitter.com/DtfjhpygNV
— Seattle Mariners (@Mariners) August 9, 2025
ラリーにとっては今シーズン43号となるホームランだった。
記録上重要なのは、このホームランがラリーにとって(DHではなく)キャッチャーとして出場する試合で打った35本目のホームランだった点だ。
これは、アメリカン・リーグでキャッチャーとして出場した選手のシーズン最多本塁打記録に並ぶものだ。1999年に殿堂入り捕手のイバン・ロドリゲス(当時レンジャーズ)はその記録を達成し、アメリカン・リーグMVPを獲得した。
ラリーの打率は7月以降、2割を下回り、ホームランのペースも鈍化していた。
それでも、ラリーは今なおサルバドール・ペレス(ロイヤルズ)が持つ1シーズンのキャッチャーの最多本塁打記録48本を更新できる位置につけている。50本以上のホームランを記録するチャンスも充分ある。
この日のホームランは、前半の魔法を取り戻そうとする『ビッグ・ダンパー』ラリーにとって、そのきっかけとなる特別な瞬間になり得る素晴らしいスイングだった。
チームはラリーを中心に好調を維持している。ラリーが調子を取り戻せば要注意な存在になる可能性大だ。
原文:Mariners’ Cal Raleigh ties Hall of Famer’s record with slump-busting, game-winning home run
翻訳・編集:石山修二(スポーティングニュース日本版編集部)
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