フアン・ソトはかつて、首都ワシントンで最も輝かしいスターだった。19歳でワシントン・ナショナルズに入団すると、即座にスーパースターとして頭角を現し、チームをワールドシリーズ制覇に導いた。
その輝きは今もワシントンで続いているが、理由は全く異なるものだ。ソトがチームを去る時、ナショナルズはサンディエゴ・パドレスと交渉し、スポーツ史上で最も素晴らしいスーパースターのトレードの一つとして評価される交換選手たちを獲得することができたためだ。
この時チームにやってきたジェームス・ウッドを筆頭とした若手選手たちは、この先のナショナルズを特別なチームにするだけの可能性を見せ始めている。ここでは、ソトの交換要員としてナショナルズに加入した選手たちの現在地を再確認していく。
フアン・ソトのトレードの中身は?
2022年8月2日、ナショナルズはファン・ソトをトレードで放出した。そのトレードの中身は:
- パドレス:ファン・ソト、ジョッシュ・ベルを獲得
- ナショナルズ:ジェームズ・ウッド、マッケンジー・ゴア、CJ・エイブラムス、ロバート・ハッセル、ハーリン・スサナ、ルーク・ボイトを獲得
話がまとまった当初からナショナルズにとっては大成功と考えられたトレードだった。
現在ではその時以上にナショナルズにとって良いトレードだったように思われる。ソトはパドレスには1年半しかおらず、その後ヤンキースで1シーズンを過ごし、現在は15年契約でメッツとにたどり着いた。一方、ワシントンはこの時のトレードで獲得した選手たちの恩恵を今後何年にもわたって受けることができるからだ。
ナショナルズがトレードで獲得した選手たち
2025年6月の現時点では、ナショナルズがこのトレードで獲得した選手の中で一番の出世頭はジェームズ・ウッドだろう。
現地19日(木)のロッキーズ戦、ウッドはキャリア初となるサヨナラホームランを含む2本のホームランを放った。
JAMES WOOD
— MLB (@MLB) June 19, 2025
GAME OVER
WALK-OFF HOMER 😤 pic.twitter.com/wb5SDPFQB3
すでに今季20ホーマー、56打点、OPS.944をマークしており、身長200cmのウッドは今後10年以上にわたりスーパースターとして活躍し続けるだろう。
そしてマッケンジー・ゴアだ。
ゴアはパドレス時代から有望なサウスポーと見られていたが、怪我と不振で頭角を現すことができずにいた。しかし、ナショナルズに移籍した現在、背番号『1』はリーグ屈指の三振が取れる投手に成長を遂げている。
Good lord McKenzie Gore is dismantling the Phillies, 12 Ks WOW pic.twitter.com/6eJ5Whtcsi
— DaddyDimmuTV (@DaddyDimmuTv) March 27, 2025
CJ エイブラムスもスピードとパワーを兼ね備えており、将来的にショートのレギュラー務めるだろう重要な選手だ。
ロバート・ハッセルは今シーズン、メジャーに昇格を果たした。当初は苦戦していたものの、将来的には外野のスターターとして期待される存在と考えられている。
ハーリン・スサナはまだマイナーでプレーしているが、持ち前の速球は大きな武器で、先発投手として定着できなくても、リリーフ投手として活躍できる可能性を秘めている。
ジョシュ・ベルがサンディエゴへ、ルーク・ボイト(現楽天)がワシントンへ移籍したことはそれほどの意味を持たなかった。今にしてみれば、このトレードはソトと5人の若手選手の交換だったということができる。
もしナショナルズが今後10年ほどで再びワールドシリーズを制覇することができれば、ソトは1度目は優勝チームのメンバーとして、そして2度目は優勝チームの核となる若手選手をナショナルズにもたらした存在として、その立役者になることができそうだ。
原文:Nationals' Juan Soto trade, revisited: How James Wood, MacKenzie Gore and others make Nats winners
翻訳・編集:石山修二(スポーティングニュース日本版編集部)
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