シーズン前半戦のシカゴ・カブスのバッティングは驚異的だった。だが、オールスター戦以降は落ち込んでしまっている。依然として1試合平均得点ではメジャーリーグ(MLB)7位、チームOPSで8位につけているが、打率では14位、総安打数では10位に後退した。
そんな中、二塁手のニコ・ホーナーは安定感の代名詞と言える活躍を打席内で見せ続けている。
MLB7年目のベテランはコンスタントに二桁の本塁打を打つようなことはないが、確実にライナーを打ち返し、塁に出続けている。ホーナーは現在、ナショナル・リーグで打率2位におり、残り8試合で調子を上げれば初の首位打者を獲得する可能性も残されている。
ホーナーの上にはフィラデルフィア・フィリーズのトレイ・ターナーがいる。そして、ホーナーが首位打者に輝くチャンスは彼自身の手に委ねられている。
というのもターナーは現地9月7日、ハムストリングの負傷により10日間の故障者リスト入りをし、現在も欠場中だからだ。今週初め、ターナーがポストシーズン前に復帰するかもしれないという報道もあったが、レギュラーシーズン中に復帰できるかどうかはいまだ分からない。
ハムストリングの負傷は急いで復帰すべきものではない。しかもフィリーズは既に地区優勝を決めている。依然として第1シードを狙ってはいるが、現在ミルウォーキー・ブルワーズに3ゲーム差をつけられており、ターナーに無理を強いる必要はない。
Nico Hoerner and Trea Turner are the only players in MLB this season with a .295+ average, 25+ steals, and 55+ RBI.
— The Wrigley Wire (@TheWrigleyWire) September 14, 2025
pic.twitter.com/GaXQ5fSyvq
(ニコ・ホーナーとトレイ・ターナーは今季のMLBで唯一打率.295以上、25盗塁以上、55打点以上を記録している選手)
フィリーズとすれば、ポストシーズンまで待って状態をしっかりと確認した上でターナーを復帰させる可能性が高いと考えられる。
そうなれば、ターナーを追い抜き、首位打者となれるかかどうかはホーナー次第となる。
18日のカブスvsレッズ戦前の時点では、ターナーの打率は.305でホーナーの打率.301をわずかに上回っていた。カブスのポッドキャスト『Cubs on Tuesday』のホスト、ブレンダン・ミラー氏によれば、残り9試合で1試合あたり3~4回打席に入ると仮定すると、約35打席ほどという計算になる。ターナーを追い抜くには35打席で15安打、つまり打率4割近いペースで打つ必要があった。
"Nico Hoerner...has just been absolutely ABSURD...Watching a guy hit .337 AVG and to do with line drive after line drive ... it is so awesome. It is so awesome to watch him play baseball."
— Bleacher Nation (@BleacherNation) September 18, 2025
Ep. 30 of the BN Cubs Podcast is brought to you by @ankinlawhttps://t.co/SOgN1rUsbh pic.twitter.com/42fIeVD77u
(ニコ・ホーナーは…まったくもって信じられない…打率.337を叩き出し、ライナーを次々と放つ姿は…本当にすごい。彼のプレイを見るのは本当に素晴らしい)
もちろんこれは簡単な数字ではない。だがホーナーはそれを期待させるだけの実力を見せている。そもそもホーナーがこの位置にいるのは好調な9月の打撃のおかげでもある。
ホーナーは9月に入って70打数26安打、打率.371を記録している。
18日のシンシナティ・レッズ戦では5打数1安打に終わり、逆転へのハードルはさらに高くなったが、それでもまだ射程圏内であることに変わりはない。
残り8試合でヒットを重ね、2021年の首位打者・ターナーを抜き、初の首位打者を獲得することができるか、シカゴのファンはホーナーのバットに注目している。
原文:Can Cubs' Nico Hoerner catch Phillies' Trea Turner to win the 2025 National League batting title? This is what he needs to do
翻訳・編集:石山修二(スポーティングニュース日本版編集部)
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