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ブルワーズの新人ジェイコブ・ミシオロウスキーとパイレーツのポール・スキーンズの投げ合いが実現

石山修二 Shuji Ishiyama

Anthony Licciardi

ブルワーズの新人ジェイコブ・ミシオロウスキーとパイレーツのポール・スキーンズの投げ合いが実現 image

Mark J. Rebilas, Jesse Johnson/USA TODAY Network

現地6月19日(木)、メジャーリーグ(MLB)ファンはリーグ屈指の2人の好投手、タリク・スクーバルとポール・スキーンズが投げ合う可能性に胸を躍らせた。

しかし、デトロイト・タイガースはこの日のダブルヘッダー初戦にスクーバルを先発させ、ピッツバーグ・パイレーツは第2戦にスキーンズを先発させたために両者の顔合わせは実現せず、両チームがそれぞれエースの登板した試合に勝利を収めた。

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そのわずか1週間後、野球の神様はこの日のファンの失望を償ってくれた。

25日(水)のパイレーツとミルウォーキー・ブルワーズの一戦で、注目の新人ジェイコブ・ミシオロウスキーが登板し、スキーンズと投げ合った。この試合、ミシオロウスキーが3試合連続の好投を披露した一方、スキーンズは4回で降板し、ブルワーズが4-2で勝利した。

この日の好投で驚異的なピッチングを続けるルーキーは打者を空振りさせる方法をいくつか持ち合わせている事を示してみせた。

ミシオロウスキーのエリート級の武器

ミシオロウスキーはここまで3試合に先発して2失点のみ、1イニングあたり1人以上の打者を三振に打ち取っている。ミシオロウスキーのレパートリーは主に速球とスライダー、80%以上がこの2つの球種で構成されており、その理由も容易に理解できる。

ミシオロウスキーの球は全て球威があるが、一番の武器はリーグを脅かすスライダーだ。この日の試合前の時点で95マイル(約152キロ)以上を記録した変化球はリーグで25球しかなかった。そのうちの一球はシンシナティ・レッズのチェイス・ペティが投じたものだったが、残りは全てミシオロウスキーが投げていた。

この日のパイレーツ戦ではそのスライダーに加え、速球も健在だった。ミシオロウスキーの速球は平均99マイル(約159キロ)をマークし、100マイル(約160キロ)を超えることも珍しくない。身長約2メートルの体格を最大限に活かし、ホームプレートに最も近い位置で100マイルの速球をリリースし、バッターに反応する時間を与えない。

その長身から投げ下ろす縦方向の角度も同様にエリート級で、相手打者を惑わせる要素となっている。

ミシオロウスキーは時にカーブとチェンジアップも交えるが、主に2種類の球種で投げて切っているので、このままだと更なる成功は難しくなるかもしれない。もし対戦相手が彼の投球を正確に読み切ったり、制球が乱れたりすれば、ブルワーズは長い夜を過ごすことになる可能性はある。実際、その速球はストライクゾーンを外れることも少なくない。

それでも、この類まれなスライダーがあれば、速球で多少のコントロールミスをしても許される可能性は高いだろう。実際、ミシオロウスキーはこのスライダーで相手打者と勝負しており、今のところはそれが功を奏してメジャー屈指の先発投手となっている。

一方のスキーンズは7種類の球種を投げ分ける。ファストボール、スプリッター、スイーパー、チェンジアップ、シンカー、スライダー、カーブだ。

この球種をゾーンに投げ分けることで、スキーンズは相手チームを抑え込む。そして彼は今もそれぞれの球をさらに磨き上げている。その球速から「スプリンカー」とも呼ばれるスプリッターは、スキーンズがMLBでデビューした時にはレパートリーにない球種だった。

多くの球種を駆使し、制球力も高いスキーンズは、この先も長期にわたってリーグを席巻していくだけの基盤を固めている。彼のスキルセットは相手投手よりも安定しており、調子の悪い日であっても最低限のパフォーマンスを期待できる。守備のミスと投球数の多さから4回4失点で降板した水曜日の試合はまさにその好例だろう。

ブルワーズはナショナルリーグで最も恐れられる投手と対戦し、最高の状態のミシオロウスキーを送り出したことで互角の戦いを繰り広げることができた。ミシオロウスキーのピッチングには脆さを感じられるところもあるが、その高速スライダーは魅力的であり、今後も必見の投手だ。

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原文:Brewers' Jacob Misiorowski outduels Pirates' Paul Skenes with just two pitches
翻訳・編集:石山修二(スポーティングニュース日本版編集部)


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石山修二 Shuji Ishiyama

スポーティングニュース日本版アシスタントエディター。生まれも育ちも東京。幼い頃、王貞治に魅せられたのがスポーツに興味を持ったきっかけ。大学在学時に交換留学でアメリカ生活を経験し、すっかりフットボールファンに。大学卒業後、アメリカンフットボール専門誌で企画立案・取材・執筆・撮影・編集・広告営業まで多方面に携わり、最終的には副編集長を務めた。98年長野五輪でボランティア参加。以降は、PR会社勤務・フリーランスとして外資系企業を中心に企業や団体のPR活動をサポートする一方で、現職を含めたライティングも継続中。学生時代の運動経験は弓道。現在は趣味のランニングで1シーズンに数度フルマラソンに出場し、サブ4達成。

Anthony Licciardi

Anthony Licciardi is a freelance NFL Draft and MLB writer with The Sporting News. He has covered several NFL teams for Athlon Sports and Sports Illustrated’s wire sites. A 2023 Rutgers University graduate, Anthony is usually lost in a spreadsheet or a good book. He also enjoys grabbing coffee, playing with his cats and listening to an elite lineup of podcasts.