10月5日にパリロンシャン競馬場で行われる世界最高峰の一戦、カタール凱旋門賞(G1、芝2400メートル)。昨年の2着馬アヴァンチュール(牝4、C.フェルラン厩舎)が今年も主役候補として挑む。前哨戦のヴェルメイユ賞を快勝し、下馬評では断然の1番人気に推されているが、陣営はむしろ日本馬の存在を強く意識している。
「日本馬たちは前哨戦を勝ち切ってきています。勝敗は枠順の影響も大きく受けるでしょう」
そう語るのはクリストフ・フェルラン調教師。クロワデュノール、ビザンチンドリーム、アロヒアリイの日本勢は仏遠征で前哨戦を次々と制しており、現地でも注目を集めている。フェルラン師は昨年、アヴァンチュールで2着に惜敗しただけに、日本勢の勢いを軽視することなく、ライバルと位置づけているのだ。
今年のアヴァンチュールは昨年以上に地力を増している。シーズン序盤にはアレフランス賞(G3/芝2000m)、コリーダ賞(G2/芝2100m)を連勝。サンクルー大賞(G1/芝2400m)ではカランダガンに屈したものの、ヴェルメイユ賞(G1/芝2400m)で念願のG1制覇を果たした。牝馬同士の戦いを超え、牡馬混合の頂点を狙う態勢は整った。
鞍上はヴェルテメール兄弟の主戦マキシム・ギュイヨン。今年こそ悲願達成を託される。鍵を握るのは10月2日に行われる枠順抽選だ。内枠を引けるか、外に追いやられるか――。名実ともに世界一決定戦と呼ばれる凱旋門賞は、運も含めたすべてが試される舞台となる。
さらに馬場状態についても、フェルラン師は「アヴァンチュールは柔らかい馬場でも、重めの馬場でも力を発揮します。月曜朝の含水率(ペネトロメーター)は3.7でした。多少の雨が降るかもしれませんが、天気のことを神経質に気にしてはいません。夜は冷えて湿度も高いので、夏のようにすぐ乾くことはありません」と語っている。
フランスギャロが発表した最新の馬場情報によれば、大会当日の予想は「SOFT~GOOD TO SOFT(重~稍重寄りの良)」、降雨があれば「VERY SOFT(不良)」まで悪化する可能性もある。陣営はどんな馬場でも対応できると自信をのぞかせており、状態面への不安は一切ない。
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