いよいよ今週末10月5日(日)、フランス・パリロンシャン競馬場を舞台に凱旋門賞(G1・芝2400m)が行われる。
日本馬は1969年スピードシンボリを皮切りに、半世紀以上頂点に届いていないが、今年はアロヒアリイ・クロワデュノール・ビザンチンドリームの3頭が出走。いずれも現地フランスで前哨戦を勝利しており、史上最高と呼ぶにふさわしい布陣。今年こそ日本競馬の悲願に期待がかかる。
日本馬全3頭が現地フランスで前哨戦V
アロヒアリイが8月のギヨームドルナノ賞(G2・芝2000m)を制すると、続く9月はビザンチンドリームがフォワ賞(G2・芝2400m)、クロワデュノールがプランスドランジュ賞(G3・芝2000m)を勝利。日本馬3頭が揃って現地フランスの前哨戦を制するのは史上初の快挙となった。
これまで幾度となく日本勢は、欧州の重い馬場や特有のスローペースに苦しめられてきた。しかし今年は現地での勝利で、すでに適性を証明している点は大きなアドバンテージだ。
特にビザンチンドリームのフォワ賞から凱旋門賞へ向かうローテーションは、エルコンドルパサー(1999年)、オルフェーヴル(2012年・2013年)らが2着に好走した黄金ローテ。クロワデュノールとアロヒアリイは斤量面で有利な3歳馬で、戴冠のチャンスは十分にある。
クロワデュノールら日本勢の評価は?
イギリスの大手ブックメーカー「ウィリアムヒル」の9月28日時点でのオッズでは、ヨークシャーオークスを制した3歳牝馬ミニーホークと、昨年凱旋門賞2着の4歳牝馬アヴァンチュールがともに4.0倍で1番人気を分け合っている。
日本勢は、ダービー馬クロワデュノールが8.0倍で3番人気。ビザンチンドリームが10.0倍で4番人気タイ、アロヒアリイも16.0倍で8番人気タイという評価。いずれも前哨戦の勝利で評価を上げており、有力馬としてレースへ挑む。
気になるパリロンシャン競馬場の馬場状態は?
これまで日本馬が凱旋門賞で苦戦してきた最大の要因は、パリロンシャン競馬場の芝状態。高速決着が主流の日本とは対照的に、重くタフな芝は幾度となく日本馬を苦しめてきた。
しかし今夏、パリロンシャン競馬場は大規模な馬場改修を実施。フォルスストレート(約450m区間)の排水工事によって過度な湿り気や水捌けの悪さが改善された。
加えて現在、週末までフランス・パリは好天予報。例年に比べて良好な馬場での開催が想定され、日本馬にとっては追い風となりそう。
海外勢のライバルは?
日本馬3頭の前に立ちはだかる最大のライバルは、現在1番人気に支持されている2頭の有力牝馬。
まずは3歳馬ミニーホーク。デビュー戦こそ2着に敗れたものの、その後は破竹の5連勝。日本でもお馴染みのR.ムーア騎手を背に英オークス、愛オークス、ヨークシャーオークスと3つのG1タイトルを手にしている。もう1頭は4歳馬アヴァンチュール。昨年の凱旋門賞で2着に好走した実績を持ち、同舞台で行われた前走ヴェルメイユ賞を快勝。昨年のリベンジを誓う。
その他、昨年日本発売で1番人気の支持を集めた4歳牡馬ソジーや、ディープインパクトの血を引く4歳牝馬カルパナなども出走する。欧州の実力馬が揃い、日本馬にとっては手強い相手となりそうだ。
日本馬3頭が揃って前哨戦を制するという、これまでにない布陣で挑む今年の凱旋門賞。欧州の強豪勢が立ちはだかるが、日本競馬の悲願達成となるか。
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