【凱旋門賞2025】エネイブルの再現なるか 高額馬ミニーホークとロサンゼルスが参戦

一野洋 Hiroshi Ichino

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France Galop

10月5日にパリ・ロンシャン競馬場で行われるカタール凱旋門賞(G1/芝2400m)。アイルランドの名門エイダン・オブライエン厩舎が、3歳牝馬ミニーホークと、昨年3着の古馬ロサンゼルスを送り込む。

ミニーホークはゴフス・イヤリングセールで185万ユーロ(約3億円近い評価)を記録した高額馬。素質馬として大事に育成され、今年は英オークス、愛オークス、そしてヨークシャーオークスを3連勝。1970年以降わずか7度しか成し遂げられていない偉業で、近年ではエネイブルが達成し、そのまま凱旋門賞制覇へとつなげている。ミニーホークもまた「エネイブル再現」への期待を背負う存在だ。鞍上は凱旋門賞2勝を誇るクリストフ・スミヨンが務める。

さらに3歳牝馬という立場から、斤量利(古馬牡馬よりも4.5kg軽い)を得られる点は大きな強み。オブライエン師も「乗りやすく、位置を取りやすいタイプ」と太鼓判を押す。ただし、これまでの3連勝はいずれも少頭数(英オークス9頭、愛オークス7頭、ヨークシャーオークス4頭)での競馬。20頭近くが一斉に押し寄せる凱旋門賞という大混戦に対応できるかは未知数だ。

一方のロサンゼルスは昨年の凱旋門賞で逃げ粘って3着。今年は同舞台での雪辱を最大目標に調整されてきた。春のプリンスオブウェールズステークス(G1/芝1990m)では5着に敗れたものの、秋はロイヤルホイップステークス(G3/芝2000m)4着を経て、前哨戦フォワ賞(G2/芝2400m)ではビザンチンドリームの4着。結果こそ物足りないが、陣営は「使われつつ上向いている」と評価している。今回はウェイン・ローダン騎手とのコンビで挑む。

オブライエン師は2007年ディラントーマス、2016年ファウンドで凱旋門賞を制しており、「世界でもっとも権威あるレース」と位置づけるこの舞台に、再び2頭を送り込む。今年は高額馬ミニーホークの快進撃が続くのか、それとも経験豊富なロサンゼルスが意地を見せるのか。名門バリードイルの挑戦から目が離せない。

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一野洋 Hiroshi Ichino

青山学院大学を卒業後、米軍厚木基地に就職。その後、NFLを題材にしたライターを目指して渡米。アメリカでは寿司職人を経て、日系フリーペーパーの編集者となりNFL、MLB、NBAなどを取材。帰国後はNFL日本語公式サイトのディレクション業務などに従事した。ライターとしてNFL、海外競馬、サーフィンをメインに扱い、これまでにスーパーボウル、凱旋門賞などの海外競馬、ジャパン・オープン・オブ・サーフィンなど取材経験あり。