FIFAクラブワールドカップ2025は、世界中のクラブにとって選手の負担が増える大会ではあるものの、一方で若手選手にとっては貴重な出場機会を得て、自らの実力を証明する絶好の舞台にもなっている。
スター選手たちが長いシーズンの終わりに休養と回復を優先し、ケガを避けるため慎重な姿勢を取る中、控えに甘んじていた若手たちはチャンスをつかみ、自らの存在感を示す必要がある。
その理想を体現している選手の一人が、レアル・マドリードのストライカー、ゴンサロ・ガルシアだ。まるで突然現れたかのようにチームの前線で有力なオプションとなり、攻撃陣での輝きを放つ彼は、これまで手薄だったポジションに対し、クラブに未来を見据えた真剣な検討を促している。
『The Sporting News』は、アメリカで開催されているこの夏の大会で台頭してきたガルシアが、レアル・マドリードのストライカー問題における新たな解決策となり得るかについて取り上げている。
ゴンサロ・ガルシアとは何者か?
2004年にマドリードで生まれたゴンサロ・ガルシアは、10歳のときにレアル・マドリードの下部組織に加入。一時は2018年にマジョルカに移籍したものの、翌年には再びマドリードへ戻った。
初めてトップチームに呼ばれたのは2023年秋。ヴィニシウス・ジュニオールの負傷による欠場がきっかけで、11月末のカディス戦で途中出場しデビューを果たした。その後、初ゴールまでにはさらに2年近くを要し、2025年2月のコパ・デル・レイ準々決勝レガネス戦でついにネットを揺らした。
チーム内での序列はまだ高くないが、ガルシアは2025年クラブワールドカップのメンバーに選出され、ここでチャンスをつかんだ。キリアン・エムバペが体調不良で一時入院し、エンドリッキがケガで大会を欠場する中、ガルシアは実質的な先発ストライカーとなった。
このチャンスを見事に活かし、グループステージ3試合で2ゴール1アシストを記録。チームをグループH首位通過に導く立役者となった。
まだスペインA代表への招集歴はないが、その才能はルイス・デ・ラ・フエンテ監督の目に止まるのも時間の問題だ。これまでの最高レベルの実績は2023年のU-19欧州選手権。スペインが準決勝でイタリアに敗れるまでで1アシストを記録している。
ガルシアはレアルのストライカー問題を解決できるのか?
2024/25シーズン、レアル・マドリードはタイトルを一つも獲得できなかった。チャンピオンズリーグでは準々決勝敗退、国内リーグではバルセロナに追いつけず。チームには明らかに複数の補強ポイントがあった。
中でも顕著だったのがストライカー不足だ。キリアン・エムバペは加入1年目からこのポジションで結果を残したが、その一方でヴィニシウス・ジュニオールの得点力は低下し、ロドリゴは存在感を失った。
原因としては、エムバペを中央で起用すると、攻撃陣のバランスが崩れ、互いのスペースを潰し合う形になったと分析されている。彼の個人としての成功が、チーム全体の連携に悪影響を与えてしまったのだ。
さらにエンドリッキの成長も足踏み状態。新監督のシャビ・アロンソは、エムバペとヴィニシウスをより自由にプレーさせ、ロドリゴを放出し資金化する案を考えていた。
だが、予想外の形で“解決策”が現れたかもしれない。
So I can say it officially now: GG reminds me on a certain number 7
— Kiyan Sobhani (@KiyanSo) June 27, 2025
21歳のゴンサロ・ガルシアは、クラブワールドカップで新たな風を吹き込んでいる。チーム内の主力が急遽使えなくなった中で出場機会を得た彼は、隠れた才能を証明している。俊敏でトリッキーでありながら、体格面で劣っていてもペナルティエリア内でしっかりと主張できる選手だ。
84' ⚽ GOLAZOOO — GONZALO GARCÍA!
— DAZN Football (@DAZNFootball) June 27, 2025
Real Madrid grab their third as the youngster gets on the scoresheet.
Watch the @FIFACWC | June 14 - July 13 | Every Game | Free | https://t.co/i0K4eUtwwb | #FIFACWC #TakeItToTheWorld pic.twitter.com/5P2gcN1rva
旅人のようなキャリアを持つストライカー、ホセルから影響を受けたというガルシアは、今やレアル・マドリードのストライカー問題を解決し得るリアルな選択肢として浮上している。彼の存在があれば、エムバペとヴィニシウスをセカンドトップのような位置に配置でき、シャビ・アロンソ監督がレヴァークーゼン時代にヴィルツとホフマンを活かした形を再現できるかもしれない。
ただし、完璧なフィットではない。アロンソのシステムは、ヴィクター・ボニフェイスやパトリック・シックのような屈強な“クラシックな9番”を前線に据えることで機能していた。ガルシアはそのタイプではない。
また、ヴィニシウスとエムバペをストライカーの背後に並べても、ポジションが被る可能性がある。どちらも左サイドを主戦場とし、ゴールへの意識が強い。対照的に、レヴァークーゼンのホフマンとヴィルツは互いを補完し合い、ホフマンはボール保持に、ヴィルツはアタッキングサードでの創造性に長けていた。
理想的な構成ではないにせよ、アロンソなら手持ちの駒に応じたシステムを構築できるだけの柔軟性がある。レアル・マドリードは、まさに予期せぬ場所からストライカー問題の答えを見つけたのかもしれない。
原文:Who is Gonzalo Garcia? Real Madrid striker capitalizes on Mbappe absence at Club World Cup
翻訳:小鷹理人(スポーティングニュース日本版)
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