バイエルン10連勝を支えるエースの進化 ケインが新たな役割について語る

Atrayo Bhattacharya

小山亮 Akira Koyama

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バイエルン・ミュンヘンは2025-2026シーズン、公式戦10連勝という圧巻のスタートを切った。その原動力となっているのが、ヴァンサン・コンパニ監督の手腕、そしてエースのFWハリー・ケインである。

今季ケインはすでに公式戦18ゴールを記録。土曜日に行われたブンデスリーガ第6節のフランクフルト戦でもネットを揺らし、チームの3-0勝利に貢献した。

しかし、ケインの輝きは数字だけにとどまらない。32歳のストライカーは、プレスの強度や運動量を向上させるだけでなく、中盤寄りの位置で味方を生かしながら攻撃のリズムを作るプレーも見せている。

特にジャマル・ムシアラがクラブワールドカップ(PSG戦)で靭帯を負傷し、長期離脱している今、ケインは一列下がった位置でのプレーに適応している。

試合後のインタビューで、ケインは自身の新しい役割について次のように語った。

「ジャマル(ムシアラ)がいるときとは少し違うんだ。彼は本当に優れた選手で、ディフェンダーからボールを奪い、ドリブルで仕掛けられる。だから一緒にプレーしているときは、彼に任せるほうが良かったんだ」

「今季はセルジュ(ニャブリ)やニコ(ジャクソン)と組むことが多くて、そのおかげで僕は少し下がってプレーできるようになった。ターンして前線へパスを出したり、サイドに展開したりしてから、少し遅れてボックスに入っていく感じだね。この動きも得点に繋がるんだ。9番として常に前に張っていると、相手にマークされて動きづらくなることがある。だけど、今日のゴールみたいに遅れて入ることで、チャンスを作ることもできるんだ」

実際、データもその進化を裏付けている。Optaによると、ケインはブンデスリーガ史上初めて「開幕6試合で11ゴール」を記録した選手となった。

フランクフルト戦でのゴールは、まさに"新たなスタイル"を象徴するものだった。ビルドアップの場面でケインは中盤まで下がり、FWルイス・ディアスが一時的に9番の位置を取る。MFヨシュア・キミッヒがディアスへ縦パスを入れ、そこから再びケインへ。ケインは距離のある位置から強烈なシュートを放ち、ゴール左隅に突き刺した。

コンパニ監督は、ケインに高い自由度を与えており、それが彼のプレーをさらに輝かせている。

先週行われたチャンピオンズリーグのパフォスFC戦では、ケインが"セカンドストライカー"的な役割で先発し、FWニコラス・ジャクソンが最前線を務めた。それでもケインは2得点を挙げ、ジャクソンもゴールを決めるなど、バイエルン攻撃陣の新たな形を印象づけた。

バイエルンはここまで10戦全勝。36得点・8失点という圧倒的な数字を残しており、クラブ記録を更新する絶好調のスタートを切っている。

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原文:Harry Kane breaks silence on playing different role for Bayern in Jamal Musiala's absence
翻訳・編集:小山亮(スポーティングニュース日本版)

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Atrayo Bhattacharya

Atrayo Bhattacharya is a content producer for The Sporting News, working across English editions.

小山亮 Akira Koyama

スポーティングニュース日本版アシスタントエディター。埼玉県出身。都内の大学に在学中。15年間にわたりサッカーに打ち込んできたが、プロの試合観戦や分析も趣味。幼少期からJリーグや欧州サッカーを追いかけ、現在は年間20試合以上をスタジアムで観戦している。大学のサークルでは監督を務め、全国2位を経験した。