マイク・ブラウンvsトム・シボドー ニックスの新コーチと前コーチを比較

Gilbert McGregor

小野春稀 Haruki Ono

マイク・ブラウンvsトム・シボドー ニックスの新コーチと前コーチを比較 image

トム・シボドーの後任として、2度の年間最優秀コーチに輝いたマイク・ブラウンが指名された。

ブラウンは、スターターに依存し過ぎることで知られているシボドーの後の舵取りを任された。ニューヨーク・ニックスは、ブラウンの下で、チャンスの大きい来季のイースタン・カンファレンスで素晴らしい結果を生むことを期待している。ここではブラウンとシボドーの両者を比較していこう。

ここではブラウンとシボドーの両者を比較していこう。

▶AmazonでNBAグッズをチェック!

ブラウンとシボドーの通算成績

ブラウンとシボドーの両者は、ともにコーチングキャリアで勝ち越している。

55歳のブラウンはヘッドコーチを務めた9シーズンで負け越しは1度だけ。しかし、2012-13シーズンは5試合で解雇され(1勝4敗)、2024-25シーズンは31試合で解雇された(13勝18敗)。さらに、2007年のNBAファイナル進出と2009年のカンファレンス決勝進出を筆頭に、プレイオフでも勝ち星を挙げている。

67歳のシボドーは、全試合で指揮を執った12シーズンのうち、負け越したのはわずか2シーズンだけだった。2018-19シーズンには彼はミネソタ・ティンバーウルブズで指揮を執ったが、19勝21敗となった時点で解任された。シボドーはプレイオフで負け越しており、2011年と2025年にカンファレンス決勝に進出したのが最高成績だ。

 ブラウンシボドー
レギュラーシーズン454-304(59.9%)578-420(57.9%)
プレイオフ50-40(55.6%)48-55(46.6%)
合計504-344(59.4%)626-475(56.9%)

ブラウンとシボドーのローテンション比較

シボドーのキャリアで最も批判されることのひとつは、主力選手への過度の依存である。

レギュラーシーズン中、ニックスの先発5人は1試合平均35.0分以上出場し、ミカル・ブリッジズ、ジョシュ・ハート、OG・アヌノビーは今季の総出場時間でトップ10に入り、ハートは1試合あたりの出場時間でリーグ1位だった。シボドーは、プレイオフでも7人だけのタイトなローテーションを組んだ。

ブラウンのサクラメント・キングスでのベストシーズンである2022-23シーズンを参考にすると、チームの出場時間トップは1試合平均34.6分で、プレイオフでは1試合平均16.9分以上出場した選手が8人だった。

シボドーに公平を期すなら、2024-25年のニックスのロスターには真の厚みがなく、ベンチに不安を抱えていた。シボドーはプレイオフ終盤になって彼らを起用したが、彼らは一貫したパフォーマンスを見せることはできなかった。

今オフ、ニックスはFAでジョーダン ・ クラークソンとガーション・ヤブセレを獲得した。来季のニックスは遥かに厚みのあるロスターになるだろう。

プレイのほとんどはジェイレン ・ ブランソンとカール ・ アンソニー ・ タウンズの2人で完結するだろう。しかし、ニックスは先発の5人とマイルズ・マクブライド、ミッチェル ・ ロビンソンに加えて、頼りになる2人のFA戦士を加えて来季を迎えられるはずだ。

Mike Brown

マイク・ブラウンのコーチングスタイル

ブラウンはコーチとして多くのキャリアを積んできた。キングス時代にはディアロン・フォックスとドマンタス・サボニスを中心としたオフェンスを構築し、ゴールデンステイト・ウォリアーズ時代は優勝チームのディフェンスを作り上げて注目を集めた。

ニックスでは、ブランソンとタウンズを中心としたオフェンスにもっとバランスをもたらす際に、キングス時代の経験が活きるはずだ。

ニックスはボールムーブの問題に直面し、オフェンスの停滞はチーム敗退の大きな要因のひとつとなった。

キングス時代のブラウンのコーチングを調べたところ、彼は物事を軽やかに進める一方で、チームに対して非常に厳しい態度を取っていたことがわかった。キングスのヘッドコーチとしての最後の記者会見では、スター選手を呼び捨てにしたり、説明責任を求めたりした。

ブラウンは過去にレブロン・ジェームズをコーチしたことがあり、ロサンゼルスでもコーチをしたことがある。ニューヨークというスポットライトの当たるチームでの指揮に困惑することはないだろう。

以下は、ブラウンがヘッドコーチとして指揮を執った各シーズンの、チームの順位といくつかの数字を1年ごとにまとめたものだ。

 
シーズンチームオフェンシブレーティングディフェンシブ・レーティング成績
2005-06キャバリアーズ106.6(9位)104.4(15位)50-32
2006-07キャバリアーズ104.4(16位)100.6(4位)50-32
2007-08キャバリアーズ104.8(20位)105.4 (11位)45-37
2008-09キャバリアーズ111.2(4位)101.6(2位)66-16
2009-10キャバリアーズ110.6(5位)103.8(8位)61-21
2011-12レイカーズ104.5(10位)103.2(12位)41-25
2012-13レイカーズ*105.4(6位)106.5(25位)1-4
2013-14キャバリアーズ103.5(22位)107.0(20位)33-49
2022-23キングス118.6 (1位)116.0(24位)48-34
2023-24キングス116.2(13位)114.4(14位)46-36
2024-25キングス*114.4(8位)112.9(16位)13-18

▶AmazonでNBAグッズをチェック!

*ブラウンが解任されるまでの成績

2022-23年、キングスの猛烈なオフェンスは歴史的なレベルに達したが、ディフェンスが敗因となった。翌年、キングスのオフェンスはやや後退し、他のチームに抜かれたが、ディフェンスはわずかにステップアップした。

2024年12月末に解任される前、ブラウンはチームに細部にもっと注意を払うよう要求したが、効果はなかった。ブラウン解任後、キングスはダグ・クリスティーのもとで27勝24敗の成績を残した。

原文:Mike Brown vs. Tom Thibodeau: Is new Knicks coaching hire an upgrade over predecessor?

抄訳:小野春稀(スポーティングニュース日本版)

Gilbert McGregor

Gilbert McGregor first joined The Sporting News in 2018 as a content producer for Global editions of NBA.com. Before covering the game, McGregor played basketball collegiately at Wake Forest, graduating with a Communication degree in 2016. McGregor began covering the NBA during the 2017-18 season and has been on hand for a number of league events.

小野春稀 Haruki Ono

スポーティングニュース日本版アシスタントエディター。大学生。元はスポーティングニュースのNBAニュースを毎日楽しみにしていた読者であったが、今では縁あってライターとして活動している。小学生の時にカイリー・アービングのドリブルに魅了されNBAの虜に。その影響で中高6年間はバスケに熱中した。主にNBAの記事を執筆している。