ニューヨーク・ヤンキースはこの週末、ディビジョンライバルのボストン・レッドソックスを迎えてのシリーズを前に好調を維持している。
チームはクリーブランド・ガーディアンズとのシリーズを含め直近9シリーズ中8シリーズで勝ち越している。一方、レッドソックスはこのオフに即戦力を補強したにもかかわらず、ケガや不調、不運が度重なる中、30勝34敗と負け越し、ここまでの成績は失望と言っていいだろう。
そんなチームの中で最も注目を集めている問題がチームの主砲ラファエル・デバースを巡る長期にわたるトラブルだ。
レッドソックスはこのオフにアレックス・ブレグマンを獲得し、デバースをフルタイムの指名打者へとコンバートした。デバースはスプリングトレーニング当初これを拒否していたが、最終的には受け入れ、今ではチームの主軸として役割を果たしている。
問題はここからで、5月初めにトリストン・カサスの今季絶望となる怪我をしたことから、チームは再度デバースに対して今度はファーストへのコンバートを要請したのだった。デバースはこのリクエストを今なお拒否し続けている。
ヤンキースのジャズ・チザムJr.はレッドソックス戦を前に、この騒動に対する自身の考えを示した。
「そのポジションを約束したのなら、そこでプレーすべきだ」とチザムはスポーツニュースサイト『The Atheletic』の取材で答えた。
「彼はキャリアを通じてそうしてきた。今更変えることはできない。彼がしたことに問題はないと思うよ」
注目すべきはデバースと異なり、チザム自身はヤンキースのためにポジション変更を快諾してきた点だ。長年セカンドをプレーしてきた彼だが、昨年トレードでヤンキースに来た時は、サードのポジションを引き受けた。そして今年も開幕はセカンドでスタートしたものの、故障離脱からの復帰後はチームメイトのDJ・ラメイヒューにセカンドを譲り、再びサードに入っている。
しかし、チザムはデバースが自分と同じことを拒否することに理解を示す。
「自分がここへ来た時は、セカンドに入ることは言われていたけど、それを約束したわけじゃなかった。この先何年セカンドでプレーして、それでいくらの年俸をもらうみたいな話をしたわけじゃない。自分はただ勝つためにここに来た。だから自分はリングを勝ち取るためなら何だってするよ」
だが、2023年に10年3億1350万ドル(1ドル144円換算で451億4400万円)の契約延長をしたデバースはまた別の話だとチザムは言う。
「彼とすれば、『自分はこのポジションを約束していた。そのために契約したし、自分はサードでプレーするためにここにいるんだ』って言える立場にあると思うよ」
「彼の状況は、自分のとは違うよ」
原文:Yankees star sounds off on Red Sox, Rafael Devers drama
翻訳・編集:石山修二(スポーティングニュース日本版編集部)
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