野球では、メッセージを伝えるために全てのチームがサインを使っている。草の根レベルではコーチからキャッチャーへ投球の指示が行われたりするが、三塁コーチを通じてバッターへ指示を送ることはどんなレベルでもやっていることだろう。
相手チームのサインを盗むことはルール違反ではない。相手チームのサインが分かったとして、それを活用することもルール違反ではない。ただ、相手がそれに納得するかどうかは別の話だ。特に投手はサインが盗まれることに強く反発する。投手と打者の勝負において、対戦相手に不公平な優位性を与えるためだ。
現地4日(水)のボストン・レッドソックス対ロサンゼルス・エンゼルス戦の試合前、練習中の選手たちとコーチの間で小競り合いが発生したのは、このサイン盗みに関する問題が発端だった。
レッドソックスとエンゼルスの間のトラブルの原因は?
レッドソックスとエンゼルスはフェンウェイ・パークで3連戦を行なっており、エンゼルスが最初の2試合に連勝を収めていた。そして迎えた第3戦の試合前に事件が起こった。
Coaches and players chirping before the game. Everything is going great at Fenway. pic.twitter.com/TAMQZUvjYC
— Section 10 Podcast (@Section10Pod) June 4, 2025
(コーチと選手たちが試合前から盛り上がっている。フェンウェイは最高だ)
エンゼルスのタイラー・アンダーソンは月曜日のシリーズ第1戦に先発し、4回1/3を投げ、5失点を許した。チームが7-6で勝利したため、敗戦投手になることは免れたが、ベテラン左腕にとっては不本意な試合だった。
MLBを取材するマイク・ロドリゲス氏は、アンダーソンは自分の登板前にレッドソックスのコーチ陣がエンゼルスのサインを解読していたことを知り、第3戦の前にボストンのコーチと対峙した、とX(旧Twitter)で伝えている。
アンダーソンがこのことについて試合前のウォームアップの際に直接話そうと決意した結果、両者の間で口論となり、やがて他のコーチや選手たちも巻き込んでいく騒ぎに発展していった。
実際にサイン盗みがあったのかどうか真実は闇の中だが、このシリーズ最終戦で両チームのコーチたちが互いのサインを盗み合った可能性も否定しきれないだろう。なにしろ、この第3戦では1回表裏の攻防だけで合計9点もの得点が入ったからだ。
原文:Red Sox-Angels altercation, explained: Why Los Angeles pitcher Tyler Anderson confronted Boston coach before game
翻訳・編集:石山修二(スポーティングニュース日本版編集部)
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