秋のパリを彩る欧州最高峰の一戦、第104回凱旋門賞(G1/芝2400m)が日本時間10月5日(日)23時5分に発走を迎える。
金曜から降り続いた雨の影響で、馬場はやや重から稍重(soft〜good to soft)見込み。レース当日は晴れる見込みだが、重厚な血統と馬場適性が勝敗を左右する舞台となりそうだ。
今年は日本からクロワデュノール、ビザンチンドリーム、アロヒアリイの3頭が挑戦。対する欧州勢もアヴァンチュール、ミニーホーク、ソジーら実績馬が揃い、日本勢がどこまで食い込むか注目が集まる。
展開
パリでは金曜から土曜にかけて雨が降っている。フランスギャロが9月29日に発表した予想では、重~稍重よりの良。日曜に雨が再び降れば不良まで悪化する可能性もあるという。
内ラチは全周でゼロメートル位置に戻され、直線450m手前から幅6メートルの“オープンストレッチ”が設置される。これにより、最内は比較的傷んでおらず、今年のロンシャンは「内差し」も十分に決まる馬場。例年のような外差し一辺倒ではない点が、展開予測に微妙な影響を与えそうだ。
レースの流れはロスアンゼルス、ジアヴェロットあたりが前を引っ張り、ソジーが好位でマーク。アヴァンチュール、ミニーホークも好位につける。消耗戦ではなく、瞬発力+機動力を兼ね備えた馬が浮上する展開を想定する。
海外ブックメーカー1番人気はミニーホーク
海外ブックメーカーの一つ、「パディパワー」のオッズを見てみると(日本時間4日16時23分時点)、1番人気はミニーホークで4.5倍。2番人気はアヴァンチュールの5倍で単勝一けた台はこの2頭まで。そこから離れた3番人気がソジーの10倍。日本馬は、ビザンチンドリームが11倍で4番人気と最も人気が高く、クロワデュノールが13倍の7番人気、アロヒアリイが15倍の9番人気となっている。
予想
◎ アヴァンチュール(10番・牝4・M.ギュイヨン/C.フェルラン厩舎)
昨年2着、前走ヴェルメイユ賞でG1初制覇。地力・完成度ともに充実期にある。フェルラン調教師が「柔らかい馬場でも重めの馬場でも力を発揮」と語るように、今の馬場は理想的。スタミナと持続力勝負なら最も信頼できる存在だ。
○ ソジー(4番・牡4・S.パスキエ/A.ファーブル厩舎)
日本で昨年1番人気だった雪辱を期す。前走フォワ賞ではビザンチンドリームに屈したが、叩き台としては上々。父シーザスターズで、道悪適性は高い。内ラチ沿いをロスなく立ち回れれば、逆転も十分。
▲ ゲゾラ(18番・牝3・T.マーカンド/F.グラファール厩舎)今年の仏オークス馬。前走ヴェルメイユ賞ではアヴァンチュールの2着。3歳牝馬の斤量利(55kg)は歴史的に凱旋門賞で最強の武器。マーカンド騎手がテン乗りでも操縦性の高さは折り紙付き。終いの脚が生きる展開なら怖い。
△ ダリズ(11番・牡3・M.バルザローナ/F.グラファール厩舎)
父シーザスターズ。まだ幼さは残るが、血統と能力は世代屈指。プランスドランジュ賞ではクロワデュノールに0.1秒差の2着に敗れたが、外すリスクより押さえる価値がある。
☆ クアリフィカー(13番・牡3・W.ビュイック/A.ファーブル厩舎)今年の仏ダービー2着馬。ロンシャンでは2戦2勝と舞台適性抜群。2400m初挑戦だったニエル賞を勝ち、距離延長にメドがついた。
日本馬はクロワデュノール、ビザンチンドリームが外枠、アロヒアリイは2400m未経験とマイナス材料が多く、いずれも掲示板止まりとみる。ミニーホークは海外ブックメーカーでは目立つ存在だが、初の牡馬相手のG1で展開・馬場適性を考慮して本線からはあえて外す判断を取った。
買い目
3連単5頭ボックス(60点)
(4)ソジー
(10)アヴァンチュール
(11)ダリズ
(13)クアリフィカー
(18)ゲゾラ
今年のテーマは「シーザスターズの血と斤量利」。馬場はやや重まで回復基調とみて、瞬発力と切れ味を兼ね備えたアヴァンチュールを中心に、凱旋門賞と相性が良いシーザスターズ系(ソジー・ダリズ)と軽斤量の3歳牝馬ゲゾラを組み合わせる。
最後に加えるならロンシャン巧者クアリフィカー。今年のロンシャンを制するのは、やはり“血統と馬場”を知り尽くしたフランスの名門たちか。
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