TL;DR
- アルゼンチンは前回王者として、メッシとスカローニ監督と共に3度目の優勝を目指す。
- スペインは世界ランキング1位で、ヤマルら若手有望株を擁し優勝候補筆頭。
- フランスはエムバペら強力な選手陣で、過去の不安を乗り越え優勝を狙う。
- イングランドはケイン、ベリンガムらタレント揃いだが、タイトル獲得の勝負強さが鍵。
日本時間12月6日、FIFAワールドカップ2026の組み合わせ抽選が終わり、グループリーグで対戦する国が明らかになった今、各チームとファンは世界最高の大会の開幕を心待ちにしている。
史上初めて48チームに拡大される2026年大会では、世界各地のスター選手たちが北米に集い、世界一の称号を懸けてしのぎを削ることになる。
前回王者のアルゼンチンは、60年以上ぶりの大会連覇を狙うが、その王座を脅かすライバルは数多い。複数の欧州強豪国がトロフィーを狙っており、世界各地から“伏兵”と呼べるチームも名乗りを上げようとしている。
スポーティングニュースでは、ワールドカップ2026年大会の優勝候補の10チームを選出し、各チームが持つ強みと、6月中旬の大会開幕に向けた戦力を解説する。
ワールドカップ2026優勝オッズ
以下の優勝オッズは、12月5日に行われたワールドカップ抽選会直後のものである
オッズは米国のDraftKings提供、2025年12月5日時点の更新。
| 国 | FIFAランキング | W杯20026優勝オッズ |
| スペイン | 1 | +450 |
| イングランド | 3 | +550 |
| フランス | 4 | +750 |
| アルゼンチン | 2 | +800 |
| ブラジル | 5 | +800 |
| ポルトガル | 6 | +1000 |
| ドイツ | 9 | +1200 |
| オランダ | 7 | +2000 |
| ノルウェー | 29 | +2800 |
| イタリア* | 12 | +3000 |
| ベルギー | 8 | +5000 |
| コロンビア | 13 | +5000 |
| ウルグアイ | 16 | +6500 |
| アメリカ | 14 | +8000 |
| メキシコ | 15 | +8000 |
| モロッコ | 11 | +8000 |
| スイス | 17 | +8000 |
| エクアドル | 23 | +8000 |
W杯2026優勝候補10チームランキング
※FIFAランキングは2025年11月時点
10. アメリカ
- FIFAランキング: 14位
- 地域ランキング: 1位(CONCACAF)
- W杯優勝: 0
- W杯出場回数(前回): 11回(カタール2022)
- 予選通過方法: 開催国
- 監督: マウリシオ・ポッチェッティーノ(アルゼンチン) 2024年9月〜
- 主な選手: クリスティアン・プリシッチ(ACミラン)、アントニー・ロビンソン(フラム)、ウェストン・マッケニー(ユベントス)
アメリカがこのランキングに入っているという事実は、「本当の意味でのW杯優勝候補」が世界でもいかに少ないかを物語っている。もちろん、アメリカが“その超エリート”に含まれるわけではない。
Nonetheless,開催国補正(ホストバンプ) possesses a formidable strength. It's likely that no host nation has fielded a team as strong as the current American squad since Brazil in the 2014 tournament. At that time, Brazil demonstrated sufficient capability as a championship contender until their historic defeat in the semi-finals.
Realistically, America's chances of winning are quite slim. While it's honestly a tough prospect, the idea of the U.S. Advancing with the momentum of being the home team is still more conceivable than seeing nations like Belgium (who tend to underperform expectations) or Colombia (known for their inconsistent form) reach the top.
さらに追い風となっているのが、今回の組み合わせ抽選だ。アメリカは 「最も楽なグループのひとつ」 に入ることに成功した。グループDを首位で通過できれば、より上位のラウンドまで勝ち進む展開も十分にあり得る。
9. ノルウェー
- FIFAランキング: 29位
- 地域ランキング: 15位(UEFA)
- W杯優勝: 0
- W杯出場回数(前回): 3(フランス1998)
- 予選通過方法: UEFAグループI 首位(8勝0敗0分)
- 監督: スターレ・ソルバッケン(ノルウェー)2020年12月〜
- 主な選手: アーリング・ハーランド(マンチェスター・シティ)、マルティン・ウーデゴール(アーセナル)、サンダー・ベルゲ(フラム)
ノルウェーは1998年以来のワールドカップ出場となり、ポット3からの参戦ではあるものの、今回の大会で軽視するべきではないチームである。
彼らはスター選手としてハーランドとウーデゴールを擁しているが、チーム全体も層が厚く、全ポジションに確かなクオリティを備えた選手が揃っている。
最終的にノルウェーが“真の”優勝候補であるとは言えない。しかし、過去2年間の結果を信じるなら、条件がかみ合えば、ベスト8進出も十分に狙える存在となるだろう。
8. オランダ
- FIFAランキング: 7th
- 地域ランキング: 5th (UEFA)
- W杯優勝: 0
- W杯出場回数(前回): 11回(カタール2022)
- 予選通過方法: UEFAグループG首位(6勝2分0敗)
- 監督: ロナルド・クーマン(オランダ)2023年1月〜
- 主な選手: フィルジル・ファン・ダイク(リバプール)、フレンキー・デ・ヨング(バルセロナ)、コーディ・ガクポ(リバプール)
3度のW杯準優勝という歴史を持つオランダは、この大会によって幾度となく苦しめられてきた。近年は結果が振るわないものの、2010年準優勝、2014年3位という実績を今でも鮮明に覚えているファンは多い。
今回のメンバーにも欧州5大リーグのスター選手がずらりと揃っているが、同時に不安材料も少なくない。
ファン・ダイクは2025-2026シーズンでリバプールの不調に伴い、「突然、全盛期が過ぎた」と思わせるパフォーマンスを露呈した。チームメイトのガクポも調子を落としており、メンフィス・デパイはコリンチャンス(ブラジル)で存在感を失い、チャビ・シモンズはトッテナムで期待外れ。さらに、守護神の質も十分とは言い難い。
The Dutch national team has consistently possessed the talent to compete in the World Cup, and this time is no different. However, envisioning them integrating all that talent to achieve "victory" is, frankly, quite a stretch. On this stage where numerous renowned teams have fallen just short, will this current Dutch squad truly claim the championship?
7. ポルトガル
- FIFAランキング: 6位
- 地域ランキング: 4位(UEFA)
- W杯優勝: 0
- W杯出場回数(前回): 8(カタール2022)
- 予選通過方法: UEFAグループF首位(4勝1敗1分)
- 監督: ロベルト・マルティネス(スペイン)2023年1月〜
- 主な選手: クリスティアーノ・ロナウド(アル・ナスル)、ヴィティーニャ(パリSG)、ブルーノ・フェルナンデス(マンチェスター・ユナイテッド)
Every four years, during the EURO (European Championship), we find ourselves caught in the same cycle of "anticipation and disappointment" regarding Portugal. When we actually watch them play, they don't appear that formidable. Nevertheless, before we know it, they've advanced to the latter stages of the knockout rounds, contending for the title.
しかし、ワールドカップとなると、なぜかその“魔法”を再現できない。そしてまた「このチームは本当はどれほど強いのか?」という疑問に戻ってしまう。年齢を重ねたロナウドだけでなく、ヴィティーニャも悪いタイミングで調子を落とし始めており、守備陣には依然として多くの不安が残る。ポルトガルは、「倒しやすいようで手強くもある厄介な存在」だ。
6. ブラジル
- FIFAランキング: 5位
- 地域ランキング: 2位(CONMEBOL)
- W杯優勝: 5回(史上最多)
- W杯出場回数(前回): 22回(カタール2022)
- 予選通過方法: 南米予選 5位(8勝6敗4分)
- 監督: カルロ・アンチェロッティ(イタリア)2025年5月〜
- 主な選手: ネイマール(サントス)、ヴィニシウスJr(レアル・マドリード)、エステヴァン(チェルシー)、アリソン(リバプール)
It's unthinkable that Brazil, the most successful nation in World Cup history, wouldn't be included in this ranking. However, for the 2026 tournament, they have more "things to prove" than in typical years. The team clearly has weaknesses, and manager Ancelotti faces the difficult task of rectifying them in a short period.
アンチェロッティ監督にとって最大の仕事は、ヴィニシウスを代表で爆発させることだ。クラブでは世界屈指のスターでありながら、ブラジル代表では50試合近くでわずか8ゴールと、ずっと苦しんできた。
その一方で、チェルシーの若き逸材エステヴァンは急速に評価を高めており、これは明るい材料だ。もし、ヴィニシウスが代表で本領を発揮し、エステヴァンが国際舞台でセンセーションを巻き起こし、さらに守備陣が健康を維持できれば、ブラジルが優勝争いまで駆け上がり、過去20年の“悪夢”を払拭するシナリオは十分にあり得る。
とはいえ、トロフィーを掲げるためにすべてが上手くいかなくてはいけない要素が、他国に比べてかなり多いのも事実だ。
5. ドイツ
- FIFAランキング: 9位
- 地域ランキング: 7位(UEFA)
- W杯優勝: 4回(1954、1974、1990、2014)
- W杯出場回数(前回): 20回(カタール2022)
- 予選通過方法: UEFAグループA首位(5勝0分1敗)
- 監督: ユリアン・ナーゲルスマン(ドイツ)2023年9月〜
- 主な選手: フロリアン・ヴィルツ(リバプール)、ヨシュア・キミッヒ(バイエルン)、セルジュ・ニャブリ(バイエルン)
ドイツ代表は、2014年に優勝して以降、直後の2大会連続でグループステージ敗退という屈辱を味わっている。
However, unlike Brazil, Germany has achieved a degree of success in tournaments other than the World Cup, and their reputation as a national team hasn't completely collapsed. That said, it's true that their global standing has been shaken, which prompted manager Nagelsmann to implement significant changes. Consequently, Germany now fields a team with many players whose track records are largely unproven.
It's entirely conceivable that Germany could advance and contend for the championship at the 2026 tournament. This isn't merely a "pipe dream." However, achieving this necessitates a significant number of players realizing their full potential within the national team. Examples include Wirtz, Kimmich, Sané, and Nick Vottermade.
最低でもベスト4進出は期待されるだろうし、そこまでは到達しそうな雰囲気もある。だが、優勝を目指すとなると、「すべてが噛み合う」必要があり、そのハードルは決して低くない。
4. イングランド
- FIFAランキング: 4位
- 地域ランキング: 3位(UEFA)
- W杯優勝: 1
- W杯出場回数(前回): 16回(カタール2022)
- 予選通過方法: UEFAグループK首位(8勝0敗0分)
- 監督: トーマス・トゥヘル(ドイツ)2025年1月〜
- 主な選手: ハリー・ケイン(バイエルン)、ジュード・ベリンガム(レアル・マドリード)、デクラン・ライス(アーセナル)
ここからが本物の優勝候補たちの登場である。上位4チームとその他の国々との間には、明確で大きな差が存在しており、その筆頭がイングランドだ。
The England national team (Three Lions) boasts not only an exceptional roster of players and a world-class manager in Tuchel, but also a track record of success in the last two World Cups. They finished fourth in 2018 and reached the quarterfinals in 2022, where they were eliminated by France, the eventual runners-up. In the intervening European Championships, they secured second place in both 2020 and 2024.
つまりイングランドは、「真の優勝候補」に求められる要素をほぼすべて備えている。ただし、唯一欠けているのは「タイトル獲得の歴史」つまり、勝負強さだ。
ここから上位に入る4チームこそが本当のW杯タイトル候補であり、この4カ国以外がトロフィーを掲げる姿は、正直ほとんど想像できない。
3. フランス
- FIFA世界ランキング: 3位
- 地域ランキング: 2位(UEFA)
- W杯優勝: 2回(1998、2018)
- W杯出場回数(前回): 16回(カタール2022)
- 予選通過方法: UEFAグループD首位(5勝0敗1分)
- 監督: ディディエ・デシャン(フランス)2012年7月〜
- 主な選手: キリアン・エムバペ(レアル・マドリード)、ウスマン・デンベレ(パリSG)、ウィリアム・サリバ(アーセナル)
In contemporary football, the nation consistently achieving strong results in the World Cup over an extended period is France, managed by Didier Deschamps. Despite some fluctuations within four-year cycles, their team's performance has a peculiar tendency to coalesce remarkably once the main tournament commences.
The 2018 championship, despite facing criticism for its style, proved to be an unshakeable achievement, showcasing overwhelming dominance until being thwarted by Argentina in the 2022 tournament. With dynamic players like Mbappé, Dembélé, and Michael Olise leading the charge, the current French squad possesses the potential to realize any scenario.
一方で、今回の大会に向けては不安も残る。バロンドールを受賞したデンベレのコンディションが安定せず、DFラインも負傷リスクを抱えているなど、気になる要素がいくつかある。
とはいえ、フランスが不安を抱えつつ大会に臨むのは今回が初めてではない。これまでも同じような状況を跳ね返してきた歴史がある以上、今回も再び結果を出したとしても驚きはないだろう。
2. スペイン
- FIFAランキング: 1位
- 地域ランキング: 1位(UEFA)
- W杯優勝: 1回(2010)
- W杯出場回数(前回): 16回(カタール2022)
- 予選通過方法: UEFAグループE首位(5勝0敗1分)
- 監督: ルイス・デ・ラ・フエンテ(スペイン)2022年12月〜
- 主な選手: ラミン・ヤマル(バルセロナ)、ペドリ(バルセロナ)、ロドリ(マンチェスター・シティ)
The player whose reputation is currently soaring the highest in global football is the 18-year-old superstar, Lamine Yamal. He's already being hailed worldwide as "the closest thing to Messi," becoming a European champion at a young age, and despite his statistics not being exceptionally outstanding, he's garnered such attention that he ranked second in the latest Ballon d'Or voting.
ヨーロッパ王者であるスペインが世界ランキング1位である理由は数え切れないほどあり、この大会でも“真の優勝候補”と呼ばれるにふさわしい戦力を持つ。ヤマルという若き象徴に加え、ファビアン・ルイスやミケル・メリーノといった世界屈指のMF陣、さらにセンターバックにはパウ・クバルシとディーン・ハイセンという将来性が豊かな若手が揃い、左サイドバックには安定感を増したマルク・ククレジャが構える。
Few teams have managed to halt Spain's progress over the last four years. Nevertheless, it's also true that they haven't entirely dispelled criticism or doubt. Since their inaugural victory in 2010, Spain has experienced a downturn in the World Cup, with one group stage exit and two Round of 16 departures.
ヤマルは、この疑問符をすべて消し去ることができるのか?
1. アルゼンチン
- FIFAランキング: 2位
- 地域ランキング: 1位(CONMEBOL)
- W杯優勝: 3回(1978、1986、2022)
- W杯出場回数(前回): 18回(2022)
- 予選通過方法: 南米予選 1位(12勝4敗2分)
- 監督: リオネル・スカローニ(アルゼンチン)2018年〜
- 主な選手: リオネル・メッシ(インテル・マイアミ)、エミリアーノ・マルティネス(アストン・ヴィラ)、フリアン・アルバレス(アトレティコ・マドリード)
To be the strongest, one must defeat the strongest. This statement holds truer than ever for the 2026 World Cup. Four years have passed since the Qatar tournament, where Messi achieved his long-sought first victory. While the FIFA rankings have shifted, there's no reason to "remove the reigning champions, Argentina, from the favorites list."
アルゼンチンは2024年コパ・アメリカで無敵の強さを見せ、今サイクルのW杯予選では多少のつまずきこそあったものの、首位通過を揺るがすものではなかった。
このチームは、歴史上最高の選手であるメッシだけでなく、国際舞台で最高の監督とも言われるスカローニ監督を擁している。
47歳のスカローニ監督は、チームがメッシに依存することも、必要に応じて他の選手に主役を委ねることもできる柔軟なチーム構造を作り上げた。
アルゼンチン代表はメッシのその先を見据えながらも、彼の存在がチームに計り知れない恩恵をもたらしているという。本来は両立不可能とされた状態を実現している。
彼らが「サッカー界の頂点」から引きずり下ろされない限り、この大会で最も優勝に近いチームは、やはりアルゼンチンである。
原文:Ranking the 10 teams with the best chance to win the 2026 FIFA World Cup
翻訳:小鷹理人(スポーティングニュース日本版)
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