FCバルセロナによるニコ・ウィリアムズの獲得は、またしても失敗に終わった。カンプ・ノウ行きが確実と思われた矢先、その交渉はバルサのカウンター攻撃のように、あっという間に崩れ去った。
数週間にわたる交渉とカタルーニャでの高まる期待にもかかわらず、ウィリアムズはアスレティック・クラブとの10年契約にサインした。
そう、10年契約だ。その一方で、バスクのクラブが歓喜に湧く中、バルセロナはまたしても財政難に泣かされ、ラ・リーガのファイナンシャルフェアプレー規則の網にかかってしまった。
報道によると、カタルーニャの巨人はスペイン代表ウィリアムズと個人合意に達していたという。しかし、ブラウグラナのユニフォームを着た彼の姿を見るという夢はすぐに潰えた。
ラ・リーガは、バルセロナが新戦力を自由に登録できる「1/1ルール」の条件を満たしていないと正式に発表した。要するに、「持っていない金は使えない」ということだ。たとえそれがニコ・ウィリアムズのような魅力的な選手であっても、例外ではない。
さらに悪いことに、アスレティック・クラブはバルセロナをからかうチャンスを逃さなかった。契約延長のニュースとともに、SNSには皮肉たっぷりのハッシュタグ「#AthleticWIN」が添えられた。赤と青のライバルに対する明らかな当てつけだ。
✊🏿 FUFU POWER.#NicoWilliams2035 #AthleticWIN 🦁 pic.twitter.com/gDjxcrKEI3
— Athletic Club (@AthleticClub) July 4, 2025
ニコ・ウィリアムズのコメントは?
新たな契約には、現在9500万ユーロから1億ユーロという高額な契約解除条項が設定されている。これは以前の5800万ユーロから大幅に跳ね上がった金額であり、クラブが育成した生え抜きの選手にどれほどの価値を置いているかを示している。
アスレティックのスポーツディレクター、ミケル・ゴンサレスは再び重要な役割を果たした。彼は以前、ユーロ2024中にドイツへ飛んで、ニコに自らのルーツに忠実であるよう個人的に説得していたのだ。
それから1年、その信頼構築のミッションは大きな成果を上げたようだ。
自身のルーツと深く結びついている男のように、ニコはこれが単なるサッカーの決定以上のものだと明言した。「決断を下すとき、僕はいつも自分の心に従う」と彼は語った。「そして僕の心はここにある。ここは故郷であり、僕の仲間といる場所だ」
契約解除条項の増額に加え、新契約には妥当な給与の引き上げも含まれており、一貫して素晴らしいパフォーマンスを見せるウィンガーに報いるものとなっている。
ヨーロッパのトップクラブが彼を狙う中、アスレティックは明確な意思表示をした。「もしニコが欲しければ、大金を叩き出す必要がある」と。
バルセロナはこの財政問題をどう乗り越える?
バルセロナにとって最大の頭痛の種は、2024年後半の1億ユーロの取引、すなわちカンプ・ノウのホスピタリティボックスの売却に関するものだ。この取引は、2025年4月にラ・リーガによって後にキャンセルされ、クラブの財政計画を混乱に陥れた。
それ以来、バルサは人件費削減に努めてきた。アンス・ファティやラングレらのローン移籍や売却により、数百万ユーロを節約した。
しかし、現在のラ・リーガの規定では、「1/1の要件」を満たさないクラブは、その節約分のごく一部しか再投資できない。つまり、バルセロナは削減した給与の60%から70%、選手売却益のわずか20%しか使用できないのだ。
この1億ユーロのギャップが埋まるまで、ニコのような大型補強は今後も実現しないだろう。
あるいはさらに悪いことに、選手を獲得しても登録できないという事態も起こりうる。これは、プレーするピッチがないのにスパイクを買うようなものだ。
原文:Why Barcelona failed to register Nico Williams as transfer broke down
翻訳:小鷹理人(スポーティングニュース日本版)
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