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西決勝敗退のウルブズのオフシーズン展望:注目はアンソニー・エドワーズを支えるロスター構築への補強やFA

Gilbert McGregor

坂東実藍 Miran Bando

西決勝敗退のウルブズのオフシーズン展望:注目はアンソニー・エドワーズを支えるロスター構築への補強やFA image

ミネソタ・ティンバーウルブズは、球団史上最高の時期を迎えている。創設から34年、ウェスタン・カンファレンス・ファイナルまで勝ち進んだのは一度だけだった。だが、2024年と2025年は2年連続で西地区決勝を戦ったのだ。ただ、どちらも第5戦で敗退を余儀なくされた。

けん引するのは、元ドラフト全体1位指名のアンソニー・エドワーズだ。チームメイトを鼓舞し、ファンにも独特なエネルギーをもたらして、23歳にして球団の顔としての立場を確立させている。

そのエドワーズとウルブズにとって、次のステップは何になるのか。初のNBAファイナル進出のために壁を乗り越えることだ。

ティム・コネリー社長は球団の助けとなるべく、大きく動くことを恐れなかった。ルディ・ゴベアとジュリアス・ランドルを獲得していなければ、ここまでの高みに達することはなかっただろう。だが、非常に競争が激しい西地区で最後まで勝ち残るチームとなるためには、もっと創造力が必要となる。

ここでは、ウルブズが今後直面する状況をまとめた。

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ウルブズのオフシーズン展望

西地区決勝進出は、ポストシーズンで成功するためにつくられたロスターだったことを示している。しかし、サンダーに及ばなかったことは、いくつかの弱点も露呈させた。

エドワーズは自分の出来を「苦戦」と評すことを拒んだ。しかし、サンダーにプレイメーカーの仕事をさせられ、ドライブを制限されて抑えられたのである。サンダーの守備はほかのチームよりもそれが可能なほどに優れているのだ。ただ、エドワーズを生かしていくために、ウルブズにはプレイメークの力が必要であることを思い出させる結果でもあった。

マイク・コンリーは安定したポイントガードだが、リーグで最も高齢な選手のひとりでもある。ランドルはパワーフォワードとして卓越したプレイメーカーだが、サンダーとのシリーズが示したように、適切なスキームであれば大きく抑えられることもある。

昨年のドラフトではロブ・ディリングハムを獲得したが、リードガードとして彼が答えになるのか。また、ニキール・アレクサンダー・ウォーカーに退団の可能性があることも、事態を複雑にさせる。バックコートに大きな穴ができるかもしれないのだ。

プレイオフの限られた機会で、テレンス・シャノンJr.は良い出来だったが、彼はどこまでやれるようになるだろうか。明らかにエドワーズが気に入っているジェイデン・マクダニエルズも重要な存在だが、攻撃面でどれほど成長していけるのか。

ウルブズにはフロントコートの層の厚みがあるが、ナズ・リードが退団する可能性に備えた保険として、さらにリードやゴベアと違うタイプのセンターを加えられれば、もっと理想的かもしれない。

改善させられる方法は明確だ。コネリーは直近の躍進を生かし、引き続きウルブズを勝つためのチームとしていこうとするだろう。

ウルブズの今後のフリーエージェント

今オフシーズンでウルブズは少なくとも5選手がフリーエージェントになる。ただ、特に注目されるのはランドルとリードだ。いずれも来季のプレイヤーオプションがある。

確実なことはない。だが、ランドルはウルブズにおいて不可欠な存在となった。長期契約が双方にとって最善の利益となるかもしれない。一方、アレクサンダー・ウォーカーとリードは、ウルブズにとってやすやすと手を出せない大型契約を手にする可能性がある。ウルブズが財政的な柔軟性を増すために、彼らに関係する動きをするかもしれない。ただ、市場で代役を探す可能性もある。

  • ニキール・アレクサンダー・ウォーカー(無制限FA)
  • ジョー・イングルズ(無制限FA)
  • ジェシー・エドワーズ(制限つきFA)
  • ボーンズ・ハイランド(制限つきFA)
  • トリステン・ニュートン(制限つきFA)

ウルブズの今後のドラフト指名権

ウルブズには次のドラフトで独自の指名権がない。だが、2つの貴重な指名権を持つ。デトロイト・ピストンズ経由の全体17位指名権と、ユタ・ジャズ経由の全体31位指名権だ。ニーズを見たし、付加価値の高い契約でインパクトを残せる選手を獲得できる。

また、チームが望む高みに近づくための選手を獲得すべく、もっと大きな動きに出るために、それらの指名権が使われる可能性もある。

  • 2025年:1巡目指名権(ピストンズ経由、全体17位)
  • 2025年:1巡目指名権(ジャズ経由、全体31位)
  • 2026年:1巡目指名権交換権(ジャズ/キャバリアーズ/ホークス)
  • 2026年:2巡目指名権交換権(ペイサーズ/ヒート/スパーズ)
  • 2028年:1巡目指名権
  • 2029年:2巡目指名権
  • 2030年:1巡目指名権交換権(マーベリックス/スパーズ)
  • 2030年:2巡目指名権交換権(グリズリーズ経由)
  • 2030年:2巡目指名権交換権(ウォリアーズ)

2025-2026シーズンのウルブズの契約

2025-2026シーズンのウルブズは、最大13選手が戻ってくる。ただ、ランドル、リード、ルカ・ガルザ、ジョシュ・マイノットはFAの行方次第だ。

来季の契約にオプションがある選手たちのほか、レナード・ミラーは2025-26シーズン年俸が一部保証となっている。

選手ポジション年俸年齢
アンソニー・エドワーズG4555万512ドル24
ルディ・ゴベアC3500万ドル33
ジュリアス・ランドルF3093万5520 ドル(PO)31
ジェイデン・マクダニエルズF2485万8621ドル25
ナズ・リードC1502万2464ドル (PO)26
ドンテ・ディビンチェンゾG1199万ドル29
マイク・コンリーG1077万4038ドル38
ロブ・ディリングハムG657万6120ドル21
テレンス・シャノンJr.G267万4080ドル25
ルカ・ガルザC234万9578ドル(TO)27
レナード・ミラーF222万1577ドル(無保証)22
ジェイレン・クラークG219万1897ドル24
ジョシュ・マイノットF218万7451ドル(TO)23

原文:What's next for the Timberwolves? How Minnesota can build around Anthony Edwards through trades, free agency(抄訳)
翻訳:坂東実藍


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Gilbert McGregor

Gilbert McGregor first joined The Sporting News in 2018 as a content producer for Global editions of NBA.com. Before covering the game, McGregor played basketball collegiately at Wake Forest, graduating with a Communication degree in 2016. McGregor began covering the NBA during the 2017-18 season and has been on hand for a number of league events.

坂東実藍 Miran Bando

フリーランスライター。NBAや欧州サッカーを中心に担当。執筆業は約20年の40代。マジック・ジョンソンのような華麗さを夢見るが、現実は地味キャラ。ならば目指すはサネッティのような継続性か。日々、子どもたちの世話に追われながらバスケとサッカーを追い続け、地道に各種媒体へ寄稿。