日本時間5月30日、インディアナ・ペイサーズはマディソン・スクエア・ガーデンでニューヨーク・ニックスを相手にNBAファイナル進出を決めるチャンスがあった。しかし、ニックスはそれを許さず、111-94でペイサーズを圧倒した。
ニックスは試合序盤から得点を重ね、ジェイレン・ブランソンがチーム最初の13得点のうち12点を決めた。ペイサーズは勢いを取り戻す必要があり、これまでのシリーズではその役割をタイリース・ハリバートンが担っていた。
カンファレンス・ファイナル最初の4試合では、ハリバートンはまるでMVPのような活躍を見せていた。しかし、第5戦は本来の姿とはかけ離れており、ショットを打つことさえためらい、彼らしいプレースタイルが見られなかった。ニックスの厳しいディフェンスを前に完全に封じ込められた。
ここでは、ニックスとの第5戦におけるハリバートンのスタッツとハイライトを振り返る。
ニックスとの第5戦におけるハリバートンのスタッツ
- 出場時間: 32
- 得点: 8
- リバウンド: 2
- アシスト: 6
- スティール: 2
- ターンオーバー: 0
- ファール: 1
- FG: 2/7 (28.6%)
- 3P: 0/2
- FT: 4/5 (80%)
まず目を引くのは、ハリバートンのショット試投数だ。シリーズ前半の4試合では、いずれも15本以上のショットを放っていたが、この第5戦ではわずか7本。そのうち決めたのはたった2本だった。
さらに、第4戦ではトリプルダブルを記録した彼が、第5戦ではリバウンドにもあまり絡まず、アシストこそまずまずの数だったものの、ほとんどショットを打たなかった。シリーズ前半の平均得点が24点だったのに対し、この試合ではわずか8点に終わった。
ニックスは、ハリバートンにやられないように明確な対策を打ってきた。第4クォーター開始前、ブランソンが「ハリバートンをどう封じ込めているのか」と問われ、「チーム全体で(やっている)」と簡潔に答えた。つまり、ハリバートン封じはチーム全体の戦術だったのだ。そしてそれは効果的だった。
試合後、ニックスのトム・シボドーHCは「ハリバートンが普段なら決めるショットを外していたのもあるが、チームのディフェンスには満足している」と語った。
「選手たちが連携し、彼にあらゆる場面でプレッシャーをかけていた。それが必要なことだ」
Knicks take game 5 of ECF w/111-94 win over Indy. Pacers Haliburton who was the star of game 4, only scored 8pts on 7 shots. NY HC Thibs on defense team played. @WBLS1075NYC pic.twitter.com/AXiREAAMqj
— Bobby Childs (@Openline_childs) May 30, 2025
熱狂的なニックスファンたちは、ハリバートンの不調に歓喜し、その場を最大限に楽しんでいた。
They’re beating up a Tyrese Haliburton doll outside of MSG 😭 pic.twitter.com/svl6fBNrWC
— KnicksMuse (@KnicksMuse) May 30, 2025
ハリバートン自身も「もっと良くならなければいけない」と試合後に認めた。
「今日はきつかった。映像を見返して、彼らのディフェンスにどんな違いがあったかを確認する。基本的には同じような守備だったと思うけど……。第6戦ではもっと良いプレーをするよ」
さらに、「ニックスが背水の陣で激しく戦ってくることは予想していた」とも語っていた。
「今度は俺たちが第6戦でどう応えるかだ。責任は俺にある。もっと良くなるよ」
ニックスはハリバートンをどう封じたのか?
この試合で最も顕著な変化の1つは、ミケル・ブリッジズがハリバートンにべったりマークしていた点だ。オフボールの場面でも、ほとんどスペースを与えず、徹底的に潰しにかかった。
The Knicks defensive intensity has been so high up this game, this play is after Mitchell's rejection of Haliburton. pic.twitter.com/Djw3EeO4iH
— Mo Dakhil (@MoDakhil_NBA) May 30, 2025
This whole possession is played at frenetic pace because of the pressure Mitchell applies to Turner and Bridges denial on Haliburton pic.twitter.com/LzUtc6KI44
— Mo Dakhil (@MoDakhil_NBA) May 30, 2025
たとえば、サンダー対ティンバーウルブズとの第5戦では、シャイ・ギルジャス・アレクサンダーがコンタクトを恐れずペイントに飛び込んでいく様子が見られた。一方、ハリバートンは弱気にペイントに入っていき、ミッチェル・ロビンソンにブロックされて観客席にショットを飛ばされる場面も見られた。
Mitchell Robinson SWATS Haliburton’s shot into the earth pic.twitter.com/KCGCXkW9iY
— Alex B. (@KnicksCentral) May 30, 2025
さらに、ニックスはスクリーナーを使ってペイサーズがビッグマンを攻略する戦術への対策にもようやく成功し、第5戦ではそれが明確に効果を発揮した。ペイサーズは次戦で、このカウンターへの「カウンター」を見つける必要があるだろう。
The AAA of screen setting is:
— Chris Steed (@steeder10) May 30, 2025
Always, Arrive, Alone
The Knicks did a much better job tonight keeping Haliburton away from hunting KAT.
For most of the series, guys like Turner have sprinted to screen and arrived alone. MUCH MORE work being done before the POA itself.… pic.twitter.com/uh0psK62mG
なお、ペイサーズのファンたちはこの試合の判定への不満を口にしている。試合中、明らかにハリバートンが抱きかかえられるように止められていた場面がいくつかあったにも関わらず、ファウルが取られなかったためだ。
They just showed a highlight of “great Knicks defense” and it was literally just Bridges hugging Haliburton with no foul lol
— Collin Jennings (@CollinJenning16) May 30, 2025
とはいえ、試合終了後のハリバートンは笑顔でコートを去った。おそらく、観客からの野次に対する反応だったのだろうが、シリーズ最悪のパフォーマンスのあとでも、気持ちは前向きなようだ。彼は第6戦での巻き返しに自信を持っているのは間違いない。
Tyrese Haliburton walks off the court laughing and smiling after losing game 5
— SM Highlights (@SMHighlights1) May 30, 2025
This dude really thinks he’s SGA man, I’m out 😭✌️ pic.twitter.com/xlbYKN698x
原文:Tyrese Haliburton stats today: How Knicks defense locked down Pacers star in pivotal Game 5
抄訳:佐藤瑞紀(スポーティングニュース日本版)