タイリース・ハリバートンは、ペイサーズが優勝まであと1勝に迫った2023年のインシーズントーナメントで、世界にその名を知らしめた。ペイサーズはレイカーズに敗れ優勝を逃したが、2024年のプレイオフではカンファレンス決勝まで勝ち進み、その年王者となるセルティックスを苦しめた。そのようなプレッシャーのかかる試合を経験したことは、ハリバートンが今この瞬間を迎えるための準備になったかもしれない。
今年のプレイオフ、ハリバートン率いるペイサーズは、バックスとキャバリアーズを倒し、2年連続のカンファレンス決勝進出を果たした。ニューヨーク・ニックスとのカンファレンス決勝第4戦では、32得点、12リバウンド、15アシストを0ターンオーバーで記録するという歴史的なパフォーマンスを見せた。
多くのNBAスターとは異なり、ハリバートンはドラフト前から脚光を浴びる有望株だったわけではない。大学時代は1年生で頭角を現し、2年生でロッタリー指名を受けるような選手になった。今でもハリバートンの成長は止まらず、NBAファイナルへの可能性はまだ残されている。
ここではハリバートンの大学時代を振り返っていこう。
タイリース・ハリバートンの大学時代は?
ハリバートンは大学時代をアイオワ州立大で過ごし、2年生だった2019-20シーズンにブレイクした。
NBAには、大学でプレイする前から将来を嘱望されていたスター選手やスタータークラスの選手、さらにはロールプレーヤーが多く在籍するが、ハリバートンは彼らのような評価ではなかった。彼は2018年クラスの3つ星評価で、『247 Sports』によると全米177位の選手だった。
これほど順位が低かったにもかかわらず、ハリバートンは1年生でスターターに抜擢された。彼は1試合平均33分以上出場したが、ハリバートンは主に得点以外のプレイで貢献した。1試合平均6.8得点にとどまったが、3.4リバウンド、3.6アシスト、1.5スティールを記録し、限られたチャンスで効率よくシュートも打った。
ハリバートンがNCAAトーナメントに出場したのは1試合だけで、2019年のオハイオ州立大との1回戦では先発出場したものの4得点だった。ハリバートンの2年目のシーズンはトーナメントが中止となったが、彼も2月に手首を骨折し、シーズンを終えたのだ。アイオワ州立大も12勝20敗で、シーズン中止が決まったときにはすでにビッグ12トーナメントの出場資格はなかった。
しかし、ハリバートンにとって、2年目のシーズンの22試合で見せたパフォーマンスは、彼をロッタリー選手にするのに十分なものだった。彼は1試合平均15.2得点、5.9リバウンド、6.5アシストを記録し、1試合あたり2.5スティール、シュート成功率は50%を超えた。
アイオワ州立大学の歴史上、ハリバートンよりNBAで多くの得点を記録した選手は1人しかいない。15,659得点を記録したジェフ・ホーナセックに追いつくのは至難の業だが、ハリバートンは追いつく可能性が大いにある。
タイリース・ハリバートンのアイオワ州立大学での成績
シーズン | 試合数 | 得点 | リバウンド | アシスト | スティール | FG成功率 | 3PT成功率 |
2018-19 | 35 | 6.8 | 3.4 | 3.8 | 1.5 | 51.5% | 43.4% |
2019-20 | 22 | 15.2 | 5.9 | 6.5 | 2.5 | 50.4% | 41.9% |
タイリース・ハリバートンはいつドラフトされた?
ハリバートンは2020年のNBAドラフトでキングスから全体12位で指名された。
キングスにはすでにディアロン・フォックスというポイントガードがいたが、ポジションレスのこの時代、キングスは、指名できる中で最高の選手を選んだ。
彼の前にドラフトされた選手を見ると、ハリバートンが12位まで残っていたのは幸運だった。ジェームズ・ワイズマン、パトリック・ウィリアムズ、アイザック・オコロ、キリアン・ヘイズ、ジャレン・スミスは、ハリバートンより早くドラフトされた選手たちである。
ハリバートンはキングスで素晴らしいポテンシャルを発揮したが、チームはドマンタス・サボニスを獲得するために、彼をペイサーズにトレードするという決断を下した。
サボニスはキングスで成功を収め、チームの17年ぶりのプレーオフ進出に貢献したが、ハリバートンのペイサーズでのここまでの功績を考えると、このトレードがペイサーズの大勝ちになる日が来るかもしれない。
原文:Where did Tyrese Haliburton go to college? Revisiting Pacers star's under-the-radar stint at Iowa State
抄訳:小野春稀(スポーティングニュース日本版)