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タイリース・ハリバートンのクラッチショット年表:NBA屈指のクラッチプレイヤーに押し上げたブザービーターと決勝ショットの数々

Dan Treacy

佐藤瑞紀 Mizuki Sato

タイリース・ハリバートンのクラッチショット年表:NBA屈指のクラッチプレイヤーに押し上げたブザービーターと決勝ショットの数々 image

NBAは2022-2023シーズンから「クラッチプレイヤー・オブ・ザ・イヤー(最も勝負強い選手)」賞を導入したが、タイリース・ハリバートンがそれを受賞するのも時間の問題かもしれない。

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ハリバートンは既にペイサーズの万能ポイントガードとして、リーグ屈指のボールハンドラーの一人に数えられているが、今や試合を決めるクラッチショットの名手としての評判も急上昇中だ。彼はクラッチの場面で驚異的な効率を誇っており、それがイースタン・カンファレンスにおけるペイサーズの強さの大きな要因となっている。

その英雄的な活躍はレギュラーシーズンにとどまらず、プレイオフではさらにギアが上がるようだ。

ここでは、ハリバートンが決めてきたクラッチショットの数々を年表でまとめた。その中にはシリーズを決めたショットも含まれている。

ハリバートンの決勝ショットとブザービーター

2025年6月5日 対オクラホマシティ・サンダー

2025年NBAファイナルでハリバートンが活躍できるのか疑問視する声があったなら、この試合で完全に黙らせた。ペイサーズがほぼ全ての時間にわたってビハインドを背負う展開の中、残り0.3秒でハリバートンがジャンパーを沈めて、敵地で1点差の勝利をもぎ取った。

これが2025年プレイオフで3本目の決勝ショット、そして4本目のクラッチショットとなった。ペイサーズにとってはファイナル第1戦で貴重な先勝であり、サンダーの観衆を沈黙させた瞬間だった。

ペイサーズがこの試合でリードしていた時間はたったの「0.3秒」。その0.3秒は、ハリバートンの一撃の後に訪れた。

2025年5月21日 対ニューヨーク・ニックス

東決勝第1戦も、ペイサーズが大逆転劇を展開。試合終了直前、ハリバートンがステップバックのブザービーターを沈め、同点に追いつき延長戦へと持ち込んだ。

わずか数センチで決勝の3ポイントショットにはならなかったが、それでもインパクトは絶大。ペイサーズは3分以内に14点差を、1分以内に9点差をまくった。

リードを奪ったかと錯覚したハリバートンは、レジー・ミラーの「チョーク・セレブレーション」を披露。だが結果的にそのままOTで勝利し、キャリアを象徴する一場面となった。

2025年5月6日 対クリーブランド・キャバリアーズ

東準決勝第2戦、残り1.1秒でハリバートンが逆転の3ポイントショットを決め、キャバリアーズを撃破。

Haliburton drilled a go-ahead 3-pointer with 1.1 seconds on the clock to defeat the Cavaliers in Game 2 of the Pacers' second round series. 

試合のほぼ全編をリードしていたキャブスだったが、第4Qに14点リードを失い、ペイサーズが敵地で2勝目をもぎ取る展開になった。

ハリバートンはフリースローのリバウンドを自ら確保し、冷静に体勢を整えてから決勝ショットを沈めた。

2025年4月29日 対ミルウォーキー・バックス

ファーストラウンド第5戦、残り1分で7点ビハインドだったペイサーズをハリバートンが救った。

ハリバートンのアンドワンで1ポゼッション差に詰め寄った直後、残り1秒あまりで決勝のレイアップを決め、ペイサーズが2年連続でバックスとのシリーズ勝利をもたらした。

バックスは残り40秒で118-111と7点リード、さらにボール保持していたが、そこから逆転されるという崩壊を味わう結果となった。

2025年3月11日 対ミルウォーキー・バックス

プレイオフでの決勝ショットのわずか2ヶ月前、レギュラーシーズンでもバックスにトドメを刺していた。残り3秒、3点差を追う場面で3ポイントショットを沈めつつ、ファウルを獲得し、4ポイントプレーで逆転勝ちを収めた。

この試合の勝利でペイサーズとバックスの順位は並び、プレイオフ争いの行方にも大きな影響を及ぼした。

2023年3月5日 対シカゴ・ブルズ

プレイオフで名声を得る前から、ハリバートンはクラッチ力を見せていた。残り2.7秒で122-122の同点の場面、長距離からのプルアップ3Pを沈めて勝利。

この試合ではフィールドゴール17本中11本成功(3Pショット9本中6本成功)で29得点。ペイサーズはこの勝利でシカゴと並び、順位争いに弾みをつけた。

2022年12月23日 対マイアミ・ヒート

ペイサーズ加入初期の象徴的な場面。残り時間わずか、3Pラインから数歩離れた位置から逆転3Pショットを沈め、マイアミの観客を沈黙させた。再建中のフランチャイズのファンにこれから数年間の明るい未来を予感させる試合となった。

この試合でキャリアハイの3Pショット10本成功を含むFG20本中14本成功の43得点を記録し、その1年後には同じヒート相手に44得点を記録している。

その他のクラッチショット

ハリバートンの「クラッチ力」は決勝ショットだけにとどまらない。2024-2025シーズンだけで、「同点または逆転」のクラッチショットにおいて11本中10本成功という驚異的な精度を誇る。

ハリバートンは、2025年のプレイオフが始まる前から「クラッチ力」を発揮していた。2024年の東準決勝、ペイサーズはニックス相手に0勝2敗と崖っぷちに立たされ、第3戦でもこのまま3連敗を喫しそうな展開だった。しかし、ハリバートンが第4Q中盤にレイアップで点差を4点に縮めたあと、すぐにスティールから再び得点し、点差をわずか2点に詰めた。

そのプレイは残り2分以内のものではなかったが、まさにニックスが試合を決めそうになっていたタイミングで流れをペイサーズに引き戻すものだった。結果的に、ペイサーズはこのシリーズを第7戦までもつれこませ、劇的な逆転でシリーズ勝利を収めた。

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タイリース・ハリバートンのクラッチスタッツ

ハリバートンは2024-25レギュラーシーズンで、「クラッチシチュエーション」(第4Qまたはオーバータイム残り5分以内で点差5点以内)で平均3.1得点を記録し、出場資格のある選手中12位タイにランクインした。

このクラッチタイムでのFG成功率は47.1%で、ハリバートンのシーズン平均FG成功率とほぼ同じだった。

2023-24シーズンはさらに好調で、クラッチタイムでの平均得点は3.4点、FG成功率は52.6%だった。

そして、2025NBAファイナル第1戦でサンダーを下すクラッチショットを沈めたことで、ハリバートンは2024-25プレイオフ中に、第4QまたはOTの残り5秒以内で同点または逆転となるFGを4本成功させたことになった。

原文:Tyrese Haliburton clutch shots timeline: Buzzer-beaters and game-winners that made Pacers star an NBA closer
抄訳:佐藤瑞紀(スポーティングニュース日本版)


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Dan Treacy

Dan Treacy is a content producer for Sporting News, joining in 2022 after graduating from Boston University. He founded @allsportsnews on Instagram in 2012 and has written for Lineups and Yardbarker.

佐藤瑞紀 Mizuki Sato

京都府生まれ、立命館大学卒。The Sporting Newsのアシスタントエディター。大学在学中は、ファッションに携わり、Levi'sやセレクトショップでスタッフとしてキャリアをスタート。大学卒業後に上京し、ファッションとカルチャーを結びつけた記事を執筆。バスケ未経験ながら、2015年にカリーのプレーに魅了され、NBA観戦が大好きになる。