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プレイオフで西準決勝敗退のナゲッツのオフシーズン展望:ヨキッチ中心にトレード・FA・ドラフトでどうロスターを改善する?

Stephen Noh

坂東実藍 Miran Bando

プレイオフで西準決勝敗退のナゲッツのオフシーズン展望:ヨキッチ中心にトレード・FA・ドラフトでどうロスターを改善する? image

ニコラ・ヨキッチが全盛期にあるだけに、デンバー・ナゲッツの目標は毎年優勝でなければならない。今季はそれを達成できなかった。そしてそれは昨夏、彼らが明らかに後退したことで自ら招いた失敗だ。

その現実が理解され始めていった中、ナゲッツはレギュラーシーズン終盤、カルビン・ブース・ゼネラルマネージャーとマイケル・マローン・ヘッドコーチの双方に別れを告げて驚かせた。ナゲッツが素晴らしいチームであることは変わらない。だが、ヨキッチのようなタレントがいるなら、ベスト以外は十分ではないのだ。

ナゲッツはこれから、新たに決断を下す役割を担う人物を選んでいく。その人物はすぐに良い結果を残さなければならない。ここでは、ナゲッツを改善させるための重要なポイントをまとめる。

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ナゲッツのフリーエージェント

ナゲッツは支出が多いチームだ。そしてロスターは同じままだろう。大きなトレードがない限り、来季もラグジュアリータックス(ぜいたく税)の対象となるはずだ。FA選手を獲得できるだけのキャップスペースはない。だが、570万ドル(約8億2650万円/1ドル=145円換算)のタックスペイヤー・ミッドレベル例外条項(ラグジュアリータックス課税チームに認められるサラリーキャップ例外枠)があり、望むなら控え選手をひとり獲得できる。

強く必要としているのは、シュート力の強化だ。また、レギュラーシーズンでヨキッチを温存するための控えビッグマンも必要となる。昨季も同じ問題があり、タックスペイヤー・ミッドレベル例外条項を使ってダリオ・シャリッチを獲得したが、役立たなかった。

ナゲッツに完ぺきなのは、マイルズ・ターナーかナズ・リードだろう。どちらの選手も獲得できる財政状況ではないが、サイン&トレードを狙うかもしれない。その場合、見返りとなる自軍の選手や資産を一部放出することになる。

もっと安価でより現実的なFAのターゲットもいる。ブルック・ロペス、スティーブン・アダムズ、ケボン・ルーニー、あるいはアル・ホーフォードといったベテランたちが、優勝を目指すためにディスカウント価格で加わることはあるだろうか。現実的ではないが、不可能ではない。ルーク・コーネットは確実にこのチームに役立つだろう。アンドレ・ドラモンドは良くないシーズンだったが、優れたリバウンダーであり、バックアッパーとして出場時間を手にすることができる。

一方で、ナゲッツはシャリッチが540万ドル(約7億8300万円)、ラッセル・ウェストブルックが350万ドル(約5億750万円)のプレイヤーオプションを破棄した場合、彼らを戻すか決断を迫られる。ディアンドレ・ジョーダンもFAになる選手だ。

Luguentz Dort, Jamal Murray and Shai Gilgeous-Alexander

ナゲッツのトレード可能性:マイケル・ポーターJr.とジャマール・マレー

マレーは4年2億800万ドル(約301億6000万円)のマックス契約が来季から始まる。今季序盤は落胆させたが、シーズンが進むにつれてプレイが良くなっていった。おそらくこの夏はとどまるだろう。

ポーターJr.は肩のケガに苦しみ、影響された。プレイオフシリーズでは何度か落胆させる出来にとどまっている。ロスターのアップグレードを目指す中で、最も放出の可能性が高い選手だろう。本人もシーズン序盤の11月、『ESPN』のラモーナ・シェルバーン記者に「今季勝てなければ解体しなければいけないかもしれないことは、僕らみんなが分かっている」と話していた。

来季は年俸3830万ドル(約55億5350万円)だけに、トレードのターゲットになることは理にかなうはずだ。それだけの額に見合った出来ではなく、ナゲッツはトレードでサラリーマッチの制限にあるだろう。スターターレベルの選手を手にするには、彼のサラリーを使わなければならない。

ナゲッツはどんなトレードをしようにも提示できるものが多くない。ドラフト後は2032年の1巡目指名権と2巡目指名権を動かせるが、NBAドラフト2025で指名権はない。

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ナゲッツの全般的な展望

改善という点で、ナゲッツは素晴らしい立場にいない。ドラフトで改善させることはできず、FAでも非常に小さな動きしかできない。そしてすでに多くの指名権を手放しているだけに、トレードで提供できるものも多くないのだ。

おそらく最善の道は、若手選手の成長を願うことだろう。クリスチャン・ブラウンは今季大きく向上した。ジュリアン・ストローサーとペイトン・ワトソンは、プレイオフでも出場機会を得られるような場面を見せている。こういった選手たちがもっと安定する必要があるのだ。あるいは、すぐに貢献できるベテランとトレードしなければいけない。

デイビッド・アデルマン暫定HCはこのグループからさらなる結果を手にすることができるかもしれない。マローンの後を継いでから、レギュラーシーズンでは3勝0敗だった。プレイオフ最初の2シリーズでは、良い調整を何度か見せている。「暫定」を外すのにふさわしい。

原文:Nuggets offseason guide: How to upgrade around Nikola Jokic through trades, free agency, and draft picks(抄訳)
翻訳:坂東実藍

Stephen Noh

Stephen Noh started writing about the NBA as one of the first members of The Athletic in 2016. He covered the Chicago Bulls, both through big outlets and independent newsletters, for six years before joining The Sporting News in 2022. Stephen is also an avid poker player and wrote for PokerNews while covering the World Series of Poker from 2006-2008.

坂東実藍 Miran Bando

フリーランスライター。NBAや欧州サッカーを中心に担当。執筆業は約20年の40代。マジック・ジョンソンのような華麗さを夢見るが、現実は地味キャラ。ならば目指すはサネッティのような継続性か。日々、子どもたちの世話に追われながらバスケとサッカーを追い続け、地道に各種媒体へ寄稿。