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【NBAプレイオフ2025展望】東決勝:ニックス対ペイサーズ

Stephen Noh

佐藤瑞紀 Mizuki Sato

【NBAプレイオフ2025展望】東決勝:ニックス対ペイサーズ image

ボストン・セルティックスを破ったニューヨーク・ニックス、クリーブランド・キャバリアーズを破ったインディアナ・ペイサーズ――多くの人が予想しなかったこの2チームが、見事な東地区準決勝の番狂わせを演じ、東地区決勝で対戦することとなった。どちらかが「常にアンダードッグ」という立場からついに抜け出すことになる。

この2チームは互いによく知る間柄だ。1993年以降、プレーオフでの対戦は今回で9回目となる。昨年は、戦力が崩壊していたニックスをペイサーズが第7戦で下した。今年のニックスはより健康で、ミケル・ブリッジズとカール アンソニー・タウンズも加入し、今度こそリベンジを狙う。

ここでは、どちらに優位性があるのか、また両チームの鍵となる要素を見ていく。

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ニックス対ペイサーズの予想

「NBAは3ポイントショットを打ちすぎだ」と感じているなら、このシリーズはあなた向きだ。レギュラーシーズンにおいて、ペイサーズの3ポイント試投率でリーグ21位、ニックスは28位だった。

ペイサーズはコート全体から得点でき、ニックスはペイント内で相手を圧倒する。両チームともシュート力に優れており、非常に見応えのあるシリーズになるはずだ。

昨年の東地区準決勝、ニックスは負傷者続出により崩壊した。今年はやや健康だが、ジェイレン・ブランソンは右足首をまだ痛めている。彼とタイリース・ハリバートンは、プレーオフ中に交互にクラッチタイムで輝いてきた。となれば、終盤戦の緊迫感は必見だ。

ニックスはファーストラウンドでデトロイト・ピストンズを6戦で退けた。セカンドラウンドではセルティックスに対して3勝1敗のリードを築き、第4戦終盤のジェイソン・テイタムの負傷で、セルティックスの反撃の芽も完全に絶たれた。

とはいえ、レギュラーシーズンでは勝率5割以上のチームに対して15勝23敗と大きく負け越しており、「本当に強豪に勝てるのか」という疑念は残る。セルティックス戦の3勝もすべて14点差以上のビハインドからの逆転だった。

ニックスの勝因は、毎試合見せる驚異的なハッスルだ。ジョシュ・ハートはルーズボールに全力で飛び込み、OG・アヌノビーとミケル・ブリッジズは試合の大部分に出場し、終盤に全力を注ぐ。そして、ブランソンはNBAでも屈指のクラッチプレイヤーとなっている。だが、同じようにハードに戦うペイサーズを相手にしたときにどうなるのか。

最終的に、我々はペイサーズに軍配を上げる。シーズン序盤はハリバートンのケガで苦しんだが、今は絶好調だ。レギュラーシーズン終盤は40勝17敗、プレーオフでは8勝2敗と圧倒的な結果を残している。ディフェンスもシーズンを通して向上し、パスカル・シアカムやハリバートンをはじめ、ロールプレイヤーたちもプレーオフでステップアップしている。

ペイサーズは選手層、コーチング(トム・シボドーへの敬意を込めつつも)、そして健康面でニックスを上回っている。これらがこのシリーズでわずかながら優位性を与える。

予想:第7戦でペイサーズ勝利

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ニックス対ペイサーズ、2024-2025シーズンのレギュラーシーズン成績

レギュラーシーズンの対戦は2勝1敗でニックスに軍配。

  • 2024年10月26日:ニックス 123-98 ペイサーズ
  • 2024年11月11日:ペイサーズ 132-121 ニックス
  • 2025年2月12日:ニックス 128-115 ペイサーズ

第1戦では、ハリバートンがキャリア最悪級のパフォーマンス(ショット8本全て失敗の無得点)。当時は背中のケガに苦しんでいたが、第2戦ではそれを乗り越え35得点、14アシストをマークして勝利をもたらした。

第3戦ではアヌノビーとマイルズ・ターナーが欠場。タウンズとハートが合計70得点を記録し、ニックスが全てのクォーターでペイサーズを上回る快勝を収めた。

Aaron Nesmith, Donovan Mitchell

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ニックス対ペイサーズ注目ポイント:

ペイサーズのディフェンスは通用するか?

ニックスは補強により明確に戦力アップしているが、ペイサーズも内部成長を遂げている。昨季はディフェンシブ・レーティングでリーグ24位だったが、今季は14位に上昇。

プレーオフではさらに守備が強化されており、オフェンシブ・レーティング10位のバックス(ただしリラード欠場あり)とNBA歴代2位のオフェンシブ・レーティングを記録したキャブス(主力多数欠場)を相手に、どちらも平均以下の得点に抑えている。

ニックスのオフェンスはブランソンに大きく依存しており、彼を止められるかが鍵となる。ペイサーズにはアンドリュー・ネムハードという優れたポイント・オブ・アタック・ディフェンダーがいるが、ブランソンは過去にそのマッチアップで優位に立ってきた。

よりフィジカルなディフェンダーであるアーロン・ニスミスの起用も考えられる。彼の方がやや抑えられているが、それでもブランソンは高得点をマークしている。

誰をマークに付けるにせよ、ペイサーズ全体の集中力が求められる。

ニックスはペイサーズを止められるか?

ペイサーズが勝つスタイルは明白で、NBA随一のトランジションオフェンスを誇る。このアドバンテージは通常プレーオフで減少するが、ペイサーズは例外で、全てのポゼッションでこのスタイルを貫くため、対策しても完全に封じるのは難しい。

ニックスも速攻を使うが、基本的にはスローなテンポのオフェンスを好む(ペースはリーグ26位)。ゆっくりした展開はニックスに有利に働く。

シボドーHCはおそらくリーグで最も要求の厳しいヘッドコーチだ。ニックスはレギュラーシーズン中、速攻からの失点をリーグ10位に抑えていた。ただ、プレーオフでは選手たちの極端な出場時間による疲労の影響もあってか、このディフェンスがやや低下している。

今シリーズではさらに厳しい試練が待ち受けているだろう。

原文:Knicks vs. Pacers prediction, odds, schedule, keys to the series for 2025 NBA Eastern Conference Finals
抄訳:佐藤瑞紀(スポーティングニュース日本版)

Stephen Noh

Stephen Noh started writing about the NBA as one of the first members of The Athletic in 2016. He covered the Chicago Bulls, both through big outlets and independent newsletters, for six years before joining The Sporting News in 2022. Stephen is also an avid poker player and wrote for PokerNews while covering the World Series of Poker from 2006-2008.

佐藤瑞紀 Mizuki Sato

京都府生まれ、立命館大学卒。The Sporting Newsのアシスタントエディター。大学在学中は、ファッションに携わり、Levi'sやセレクトショップでスタッフとしてキャリアをスタート。大学卒業後に上京し、ファッションとカルチャーを結びつけた記事を執筆。バスケ未経験ながら、2015年にカリーのプレーに魅了され、NBA観戦が大好きになる。