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NBAがAI時代へ突入!AWSとのパートナーシップ締結で“見えなかったプレー”を可視化する新AIスタッツとPlay Finderを提供

坂田彩音 Ayane Sakata

NBAがAI時代へ突入!AWSとのパートナーシップ締結で“見えなかったプレー”を可視化する新AIスタッツとPlay Finderを提供 image

NBAが本格的にAI時代へ踏み出した。リーグはAmazon Web Services(AWS)と複数年契約のパートナーシップを結び、新サービス「NBA Inside the Game powered by AWS」を立ち上げることを発表。膨大な選手データとAWSのAI技術を組み合わせることで、これまで数字に表れなかったディフェンスの貢献や、選手が持つ“引力”といった新たなスタッツ指標を可視化する。加えて、類似する過去のプレーを即座に調べることのできる、「Play Finder」も提供予定である。

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◾️NBAが導入する次世代のスタッツとは?

NBA は、AWSのAI 技術を活用して、新たなスタッツを提供する予定である。この新しいプラットフォームでは選手のトラッキングデータを処理し、機械学習と AIで選手の体の動きを29 の部位から分析を行う。試合の流れに沿って解釈することで、従来数字には表れなかった指標をリアルタイムで示せるようになる。

これらのスタッツはNBA公式アプリや NBA.comウェブサイト、さらには「NBA on Prime」などでのライブ中継中に表示されるようになる。2025-26シーズンからは、これまで測れなかったパフォーマンスを可視化する3つの指標が登場する予定だ。

①Defensive Box Score(ディフェンシブ ボックス スコア):バスケットボールの基本指標の再定義

Defensive Box Scoreは、従来は集計できなかったディフェンスの貢献度を数値化する指標である。AIアルゴリズムによって「誰が誰を守っていたのか」をリアルタイムで判定。従来のボックススコアに「そのプレーが記録された時のディフェンダー情報」が追加される。さらに、ボールプレッシャー、ダブルチームを仕掛けたか、スイッチを行ったかといった新しい要素も計測・表示が可能になる。

こうしたデータによって、これまで見えにくかった守備の影響力をより具体的に比較・評価できるようになる。

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②Shot Difficulty (ショット難易度):シュートの科学

Shot Difficultyは、従来の「入った/外れた」という結果だけでなく、シュートに影響するあらゆる要素を評価する。「期待フィールドゴール成功率(Expected FG%)」という新たな指標では、シューターの体勢、ディフェンスからの干渉、コート上での選手の位置関係などが総合的に考慮される。これにより、単なる得点結果ではなく、得点機会ごとのスキルや戦略への理解が一層深まるだろう。

これまで「外した」としか見えなかったプレーも、実は高難度のシュートだったのかどうかを明確に評価できるようになる。

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③Gravity (選手の引力):目に見えない影響を数値化

Gravity(引力)は、特定の選手がボールを持っていないにもかかわらず相手ディフェンスを引きつけ、チームにもたらす有利な影響を数値化する指標。ディフェンスから「どれだけ注目を集めているか」「どれほどタイトにマークされているか」を測定し、味方に生みだすことのできるスペースを定量化する。

これにより、得点に直結しない場面でも選手がコート上に存在する意味や影響力を、客観的に把握できるようになる。

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◾️過去の名場面も呼び出せる新機能『Play Finder』

「NBA Inside the Game powered by AWS」には、AI を利用して、これまでに例のないテクノロジーである「Play Finder」が搭載される予定である。この「Play Finder」は、過去数千試合のデータをAIで解析し、類似したプレーを瞬時に探し出せる機能だ。AmazonのクラウドサービスであるAmazon BedrockやSageMakerを活用することで、従来では膨大な時間を要したプレー比較を一瞬で可能にする。

さらに「Play Finder」にはアラート機能も搭載される予定で、ファンが試合中に「今のプレーは過去に誰が、どんな場面でやったのか」といった比較を楽しめるだけでなく、解説者もリアルタイムで戦術的な背景を伝えやすくなる。

チームにとっても恩恵は大きい。フロントオフィスやコーチ陣はこの機械学習モデルに直接アクセスでき、スカウティングや戦術研究の効率を大幅に高められる。将来的には生成AIとの融合も視野に入れており、バスケットボールのプレー分析はより高いレベルへと進化していくだろう。


◾️まとめ

NBAとAWSのパートナーシップによって、データ分析の強化にとどまらず、ファンの視聴体験も大きく変わる可能性がある。新たに導入されるスタッツや「Play Finder」といったAI技術により、試合の見どころを瞬時に把握できるだけでなく、戦術の理解や選手の評価もより深く行えるようになった。これからのNBAは、テクノロジーとスポーツが融合することで、これまでにない新しい観戦体験を提供し続けるだろう。

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坂田彩音 Ayane Sakata

スポーティングニュース日本版アシスタントエディター。千葉県生まれの大学院生。バスケ部に所属していた中学生時代、テレビでNBAを見始めたことをきっかけにスポーツ観戦の魅力に引き込まれる。好きな選手はショーン・リビングストン。生涯にわたってスポーツに携わっていくことが目標。