「試合を台無しにした」「どれほど辛いことか」 ドジャースのNLDSサヨナラ突破、手放しでは喜べない気持ちだった選手も?

柴田雅人 Masato Shibata

「試合を台無しにした」「どれほど辛いことか」 ドジャースのNLDSサヨナラ突破、手放しでは喜べない気持ちだった選手も? image

ロサンゼルス・ドジャースは日本時間10日(現地時間9日)、フィラデルフィア・フィリーズを2-1で下し、ナショナルリーグディビジョンシリーズ(NLDS)突破を決めた。この試合は勝負どころでまさかのミスが飛び出たことが両チームの明暗を分けたが、選手たちには手放しで喜べない気持ちもあったのかもしれない。米メディア『ニューズウィーク』が報じている。

シリーズ通算2勝1敗で10日の試合を迎えたドジャースは、勝てばシリーズ突破が決定。一方、負けるとフィリーズ側に逆王手をかけられた状態で、敵地での第5戦に臨まなければならなくなるため、何としても勝利が欲しいところだった。

試合は7回にお互い1点ずつを取り合い、1-1で延長戦に突入。膠着状態が続く中、11回表にアレックス・ベシアが2死二塁のピンチを招くも無失点で切り抜けた。すると、その裏にドジャースは2死満塁のチャンスを作ると、ここで打席のアンディ・パヘスが放った投ゴロをオライオン・カーカリングがファンブル。ミスに動揺したのか、捕球後は捕手が指示していた一塁ではなく本塁へ送球した上、その送球が大きく逸れたことで三走のキム・ヘソンがサヨナラのホームを踏んだ。

三者残塁かと思われたところからまさかの形でサヨナラ勝ちとなったドジャースだが、同メディアによるとパヘスは「打球を放った時、カーカリングが捕球できていないのが見えたから走り続けたんだ。振り返ると彼が本塁へ投げていて、『いや、彼は試合を台無しにした』と思ったんだ」と、一塁へと走る中で見届けたサヨナラ劇への率直な心境を吐露。

また、ベンチから戦況を見守っていたミゲル・ロハスは「気分はあまり良くないけど、結局のところ、スポーツをやっているからこそ、そういう選手になれると分かっているんだ。これも野球の一部なんだ。そういうことは起こるものさ。フレディ(・フリーマン)ともそれについて話していたんだけど、二人ともどれほど辛いことか話した。カーカリングはそれを洗い流すために来年まで待たなきゃならない」と、ミスが致命的な結果になったカーカリングに同情を寄せたという。

カーカリングのミスによってドジャースは恩恵を受けた格好ではあるが、お互いに死力を尽くしていた中での残酷な幕切れだっただけに、中には複雑な感情を抱いた選手もいたようだ。

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柴田雅人 Masato Shibata

スポーティングニュース日本版スポーツコンテンツライター。福岡県出身。幼少期から相撲、野球、サッカーを中心に幅広くスポーツを観戦。大学卒業後からライター活動を開始し、主にスポーツ記事の企画立案、取材、執筆などに携わる。現在もスポーツ観戦が一番の趣味で、複数競技を同時に視聴することもしばしば。