アーロン・ジャッジは過去に2度MVP受賞しているが、いまだにポストシーズンでの栄光は手にできていない。
2024年、ヤンキースのスラッガーはワールドシリーズ制覇に最も近づいたが、ヤンキースはロサンゼルス・ドジャースに5試合で敗れた。この年、ジャッジは本塁打、打点、OPS、WARの全スタッツでメジャーリーグ(MLB)をリードしたが、ワールドシリーズ制覇まではつかめなかった。
ジャッジはこれまで、ポストシーズンで期待された結果を残したことがない。ホームランこそ打っているが、今年こそはレギュラーシーズンに匹敵する活躍を見せられるか、プレッシャーはますます高まっている。
ここでは、ジャッジのこれまでのポストシーズン成績とレギュラーシーズン成績を比較してみていく。
アーロン・ジャッジのレギュラーシーズン成績
試合数 | 打率 | 本塁打 | 打点 | 安打 | OPS | WAR |
1,145 | .294 | 368 | 830 | 1,205 | 1.028 | 62.3 |
ジャッジはこれまでにMVPを2度手にしており、2025年には3度目の受賞を果たす可能性がある。2025年には打率.331で首位打者となったほか、10試合を欠場したにもかかわらず、キャリア4度目となる50本以上の本塁打を放った。ジャッジは今季、打率、出塁率、長打率、OPSの全てでMLBトップの数字を残した。
アーロン・ジャッジのキャリア成績を162試合のシーズンに当てはめる以下のようになる。
- 打率/. 294
- 本塁打/52
- 打点/117
- 安打/170安打
- OPS/1.028
- WAR/8.8
アーロン・ジャッジのポストシーズン成績
試合数 | 打率 | 本塁打 | 打点 | 安打 | OPS |
63 | .223 | 16 | 36 | 53 | .787 |
ポストシーズンでは投手が打者を圧倒する力を発揮することを考えれば、OPS .787は悪い数字ではない。だがジャッジのレギュラーシーズンで見せてきた活躍と比べれば程遠い数字だ。ジャッジはルーキーだった2016年シーズン以来、レギュラーシーズンでこの数値を下回るOPSを記録したことがない。
ジャッジのポストシーズンにおける苦戦は、最高のシーズン後に現れる傾向がある。2017年ポストシーズンでは、クリーブランドとのディビジョンシリーズでの打率.050を含め、トータルで打率.191だった。2022年には9試合通算で打率.139、アストロズとのチャンピオンシップシリーズでは本塁打なしの打率.063に終わり、チームは4連敗を喫した。
2024年のポストシーズンではチャンピオンシップシリーズで2本塁打を放ったが、それでもジャッジのバットには火がつかなかった。ワールドシリーズ第5戦でドジャース相手に本塁打を打ったが、ヤンキースはその試合を7-6で落としている。
AARON JUDGE GETS #WORLDSERIES GAME 5 STARTED! pic.twitter.com/HHRJ9Uo4KA
— MLB (@MLB) October 31, 2024
(アーロン・ジャッジがワールドシリーズ第5戦をスタート!)
アーロン・ジャッジの三振率
ジャッジはポストシーズン283打席で90回三振を喫しており、その通算三振率は31.8%となっている。2025年のポストシーズン開幕時点で、ジャッジの三振率はポストシーズン200打席以上の選手の中でMLB史上最も高い数字だった。
結果を残したシーズンであっても三振が少ないとは言えないジャッジだが、ポストシーズンの三振率はレギュラーシーズンのキャリア平均27%を大きく上回っている。
ヤンキースの選手のポストシーズンの通算本塁打数
ジャッジはポストシーズンで苦戦しているが、そのパワーは健在だ。ジャッジが打った通算16本塁打はヤンキースのポストシーズン歴代5位の数字となっている。
選手 | ポストシーズンの本塁打数 |
バーニー・ウィリアムス | 22 |
デレク・ジーター | 20 |
ミッキー・マントル | 18 |
ジャンカルロ・スタントン | 18 |
アーロン・ジャッジ | 16 |
ベーブ・ルース | 15 |
レジー・ジャクソン | 12 |
ヨギ・ベラ | 12 |
ホルヘ・ポサダ | 11 |
もちろん、ポストシーズンの試合数が年々増加してきた点には注意が必要だ。ヤンキースは過去27回の優勝を誇るが、その多くはポストシーズンがワールドシリーズのみで構成されていた時代に達成されたものだ。
ジャッジのポストシーズンの本塁打のうち3本は、2017年、2018年のワイルドカードゲーム、2020年の拡大されたワイルドカードシリーズで記録された。ヤンキースの歴史の大半において、そうした機会は存在しなかった。
2024年にはドジャースとの第5戦で自己初となるワールドシリーズでの本塁打を放ったが、それでもヤンキースは7-6で敗れた。
ジャッジはワールドシリーズ制覇を果たしたことがある?
ジャッジはこれまでワールドシリーズを制したことがない。ヤンキースが最後にワールドシリーズを制したのは2009年、ジャッジがMLBデビューを果たしたのは2016年だ。
ジャッジは2024年に初めてワールドシリーズに出場すると、シリーズ通算で打率.222、4安打、1本塁打、3打点を記録した。だが、第5戦では致命的な守備のミスを犯し、ドジャースが0-5から逆転し、ワールドシリーズを制するきっかけを作った。
The baseball that Aaron Judge dropped on this play sold for $43,510 in an auction run by MLB and the Dodgers
— Jomboy Media (@JomboyMedia) December 13, 2024
pic.twitter.com/N21sRBqWbc
(アーロン・ジャッジがこのプレーで落としたボールは、MLBとドジャースが主催したオークションで43,510ドル(1ドル150円換算で約647万2500円)で落札された)
ジャッジを擁するヤンキースは何度となくワールドシリーズに挑んだが、常にあと一歩及ばなかった。ヒューストン・アストロズの前では過去3度チャンピオンシップシリーズで敗退している。中でも2017年のシリーズでは3勝2敗とワールドシリーズ出場に王手をかけながら、結局7試合の末に敗れた。
99番は将来、ヤンキースによって永久欠番となることはまず間違いない。だが、このままワールドシリーズ制覇を果たすことができなければ、ジャッジの輝かしいキャリアも何か物足りないままになってしまうだろう。
原文:Aaron Judge career postseason stats: Inside the Yankees star's struggles with strikeouts on playoff stage
翻訳・編集:石山修二(スポーティングニュース日本版編集部)
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