大相撲秋場所は18日、5日目の取組が行われた。今場所に大関とりをかける東関脇・若隆景は西前頭筆頭・阿炎を下したが、その取組後に気がかりなワンシーンがあった。
若隆景は前日まで2勝2敗、阿炎は初日から4連敗という状況で迎えたこの一番。立ち合いもろ手突きで向かってきた阿炎に対し、若隆景は体を少し左へずらしつつまわしを狙うも不発。だが、阿炎が引きを見せたところに乗じて前に出ると、そのまま土俵外へ押し出した。
しかし、押し出しの勢い余って阿炎もろとも土俵下へ転落すると、テーピングで固めてある右膝を地面に思い切り強打。それでも最初はすぐに立ち上がり、転落に巻き込まれた高田川審判部長(元関脇・安芸乃島)に手を差し伸べるなど気遣う様子を見せていた。
ところが、後から痛みが襲ってきたのか、勝ち名乗りを受ける際はゆっくりと腰を下ろし、うつむき加減で手刀を切った。さらに、土俵下へ降りた後も、険しい表情を浮かべながら両膝に手をつくなど苦しそうな様子を見せていた。
若隆景は2023年春場所中に右膝前十字じん帯断裂の大怪我を負い、翌夏場所から3場所連続で全休。この影響で東関脇から東幕下6枚目まで番付を落としたが、そこから不屈の闘志で番付を戻し、大関に手がかかるところまで這いあがってきた。
大関昇進の目安である「三役で直近3場所33勝以上」をクリアするために、今場所必要な勝利数は11勝以上。スロースターターの傾向が課題とされる中、序盤戦を3勝2敗と白星先行で乗り切り、ここから尻上がりに調子を上げていくことが期待されている。だが、今回の阿炎戦で古傷を抱える右膝を痛めたとすると、残り10日間で8勝以上をマークし目安をクリアすることは厳しくなるだろう。
日本相撲協会は5日目の取組終了後、公式YouTubeチャンネルに若隆景対阿炎の取組動画を投稿している。この動画ではNHK大相撲中継で流れた映像以上に、若隆景が両膝に手をつく様子がはっきりと映っていることもあってか、コメント欄では「どこか痛めたかな?少し心配です」、「若隆景の様子見ると満身創痍なのを感じた」、「膝大丈夫かな」といったファンの声も散見される。
取組後の報道では、若隆景が右膝を痛めたというような情報は出ていない。6日目以降も通常通り出場する予定だが、今回のアクシデントの影響が出ないことを願うばかりだ。
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