新三役候補・伯桜鵬の右腕負傷、1年前からの強行出場が伏線に!? 秋場所はおろか九州場所もアウトか

柴田雅人 Masato Shibata

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時事

大相撲秋場所は20日、7日目の取組が行われた。東前頭2枚目・伯桜鵬は西関脇・霧島に勝利したが、取組後に非常に心配なアクシデントが発生した。

伯桜鵬は前日まで3勝3敗、霧島は4勝2敗で迎えたこの一番。立ち合い強く当たりもろ差しの体勢になった伯桜鵬は、両腕を抱え込んできた霧島に振り回される。それでも足を動かしながら圧力をかけ続けると、最後は我慢できずに引きを見せた相手を土俵外へ寄り切った。

好内容で白星を手にした伯桜鵬だったが、取組直後からしきりに右腕を気にするような素振りを見せる。勝ち名乗りを受けて土俵下に降りた後も右腕に目をやったが、この時には上腕二頭筋付近が不自然に膨れ上がっていた。

NHK大相撲中継で取組後に伝えられた談話によると、本人は右腕について「切れていると思う」という見立てを口にしている。7日目終了時点では休場の情報は出ていないが、8日目から即休場となってもおかしくないような大アクシデントに見舞われる格好となってしまった。

現在22歳の伯桜鵬は幕下付出15枚目としてデビューした2023年初場所から、所要1場所で新十両(歴代最速)、同3場所で新入幕(歴代最速タイ)を果たしたホープの一人。ただ、ここまでのキャリアでは度々故障に見舞われており、同年秋~九州場所は古傷を抱える左肩を手術した影響で全休。2024年夏場所中には右上腕二頭筋を断裂している。

ただ、右腕の故障については休場や手術などはしないまま、現在まで土俵に上がり続けている。2025年夏場所では痛みが悪化したためテーピングを施して臨む取組もあったが、無理を押しての出場を続けたことが今回のアクシデントの引き金になった可能性も決してゼロではないだろう。

角界では伯桜鵬と同じ伊勢ケ濱部屋に所属する尊富士が、名古屋場所6日目に右腕を痛めながら出場を続行したが、調子が上がらないまま13日目に「右上腕二頭筋腱断裂で2カ月間の安静加療が必要」との診断書を提出し休場。場所後の8月に手術を受けたが秋場所の出場は叶わず、九州場所では十両転落が避けられない状況となっている。伯桜鵬の故障の詳細はまだ不明だが、場合によっては秋場所だけにとどまらず、九州場所も全休を強いられるような展開も想定される。

8日目以降について、ファンの間では無理をせずに途中休場した方がいいという意見が大多数だが、本人や伊勢ケ濱親方(元横綱・照ノ富士)がどのような判断を下すかは注目が集まりそうだ。

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柴田雅人 Masato Shibata

スポーティングニュース日本版スポーツコンテンツライター。福岡県出身。幼少期から相撲、野球、サッカーを中心に幅広くスポーツを観戦。大学卒業後からライター活動を開始し、主にスポーツ記事の企画立案、取材、執筆などに携わる。現在もスポーツ観戦が一番の趣味で、複数競技を同時に視聴することもしばしば。