関脇・安青錦に「そこまでいかなくても」角界OBが指摘 大相撲九州場所、場内騒然の若隆景戦で犯したミスは

柴田雅人 Masato Shibata

関脇・安青錦に「そこまでいかなくても」角界OBが指摘 大相撲九州場所、場内騒然の若隆景戦で犯したミスは image

Jiji Press

大相撲九州場所は13日、5日目の取組が行われた。この日の幕内で話題を呼んだのは、東関脇・安青錦対西前頭筆頭・若隆景戦で飛び出た“注文相撲”だった。

安青錦は初日から4連勝、若隆景は4連敗と対照的な両者の対戦となったこの一番。立ち合い、安青錦は頭を下げて手を出しながら当たりにいったが、若隆景は右手で安青錦の後頭部付近を押さえつつ左方向に変化。これをモロに食らった安青錦は前のめりになりバランスを崩すと、左足を滑らせ地面に転倒。決まり手送り倒しで若隆景の勝利となった。

若隆景は先場所痛めた首や古傷を抱える膝の影響があるのか、今場所は初日から今一つ粘り強さが感じられないような相撲が続いていた。本人は今の状態ではまともにやっても安青錦に勝つのは難しいと考え、なりふり構わずに勝利を目指したものと推測される。

会場に詰め掛けたファンはハイレベルな実力を誇る両者による好取組を期待していたようで、立ち合い変化で勝負が決した瞬間、場内は大きなどよめきに包まれた。また、SNS上でも注文相撲を選択した若隆景の判断については賛否が分かれているが、本人はこうした批判も覚悟の上だったはず。角界では不振力士にとっては白星が何よりの薬ともいわれるが、ようやく手にしたこの1勝が好転のきっかけになることを願いたいところだ。

一方、敗れた安青錦について、この日NHK大相撲中継で解説を務めた舞の海秀平氏(元小結)は「この結果を見たから言えますけど、安青錦とすれば、若隆景のような同じぐらいのタイプ(体格)の力士にはそこまで全力で踏み込んでいかなくてもよかったんですよね。7~8割くらいの力で当たっていけば、立ち合い変化はしっかり(体を)残せたかもしれないですね」と指摘している。安青錦は相手の大小に関わらず、懐に入るために低く鋭く当たっていくことが持ち味の力士だが、今後は相手に応じて出力の配分を変えていくやり方も取り入れていくべきなのかもしれない。

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News Correspondent