■初場所前に相撲協会が動く
2026年最初の本場所である大相撲初場所は、11日の初日が間近に迫っている。チケットは一般発売日の昨年12月6日に早々に完売しており、会場となる両国国技館には連日多くの観客が詰めかけることになりそうだ。
観客の熱気で場内が盛り上がるのはいいことだが、その一方で不安視されるのが、昨今問題が相次いでいる観戦マナーだ。2025年の本場所でも、行司の軍配が返った後も大声を発し続ける、横綱が敗れた取組後に座布団を投げる、物言い協議の最中に手拍子が起こるといったマナー違反が頻発。同年最後の九州場所後には、横綱審議委員会(横審)の定例会合内で観客のマナーを問題視する意見が出たことも大きく報じられた。
一部観客のモラル低下を嘆く相撲ファンの間では、日本相撲協会にはもっと踏み込んで啓発・取り締まりを行ってほしいという意見も少なくなかった。こうした声を受けてか、協会は1月8日、公式YouTubeチャンネルの一つである『親方ちゃんねる』に「相撲観戦前に観て下さい!観戦マナーについて親方会議!親方ちゃんねるからのお願いです!」という動画を投稿した。
■親方衆が最も問題視している行為は
本動画には三保ヶ関親方(元幕内・栃栄)、小野川親方(元幕内・北大樹)、大嶽親方(元幕内・玉飛鳥)が出演。複数の行為を例に挙げつつ、観戦マナーやルールの遵守を呼びかけている。
動画内で挙がった行為の中で、親方衆が最も問題視したのは座布団投げだ。思わぬ怪我につながるリスクが非常に高いとした上で、大嶽親方が「本当にそういう、罪に問われる可能性もありますから、そこは是非やめていただきたいと思います」と強く注意を促した。
また、昨今のマナー違反には観戦時のマナーや禁止行為について定める「相撲競技観戦契約約款」に明確に違反しているものがある一方、現段階ではルールとして明文化されていない行為も少なくない。これについても、三保ヶ関親方は「観戦ルールって、全てが皆様の安全と快適な相撲観戦が基づいた上のルールというか、暗黙のルールっていうのが多いんですね。その辺は、しっかりと周りを見ていただけるとよく分かると思いますので、周りを気にしながら応援していただけるといいなと思います」と、常に周囲への思いやりや配慮を持ってほしいと訴えている。
■動画を作ったこと自体に意義がある?
今回投稿された本動画が、事態の改善にどれだけ効果を及ぼすかは定かではない。動画のコメント欄では「残念なことに、違反をする人たちはこういうの見ないんですよね」といった指摘も散見されるが、今後も地道に啓発や対策を続ける必要があることは確かだろう。
ただ、協会側がこうして啓発動画を作成したこと自体に意義があることもまた確かだ。現状を憂うファンの声を認識し受け止めていることの現れであり、今後も状況に応じた動きを見せてくれることが期待できそうだ。
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