秋場所大苦戦の熱海富士に深刻な問題が発生中!? 「苦しいような時が多い」古株親方が指摘した不安要素は

柴田雅人 Masato Shibata

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Jiji Press

大相撲秋場所は22日、9日目の取組が行われた。場所はまだ中盤の段階だが、早くも負け越しにリーチがかかってしまったのが東前頭3枚目の熱海富士だ。

前日まで2勝6敗で迎えた熱海富士はこの日、5勝3敗の東大関・琴櫻と対戦。立ち合い左足から踏み出して当たっていったが、胸で受けた琴櫻に右を差されると、右に動きながらの肩透かしを食らって地面にバタリ。取組時間わずか1秒ほどで退けられるという悔しい結果に終わった、

熱海富士は東前頭10枚目で臨んだ先場所は終盤まで優勝を争い、11勝4敗と好成績をマークした。迎えた今場所は場所後の新三役昇進を目標に掲げていたが、初日から9日目まで1勝、5連敗、1勝、2連敗と苦戦が続いており、新三役はおろか勝ち越しすら極めて難しい情勢になっている。

先場所から大きく成績を落としている熱海富士だが、平幕上位は中位~下位とは違い、成績に関わらず役力士と総当たりが組まれる地位だ。熱海富士は過去に平幕上位で臨んだ場所ではあまり勝ち越せていないため、今場所こそはという気合いが空回りし、実力を上手く出し切れていない面はあるかもしれない。

また、9日目のNHK大相撲中継で向正面解説を務めた陣幕親方(元幕内・富士乃真)は、熱海富士は立ち合いに問題があるのではと指摘している。同親方は熱海富士対琴櫻戦の取組後、「熱海富士は踏み込んではいるんですけど、仕切ってから立つまで、あまり前の方に重心をかけてない感じがするんです。それで(取組では)足の運びがスムーズじゃなくて、ちょっと苦しいような時が多いですね」と、重心が後ろに残った状態で立っているため体勢が苦しくなっているのではと見解を示した。

今場所後に65歳の定年を迎える陣幕親方は長らく審判委員を務めたこともあり、力士の取組は足の動きを中心に見ているというが、熱海富士の足の動きが気になりだしたのは最近のことだと説明。その上で、「最後に仕切った時の重心のかけ方(が原因)のような気がします。もう少し前の方に、重みをかけていいかなと見てます」とアドバイスを送っている。

熱海富士は9日目で役力士との対戦がすべて終了し、10日目からは同じ平幕との対戦が続く。6連勝での勝ち越しはもちろん、負け越しでもなるべく黒星を抑えることを目指したいところだが、どこまで巻き返しを見せることができるだろうか。

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柴田雅人 Masato Shibata

スポーティングニュース日本版スポーツコンテンツライター。福岡県出身。幼少期から相撲、野球、サッカーを中心に幅広くスポーツを観戦。大学卒業後からライター活動を開始し、主にスポーツ記事の企画立案、取材、執筆などに携わる。現在もスポーツ観戦が一番の趣味で、複数競技を同時に視聴することもしばしば。