フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第4戦NHK杯が11月7日から行われた。男子ショートプログラムには、鍵山優真と佐藤駿、垣内 珀琉が出場。日本勢のエース鍵山優真は今季グランプリシリーズ初戦。また、中国杯で1位の佐藤にとっては、ファイナル進出が決まる可能性がある重要な試合だ。この記事では日本代表の演技やインタビューの様子を徹底解説する。
NHK杯SP首位は鍵山優真! 4回転2本着氷
今季GPシリーズに出場する日本選手のうち、唯一パーソナルベスト(PB)で総合300点越えを保持する鍵山。今回も全てのジャンプで加点を引き出す安定した演技と思われたが、足替えキャメルスピンが、基本姿勢のポジションを取れず、0点に。演技後、鍵山は「エッジの引っかかりがうまくいかなかった」と振り返った。動揺したのかステップシークエンスも点数を稼ぐことができず、ショートプログラム(SP)100点越えとはならなかったが、それでもマリニンに次ぐ今季2位の点数で、SP1位に立った。想定外のスピンでのミスについて「父(コーチ)に笑われた」としつつも、今季のテーマにしている「引きずらない」を目標にフリーへと折り返した。
2位は中国杯優勝の佐藤駿
右足首の骨挫傷を負い今シーズン出遅れを余儀なくされていた佐藤駿だったが、中国杯で金メダルを獲得。今大会でグランプリファイナル(GPF)進出が決まるプレッシャーの中で、全てのジャンプを成功させた。冒頭の4回転ルッツのみ回転不足を取られたが、他は加点を獲得するクリーンなジャンプ。スピンやステップもレベル3~4におさめるなど、怪我のある中で丁寧に得点を重ねた。今季自己ベストとなる点数で2位につけるも、インタビューでは「SPは終わった話。自分の演技に集中して頑張りたい」と冷静に語った。
3位は韓国のチャ・ジュンファン
トータルのPB296.03点を保持する実力者でありながら、昨シーズン成績が伸びなかったチャ・ジュンファン。今季GPシリーズも中国杯8位にとどまっていたが、今大会ではSP3位と好調な滑り出しだった。ジャンプではヒヤリとする場面があったものの全て着氷。スピンやステップでレベル4を獲得したり、音楽のタイミングに合わせて技を入れ込んだりと、経験値を感じる演技で表彰台圏内に踏みとどまった。
かつてブライアン・オーサーに師事していたことから、羽生の弟分として日本人気も高いチャ・ジュンファン。今大会のフリーだけでなく、ミラノ五輪に向け、調子を上げていけるか注目が集まる。
GPシリーズ 中国杯 男子SP順位一覧
| 順位 | 選手名 | 点数 |
| 1 | 鍵山優真(JPN) | 98.58 |
| 2 | 佐藤駿(JPN) | 96.67 |
| 3 | チャ・ジュンファン(KOR) | 91.60 |
| 4 | 金博洋(キン・ハクヨウ)(CHN) | 83.92 |
5 | ルーカス・ブリッチギー(SUI) | 83.45 |
6 | フランソワ・ピトー(FRA) | 78.24 |
7 | マッテオ・リッツォ(ITA) | 76.11 |
8 | アンドリュー・トルガシェフ(USA) | 75.75 |
9 | アダム・ハガラ(SVK) | 72.52 |
10 | ジミー・マー(USA) | 69.44 |
11 | ガブリエレ・フランジパニー(ITA) | 64.78 |
| 12 | 垣内 珀琉(JPN) | 61.59 |
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