10月31日開幕のグランプリ(GP)シリーズ第3戦カナダ大会に、千葉百音や友野一希など5名の日本選手が出場。フランス大会優勝の中井亜美にとっては、3位以内でGPファイナル進出が決まる重要な試合。
この記事では、女子ショートプログラム(SP)の演技やインタビューの様子を詳しく解説する。
カナダ大会SP首位は千葉百音!
SPトップに立ったのは、世界選手権銅メダリストの千葉百音。GPシリーズでは、昨季ファイナルで銀メダルを獲得している。今回も経験をいかした落ち着いた滑りで72.29点を出した。
「ラストダンス」は昨季から継続のプログラムだが、こなれた余裕のある動きや、新調した衣装など、観客やジャッジを飽きさせない演技を披露。インタビューでも「2シーズン目ということもあって、去年よりもさらに大人っぽくだとか、こなれた感じとか、曲の魅力をさらに出していきたい」と語っている。
ジャンプも全て着氷しており、特に冒頭のトリプルフリップ-トリプルトウループの連続ジャンプでは、1.14点の加点を獲得。また、スピンとステップは全てレベル4を獲得するなど、千葉らしく丁寧に点数を積み重ねた。ダブルアクセルの高さが出なかった印象を受けるが、千葉本人も「ジャンプも今日はベストではなかったので、自分的にはもうちょっと点数が低く出るかなと思った」と分析している。
今回の演技について「自分の努力の方向性が正しいことを確認できる。さらに上を目指して、今後の試合も1つ1つしっかり演じていきたいと思います」と冷静に語った。
2位はアメリカのイザボー・レビト
フランス大会で惜しくも表彰台を逃したイザボー・レビトが、SP2位と好発進。1位の千葉とは僅差。フランス大会では、SP3位につけながらも、FSで4回転を跳ぶ住吉りをんに逆転され最終4位だったが、今大会は多回転を武器に追い上げてくる選手が少ないこともあり、表彰台を狙いやすい状況となっている。
3位はイタリアのララ ナキ・ガットマン
安定感のある演技で3位に入ったのは、ララ ナキ・ガットマン。トリプルルッツのみ回転不足がついたものの、スピンやステップを全てレベル4でそろえるなどベテランらしく点数を積み重ねた。
中井亜美は4位 青木祐奈は6位からのスタート
今大会3位以内に入ればFPファイナル進出が決まる中井亜美は、冒頭のトリプルアクセルを転倒しSP4位からのスタートとなった。ミスの原因について「軸が曲がってしまったのは、踏み切りの問題かなと思う。少し迷ってしまった面もあって、いろいろなことを考え過ぎてああいう失敗になった」と緊張していたことを語った。
また、青木祐奈は回転不足が響き6位スタート。それでも、連続ジャンプの2つ目にループを組み込むなど、持ち前の難しいジャンプ構成で魅せる演技を披露した。
GPシリーズ カナダ大会 女子SP順位一覧
| 順位 | 選手名 | 点数 |
| 1 | 千葉 百音(JPN) | 72.29 |
| 2 | イザボー・レビト(USA) | 71.80 |
| 3 | ララ ナキ・ガットマン(ITA) | 68.11 |
| 4 | 中井 亜美(JPN) | 66.55 |
| 5 | ブレイディー・テネル(USA) | 65.55 |
| 6 | 青木 祐奈(JPN) | 64.58 |
| 7 | サラ・エバーハード(USA) | 63.47 |
| 8 | サラ モード・デュピュイ(CAN) | 60.41 |
| 9 | ユン・アソン(KOR) | 58.84 |
| 10 | マリア・セニウク(ISR) | 57.40 |
| 11 | ウリアナ・シリャエワ(CAN) | 53.28 |
| 12 | マデリーン・シザス(CAN) | 48.72 |
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