グランプリ(GP)シリーズ第1戦となるフランス杯の女子ショートプログラム(SP)で、中井亜美が首位となった。10月18日(現地時間)のフリースケーティングではどのような演技を披露したのか。また、巻き返しを狙う坂本花織(SP2位)と住吉りをん(SP4位)の最終順位はどうなったのか。この記事では日本人選手の演技や最終順位、インタビューの様子を詳しく解説している。
優勝は中井亜美! 新たな五輪候補に
SP1位で折り返した中井亜美がFSでも1位となり優勝した。トリプルアクセルは着氷が乱れたものの、その他のジャンプは成功。また、スピンやステップでレベル4を獲得するなど、トリプルアクセル以外でも戦えることを証明した。GPシリーズ初出場優勝は日本人3人目の快挙。シニアの大舞台で自己ベストを大きく更新し、ポテンシャルの高さを見せた。
キスアンドクライで点数見た中井は、驚きを隠せない様子。インタビューで「頭が回らなくなって、急に涙があふれてきた。(中庭健介)先生に背中をさすられた時に『ああ、優勝したんだな』と実感しました」と振り返った。
また、細かなミスを修正すれば、今後もっと点数が伸びる可能性がある。全日本選手権で好成績を残すことができればオリンピック候補になるため、今後の試合に注目が集まる。次戦はスケートカナダ。中井は「この結果をプレッシャーではなく、ファイナル(12月・名古屋)に一歩進んだと捉えてやっていきたい」と前向きに語った。
伸びしろありの演技で最終2位の坂本花織
スピンなどの取りこぼしが響いた坂本花織は、SPに続きFS2位、総合でも2位となった。途中から右の靴ひもが緩み踏ん張りがきかなくなっていたことが原因と語るなど、本来の実力を出し切れなかったようだ。それでも、ジャンプで多くの加点を引き出し、ベテランらしい安定感のある演技で観客を魅了した。
坂本は2位という結果について「自分が完璧で負けていたら『まずいな』って思っていたかも。でも、伸び代があるので、まだ頑張れそう。こういう悔しい思いをしたくないので、今回失敗したところを徹底的に練習していく」と決意を新たにした。
4回転を決め自己ベストの住吉りをん
SPを1位で折り返した住吉りをん。FSでは回転不足ながらも4回転トウループを着氷し、自己ベストを更新。順位をひとつ上げ、最終順位3位となった。インタビューでは、4年連続の銅メダルについて「自己ベストを出すことができたのに、まだ足りないと思い知らされました。今までは表彰式に出られて『よかった』と思っていましたが、今回は『本当に悔しい』という気持ちで出ていました。」と語った。
今後については、回転不足と判定を受けた4回転トウループの精度などを課題とし、「今まで以上に前向きな悔しい気持ち」次戦フィンランド大会にむけて気持ちを新たにした。
GPシリーズ フランス杯 女子順位一覧
| 最終順位 | 選手名 | SP | FS | 合計 |
| 1 | 中井亜美(日本) | 78.00 | 149.08 | 227.08 |
| 2 | 坂本花織(日本) | 76.20 | 148.03 | 224.23 |
| 3 | 住吉りをん(日本) | 71.03 | 145.03 | 216.06 |
| 4 | イザボー・レヴィト(アメリカ) | 73.37 | 139.34 | 212.71 |
| 5 | ロリーヌ・シルド(フランス) | 62.45 | 126.86 | 189.31 |
| 6 | キム・チェヨン(韓国) | 62.24 | 125.35 | 187.59 |
| 7 | シン・ジア(韓国) | 59.23 | 123.10 | 182.33 |
| 8 | エリス・リン・グレイシー(アメリカ) | 59.30 | 112.77 | 172.07 |
| 9 | ユ・ヨン(韓国) | 54.40 | 117.42 | 171.82 |
| 10 | レア・セルナ(フランス) | 57.06 | 107.73 | 164.79 |
| 11 | クレメンス・マインドゥ(フランス) | 48.05 | 88.86 | 136.91 |
| 12 | リヴィア・カイザー(スイス) | 42.30 | 92.53 | 134.83 |
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