フィギュアスケートの2025-26シーズンが、今月17日に開催されるグランプリシリーズ第1戦フランス杯より本格的に開幕する。オリンピックシーズンとなる今季の試合を、選手たちはどのようにとらえているのか。1日の開幕会見では、坂本花織ら有力選手が今季の目標やテーマを語った。この記事では、注目選手の会見の様子をまとめている。
今季限りで引退の坂本花織と樋口新葉
今回の会見で特に注目が集まったのが、今季での引退を発表している坂本花織と樋口新葉だ。先日もSNSにツーショットをあげるなど仲の良いふたりは、会見でも終始リラックスした様子。
ラストシーズンにしてオリンピックシーズンとなる今季のテーマを、それぞれ「総括(坂本)」、「全力!(樋口)」とまとめた。坂本は、中野園子コーチから「こんなに追い込んで、苦しいと言ってられるのも最後よ!」と発破をかけられつつ充実した練習の日々を過ごしているとのこと。
また坂本は、先日のオリンピック予選会で、4回転を跳ばずに1位を獲得したアデリア・ペトロシャン(ロシア)についても言及。「本戦になったらガンガン跳んでくるのは丸見えなので、こちらとしても覚悟を決めて挑んでいきたい」と語った。
五輪銀メダリストとして挑む鍵山優真
北京オリンピックで銀メダルを獲得した鍵山。ともに表彰台に立ったネイサン・チェンと宇野昌磨が引退し、日本のエースとして今季を迎える。
そんな鍵山が掲げたテーマは「Step by Step」。今季は7月から地方競技会に出場するなど、経験値を積み上げることを大切にしてきた。今月から本番を迎える代表争いへ「着実に1歩ずつ目の前の試合をクリアして、ミラノまでの道を切り開いていけたら」と意気込んだ。
先月14日まで行われたチャレンジャーシリーズのロンバルディア杯では左足首の痛みを抱えながらの2位。イリア・マリニン(アメリカ)を筆頭に、北京オリンピック以降さらに加速した4回転時代に対して、「4回転トーループを2本入れられるようにしっかりとやりたい。その後に(4回転)フリップを入れるかどうかは状態を見ながら慎重に判断したい」と冷静に語った。
五輪金を輩出した仙台出身の千葉百音と佐藤駿
この数年間で、五輪代表候補に駆け上がってきた千葉百音と佐藤駿。ふたりには仙台出身という共通点がある。仙台といえば荒川静香、羽生結弦と、歴代五輪金メダリストを輩出してきた拠点だ。偉大な先輩に続けるか、ファンの期待も大きい。
昨シーズン世界選手権で銅メダルの千葉は、今季のテーマを「研さん」とし「五輪シーズンも変わらず、表現力をさらに磨き上げていきたい。日々、トレーニングを積めるように一歩一歩頑張っていきたい。」と語った。目標の選手を聞かれるたびに、幼少期にリンクメイトとして仲が良かった羽生の名前を挙げる千葉。地元仙台に良い結果を持ち帰ることができるよう、練習拠点の京都で演技に磨きをかける。
また、4年前(北京五輪のシーズン)怪我に苦しんだ佐藤は、今季のテーマを「ポジティブ」と発表。昨シーズンの世界選手権は6位と調子を取り戻しつつある。「4年前の自分にいい報告をしたい。」と意気込んだ。