フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第1戦がフランスのアンジェで開幕。女子ショートプログラム(SP)で日本の中井亜美が首位に立った。2位に坂本花織、4位に住吉りをんがつけるなど、全員が活躍を見せる日本勢。
この記事では日本代表の演技やインタビューの様子を詳しくまとめている。
トリプルアクセル成功!今季最高得点で首位につけた中井亜美
今季、シニアGPシリーズのデビューとなる中井亜美(17)が、優勝候補の坂本花織を上回り首位につけた。浅田真央に憧れる中井は、浅田の代名詞でもあったトリプルアクセルをクリーンに着氷。1.60点の加点を引き出した。その他のジャンプも綺麗に成功。バンクーバーオリンピックで高橋大輔も使用した曲「道」を、150センチの小さな身体を大きく使って表現した。
結果は、自己ベストを9点も上回る78.00点。これは今季の女子SPにおける最高得点だ。GPシリーズ初出場初優勝となれば、紀平梨花、渡辺倫果につづく日本勢3人目の快挙となるため、フリーへの期待がかかる。
国際スケート連盟(ISU)は公式Xに「アンジェに新たなスターが輝いている。」と投稿。スケート大国であるロシアのメディアも「日本は強い」「日本の代表選考は大変だ」とコメントするなど、日本の新しい世代に注目している様子だ。
伸びしろありの演技で2位につけた坂本花織
坂本花織は、安定感のある演技で76.20点を獲得し2位につけた。ジャンプ・スピン・ステップすべてを失敗なくまとめたが、坂本自身の感覚としては「慎重にいった」とのこと。レベル4だったスピン・ステップに対して、ジャンプについては「よく耐えたな。耐えながらでも76(点)が出たのは、やっぱ伸びしろだな」と感じたと言う。
ジャンプひとつひとつの質が高い坂本にとって、1.80点差は十分に巻き返せる点数だ。本人も「フリーのほうが自信がある」とコメント。今季2位が続く坂本だが「しっかりご飯を食べて、しっかり寝て、コンディションを整えたらいける」と持ち前の笑顔で語った。
回転不足が響き4位スタートの住吉りをん
今回で、GPシリーズ フランス杯 4度目の出場となる住吉りをんは、3ルッツ-3トウループの連続ジャンプで回転不足の判定を受け4位となった。しかし他のジャンプはすべて成功しており、スピンとステップもレベル4を獲得するなど、丁寧な演技で71.03点をマーク。過去3回のフランス杯ではSPでの出遅れが目立っていたが、点数としては悪くない位置につけている。
住吉にとって、過去3回銅メダルから上がれずにいるフランス杯。目標の金メダルの鍵となるのが、フリーに組み込んでいる4回転トウループだ。SP1位となった中井のトリプルアクセルに刺激を受け「それに続けって感じでできたら」とコメントした。
GPシリーズ フランス杯 女子SP順位一覧
順位 | 選手名 | 点数 |
1 | 中井亜美(日本) | 78.00 |
2 | 坂本花織(日本) | 76.20 |
3 | イザボー・レヴィト(アメリカ) | 73.37 |
4 | 住吉りをん(日本) | 71.03 |
5 | ロリーヌ・シルド(フランス) | 62.45 |
6 | キム・チェヨン(韓国) | 62.24 |
7 | エリス・リン・グレイシー(アメリカ) | 59.30 |
8 | シン・ジア(韓国) | 59.23 |
9 | レア・セルナ(フランス) | 57.06 |
10 | ユ・ヨン(韓国) | 54.40 |
11 | クレメンス・マインドゥ(フランス) | 48.05 |
12 | リヴィア・カイザー(スイス) | 42.30 |
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