【フィギュアスケート】ゆなすみミラノ五輪の枠取りに成功!りくりゅう獲得分と合わせて史上初のペア2組出場が決定

ながさきひな Hina Nagasaki

【フィギュアスケート】ゆなすみミラノ五輪の枠取りに成功!りくりゅう獲得分と合わせて史上初のペア2組出場が決定 image

Jiji Press

9月20日、北京で行われていたミラノオリンピック予選大会で、「ゆなすみ」の愛称で知られる長岡柚奈選手・森口澄士選手組が五輪出場枠を獲得した。日本は「りくりゅう」が既に1枠を獲得しているため、最終的な枠数は「2」となった。フィギュアスケートのペアに、日本代表が2組出場するのは史上初。この記事では今回の快挙を詳しく解説している。

オリンピック予選とは

国ごとの五輪出場枠は、主に前年の世界選手権の結果を元に決まる。各国の順位をポイントとして計算し、より強い国から順番に枠(最大3枠)が付与される仕組みだ。その後、残っている枠をオリンピック予選で争うことになる。今回のオリンピック予選において、ペアは残りの3枠をかけた試合だった。

日本のペアスケートの現状

実は、強豪国であるほどオリンピック予選には参加していない。なぜなら世界選手権ですでに最大の3枠を確保してしまうからだ。実際、今回の予選も、日本から参加したのはペアとアイスダンスのみ。シングルは男女ともに世界選手権で3枠を確保している。

ペアの現状として、日本はアメリカやロシア、中国に比べて競技人口が少なく、環境やノウハウが足りない傾向にある。しかし、結果を残し注目が集まらなければ競技人口は増えない。日本のフィギュアスケート界は、長い間この状況から抜け出すことができずにいた。

このように日本は、フィギュアスケート大国でありながら、ペア、アイスダンスでは世界と戦うことが難しい国であった。近年ではりくりゅうが好成績を残しているが、1組だけの活躍で枠が増えることはない。つまり、2枠目の確保は、個人としてでなく国としてレベルが上がってきているということだ。

ミラノオリンピック予選の結果

今回、ペア部門で争われた枠数は「3」。つまり、3位以内に入らなければ、オリンピック出場の枠はもらえない。

プレッシャーのかかるなか、ショートプログラム(SP)4位と枠を狙える位置につけると、フリースケーティング(FS)で3位と好成績。結果、最終順位3位となり逆転でオリンピック2枠目を日本にもたらした。

今回ゆなすみは、2位、4位のペアと比べてSPとFSの仕上がりに差がなく、安定感のある演技だった。ひとつひとつの技を取りこぼしなく丁寧にこなしていった結果だ。

SP・FSごとの順位一覧

順位名前(国)SP順位FS順位

ジャン・ジアシュエン&ホアン・イーハン(中華人民共和国)

カリーナ・アコポワ&ニキータ・ラフマニン(アルメニア)

長岡柚奈&森口澄士(日本)

カミーユ・コバレフ&パベル・コバレフ(フランス)

今回の結果により、今年の全日本選手権では史上初となる2組の代表選出を見ることができる。

ながさきひな Hina Nagasaki

フリーランスライター。音楽大学出身、元公務員という経歴をいかし、音楽、福祉、地元紹介など幅広いジャンルの記事を執筆。スポーツ記事では、主にフィギュアスケートを担当。幼少期に村主章枝選手の高速スピンに衝撃を受けて以来、毎シーズン観戦している。夏は情報収集、冬は試合観戦のため年中繁忙の日々。