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『女子テニスのワールドカップ』ビリー・ジーン・キング・カップとは? その歴史・歴代優勝国一覧

石山修二 Shuji Ishiyama

Mike Perez

『女子テニスのワールドカップ』ビリー・ジーン・キング・カップとは? その歴史・歴代優勝国一覧 image

2025年ビリー・ジーン・キング・カップ(以下、BJKカップ)は、世界トップクラスの女子テニスプレイヤーたちが出身国別にチームで戦う「テニス界のワールドカップ」と呼ばれる大会だ。

現在の名称となって今年で5年目になるが、この大会の歴史は1963年、国際テニス連盟の創立50周年を記念して創設されたフェデレーションカップにさかのぼる。

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大会名称は1995年に『フェドカップ』へと変更され、2020年にはテニス界のレジェンド、ビリー・ジーン・キング氏に敬意を表する形で現在の名称へと再度変更された。キング氏はこの大会で選手として6回、選手兼キャプテンとして1回、キャプテンとして3回、アメリカ代表を優勝に導いている。

これまで13カ国が優勝しているが、アメリカが18回で最多優勝回数を誇り、次いでチェコスロバキア/チェコ共和国の11回となっている。特に1975年から1990年にかけてはこの両国が圧倒的な強さを発揮し、16大会中15大会を制していた。

今年は過去最多となる146チームがBJKカップにエントリーし、現在の女子スポーツ界における世界最大の年間国際大会となっている。その中から8カ国が今月開催される決勝トーナメントに進出した。

ここでは、2025年のBJKカップに関する情報をまとめる。

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■2025年のBJKカップ・ファイナルの開催地は?

今年の大会は史上初の中国での開催となる。アジアでの開催は1989年の東京(日本)以来となる。今後3年間、2027年までは深圳市が開催権を保持している。

これは毎年異なる国で開催されてきたこの大会の慣例を破るものとなる。

最初のフェデレーションカップはロンドンのクイーンズ・クラブで行われ、その後はメルボルン、フィラデルフィア、アテネ、ヨハネスブルグ、サンパウロ、モスクワなど、世界中の様々な都市で開催されてきた。

■BJKカップの最多優勝国は?

前述の通り、アメリカが大会史上最多となる18回の優勝で圧倒的な1位となっている。また、アメリカは準優勝も12回記録している。1976年から1982年にかけての7連覇は、ビリー・ジーン・キングが主力選手だった時代の功績であり、アメリカが保持する数々の大会記録の一つとなっている。

2位には1980年代と2010年代の2度にわたって圧倒的な強さを発揮したチェコスロバキア/チェコ共和国が11勝でつけている。特筆すべきは、ファイナルに進出した12回中11回優勝を果たしている点だ。唯一の敗戦を喫したのが1986年のアメリカ戦だった。

しかしながら、チェコは今大会は予選敗退してしまっているため、この記録を更新することができない。また、この2カ国に続くオーストラリア(7勝)とソビエト連邦/ロシア/RTF(ロシアテニス連盟)(5勝)も今回のファイナルには参加していない。

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■今回、BJKカップ初優勝に挑む国は?

2025年のBJKカップ・ファイナルには8カ国が参加する。男子のデビスカップに合わせる形で昨年の12チームから8チームへ削減された。このうち、これまで優勝経験があるのは、アメリカ、スペイン、イタリアの3カ国だけだ。

つまり、いまだファイナルを進出したことのない開催国の中国、ウクライナ、日本、カザフスタンに加え、4度の準優勝経験を持つイギリスの計5カ国は、もし今大会で優勝すれば初めてBJKカップのトロフィーにその名を刻むことになる。

近年で言うと、スイス(2022年)とカナダ(2023年)が初優勝を果たしており、初優勝を目指す彼らにとって良い刺激となるだろう。

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■BJKカップ2025の優勝候補は?

昨年マラガで優勝し、2023年にはセビリアで準優勝した実績を持つイタリアがトップシードとして深圳に向かう昨年の優勝メンバーの4人、ジャスミン・パオリーニ、エリザベッタ・コッチアレット、ルチア・ブロンゼッティ、サラ・エラニが2025年も参加し、タチアナ・ガルビン率いるチームは連覇を狙っている。

しかし、昨年は準決勝まで進んだ第2シードのイギリスを始め、ジェシカ・ペグラ(アメリカ)、エレナ・リバキナ(カザフスタン)、エリナ・スビトリナ(ウクライナ)といったスター選手を擁する各国もさらなる躍進を狙っており、激しい優勝争いが予想される。

中でも2000年以来BJKカップ2度目の優勝を目指すアメリカが最大の脅威と目される。

世界ランク3位のココ・ガウフ(アメリカ)は欠場するが、WTAシングルスランキングで上位にランクインするジェシカ・ペグラとエマ・ナヴァッロ、世界トップのダブルス選手、テイラー・タウンゼントとリンジー・ダベンポートが編成するアメリカは強力な布陣となっている。

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■BJKカップ ハート・アワード(ハート賞)

2009年に創設されたハート賞は、BJKカップにおいて「自国を代表して顕著な活躍を見せ、コート上で並外れた勇気を示し、チームへの献身的な姿勢を示した選手」を表彰することを目的としている。

毎年、ファイナル、プレイオフ、予選など大会のトーナメントの様々なステージから6名の受賞者が選出される。受賞者は候補者リストから一般投票によって決定される。

近年のファイナルでのハート賞受賞者は、ジャスミン・パオリーニ(イタリア、2024年)、リーラー・フェルナンデス(カナダ、2023年)、ストーム・サンダース(オーストラリア、2022年)、ベリンダ・ベンチッチ(スイス、2021年)となっている。

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BJKカップ 歴代優勝国一覧

BHKカップの歴代優勝チームは以下の通りだ。

年度

優勝

準優勝

1963

アメリカ

オーストラリア

1964

オーストラリア

アメリカ

1965

オーストラリア

アメリカ

1966

アメリカ

東ドイツ

1967

アメリカ

イギリス

1968

オーストラリア

オランダ

1969

アメリカ

オーストラリア

1970

オーストラリア

東ドイツ

1971

オーストラリア

イギリス

1972

南アフリカ

イギリス

1973

オーストラリア

南アフリカ

1974

オーストラリア

アメリカ

1975

チェコスロバキア

オーストラリア

1976

アメリカ

オーストラリア

1977

アメリカ

オーストラリア

1978

アメリカ

オーストラリア

1979

アメリカ

オーストラリア

1980

アメリカ

オーストラリア

1981

アメリカ

イギリス

1982

アメリカ

東ドイツ

1983

チェコスロバキア

東ドイツ

1984

チェコスロバキア

オーストラリア

1985

チェコスロバキア

アメリカ

1986

アメリカ

チェコスロバキア

1987

東ドイツ

アメリカ

1988

チェコスロバキア

ソビエト連邦

1989

アメリカ

スペイン

1990

アメリカ

ソビエト連邦

1991

スペイン

アメリカ

1992

ドイツ

スペイン

1993

ドイツ

オーストラリア

1994

スペイン

アメリカ

1995

スペイン

アメリカ

1996

アメリカ

スペイン

1997

フランス

オランダ

1998

スペイン

スイス

1999

アメリカ

ロシア

2000

アメリカ

スペイン

2001

ベルギー

ロシア

2002

スロバキア

スペイン

2003

フランス

アメリカ

2004

ロシア

フランス

2005

ロシア

フランス

2006

イタリア

ベルギー

2007

ロシア

イタリア

2008

ロシア

スペイン

2009

イタリア

アメリカ

2010

イタリア

アメリカ

2011

チェコ共和国

ロシア

2012

チェコ共和国

セルビア

2013

イタリア

ロシア

2014

チェコ共和国

ドイツ

2015

チェコ共和国

ロシア

2016

チェコ共和国

フランス

2017

アメリカ

ベラルーシ

2018

チェコ共和国

アメリカ

2019

フランス

オーストラリア

2020/21

ロシアテニス連盟

スイス

2022

スイス

オーストラリア

2023

カナダ

イタリア

2024

イタリア

スロバキア

2025??

※1963~1994年=フェデレーションカップ、1995~2019年~フェドカップ、2020年~ビリー・ジーン・キング・カップ

原文:What is the Billie Jean King Cup? History, all-time winners of tournament considered 'World Cup of women's tennis'
翻訳・編集:石山修二(スポーティングニュース日本版編集部) 

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石山修二 Shuji Ishiyama

スポーティングニュース日本版アシスタントエディター。生まれも育ちも東京。幼い頃、王貞治に魅せられたのがスポーツに興味を持ったきっかけ。大学在学時に交換留学でアメリカ生活を経験し、すっかりフットボールファンに。大学卒業後、アメリカンフットボール専門誌で企画立案・取材・執筆・撮影・編集・広告営業まで多方面に携わり、最終的には副編集長を務めた。98年長野五輪でボランティア参加。以降は、PR会社勤務・フリーランスとして外資系企業を中心に企業や団体のPR活動をサポートする一方で、現職を含めたライティングも継続中。学生時代の運動経験は弓道。現在は趣味のランニングで1シーズンに数度フルマラソンに出場し、サブ4達成。

Mike Perez

Mike is a freelance content producer and editor for The Sporting News. Mike previously spent 25 years working The Press Association, the UK's national news agency, covering a variety of sports and covering several major events including the 2012 London Olympics.