2026年1月18日から、全豪オープンを皮切りにテニスの四大大会、いわゆるグランドスラムが開幕する。ATPツアー(男子テニス)・WTAツアー(女子テニス)の最高峰の戦いについて、各大会の特徴と2026年の日程を紹介する。
※日付はすべて日本時間
🎾テニス四大大会(グランドスラム)とは?
テニスの四大大会(グランドスラム)とは、全豪オープン・全仏オープン・ウィンブルドン選手権・全米オープン の4つの大会を指し、ATP・WTAツアーのなかでも最もグレードが高く、世界中のトップ選手が集まる大会だ。
四大大会はそれぞれ開催地・サーフェス(コートの種類)・気候・大会文化が異なり、各大会に合ったプレーが求められる。さらに、ポイント配分が大きく、優勝すればランキングに大きく影響するため、選手にとってもファンにとっても特別な位置づけとなっている。
また、年間を通して4つの大会が異なる季節に行われるため、テニスシーズンの流れを知るうえでも欠かせない存在だ。
🎾 全豪オープン
▼開催内容
- 日程:1月18日から2月1日
- 場所:オーストラリア メルボルン
- 会場:メルボルン・パーク
▼特徴
全豪オープンが行われる1月は、南半球のオーストラリアでは真夏にあたる。気温が40度を超す日も珍しくなく、選手には体力と精神力が求められる。サーフェスは球足の速いハードコートで、攻撃的なテニスが展開されやすいのも特徴だ。鮮やかなブルーコートが、シーズン最初のグランドスラムを象徴する。センターコートの「ロッド・レーバー・アリーナ」をはじめ、主要3アリーナには開閉式の屋根を備わっているため、メルボルン特有の変わりやすい天候にも柔軟に対応可能。
▼2025年シングルス優勝者
- 男子:ヤニック・シナー(イタリア)
- 女子:マディソン・キーズ(アメリカ)
男子は第1シードのシナーがアレクサンダー・ズベレフをストレートで破り優勝した。
女子は接戦の末、キーズが第1シードのアリナ・サバレンカを破り、グランドスラムを初制覇した。
▼2025年シングルス出場の日本人選手
▽男子
- 錦織圭:2回戦敗退
- 西岡良仁:2回戦敗退
- ダニエル太郎:1回戦敗退
▽女子
- 大坂なおみ:3回戦敗退
- 西島萌夏:2回戦敗退
- 日比野菜緒:1回戦敗退
日本人選手では、下記の男女各3選手が出場した。このうち大坂なおみが3回戦まで勝ち進むも、惜しくも途中棄権となった。また、けがから本格復帰後、好調な錦織圭は2回戦で第12シードのトミー・ポールに敗れた。
🎾 全仏オープン
▼開催内容
- 日程:5月24日から6月7日まで
- 場所:フランス パリ
- 会場:スタッド・ローラン・ギャロス
▼特徴
センターコートは「コート・フィリップ・シャトリエ」であり、国際テニス連盟の会長を務めた、フランスの名選手の名前が冠されている。スタッド・ローラン・ギャロスのコートの特徴は赤色のクレーコート。「赤土」と言われるが、実は土ではなくレンガの粉である。グランドスラムで使用するコートのなかで最も球足が遅く、全仏オープンではラリーが続くタフな試合が多く見られる。また、初夏のパリで行われるこの大会は、20度前後の過ごしやすい気候ながら、雨や風の影響を受けやすい。気候とサーフェスが重なり、選手には強い忍耐力と体力が求められる。
▼2025年シングルス優勝者
- 男子:カルロス・アルカラス(スペイン)
- 女子:ココ・ガウフ(アメリカ)
男子は昨年に続き、アルカラスが連覇した。第2シードのアルカラスは、第1シードのヤニック・シナーに2セット先取されたところからの大逆転勝利だった。最終セットはタイブレークにもつれ込み、見どころ満載な決勝となった。
女子も第1シード、第2シードの順当な組み合わせの決勝となった。こちらも第1シードのアレナ・サバレンカに1セット先取されたところから逆転し、ガウフが初優勝した。
▼シングルス本戦出場の日本人選手
▽男子
- 錦織圭:欠場
- 西岡良仁:1回戦途中棄権
▽女子
- 大坂なおみ:1回戦敗退
- 内島萌夏:1回戦敗退
- 日比野菜緒(予選からの勝ち上がり):2回戦進出
🎾 ウィンブルドン選手権
▼開催内容
- 日程:6月29日から7月12日まで
- 場所:イギリス ロンドン
- 会場:オールイングランド・ローンテニス・ランド・クローケー・クラブ
▼特徴
ウィンブルドンという地名を冠した大会名であるが、全英オープンと言われることもある。最大の特徴は、白を基調としたウェアの着用を義務づけられている点だ。白いウェアと目を見張るほど素晴らしい天然芝コートの鮮やかなコントラストはこの大会ならではの美しさを生み出している。また、雨が多いことでも知られており、試合が中断することもたびたび。選手は中断時のメンタル・体力のコントロールに気を配る必要があると言えよう。
▼2025年優勝者
- 男子:ヤニック・シナー(イタリア)
- 女子:イガ・シフィオンテク(ポーランド)
男子の決勝戦は全仏につづき、シナーとカルロス・アルカラスの顔合わせとなった。シナーは第1セットを落としたものの、そこから3セットを連取し、ライバル対決を制した。
女子は第8シードのシフィオンテクが第13シードのアマンダ・アニシモワをストレートで下し、優勝した。
▼2025年シングルス出場の日本人選手
▽男子
- 錦織圭:欠場
- 西岡良仁:1回戦敗退
- 望月慎太郎:2回戦進出
▽女子
- 大坂なおみ:3回戦進出
- 内島萌夏:1回戦敗退
- 伊藤あおい:1回戦敗退
女子シングルスの伊藤あおいは補欠からの繰り上がりでウィンブルドン選手権への出場を決めた。21歳の伊藤はグランドスラム初出場。また、男子シングルスでは望月慎太郎から予選を勝ち抜き、本戦出場を決めた。
🎾 全米オープン
▼開催内容
- 日程:8月31日から9月14日まで
- 場所:アメリカ ニューヨーク
- 会場:USTA・ビリー・ジーン・キング・ナショナル・テニス・センター
▼特徴
会場となるテニス施設には、全米テニス協会とアメリカの名選手の名前が冠されている。センターコート「アーサー・アッシュ・スタジアム」は2万人を超える観客を収容できる世界最大のテニスコートだ。他にも収容人数が1万人規模のコートが複数あり、ニューヨークらしい熱気とともにその年のグランドスラムを締めくくる。サーフェスは球足の速いハードコートで、攻撃的なショットが生きるのが特徴。トップ選手が登場するナイトセッションでは会場の盛り上がりが最高潮になり、歓声が選手の背中を押す。
▼2025年優勝者
- 男子:カルロス・アルカラス(スペイン)
- 女子:アレナ・サバレンカ
男子はアルカラスがライバルであるヤニック・シナーとの頂上決戦を制し、3年ぶり2度目の優勝を飾った。この結果、アルカラスはATPランクの1位復帰が確定。2025年のグランドスラムはアルカラスとシナーが2勝ずつで分け合った形で終幕した。
女子はサバレンカが、準決勝で大坂なおみを破ったアマンダ・アニシモワをストレートで下し、2年連続で優勝した。全米オープンの連覇はセレナ・ウィリアムズ以来11年ぶりの快挙だ。WTAランク1位のサバレンカは、この優勝が2025年のグランドスラム唯一の優勝となった。
▼シングルス出場の日本人選手
▽男子
- 錦織圭:欠場
- 西岡良仁:1回戦敗退
- 望月慎太郎:2回戦進出
▽女子
- 大坂なおみ:準決勝進出
- 内島萌夏:2回戦進出
- 柴原瑛菜:1回戦敗退
西岡良仁、大坂なおみ、内島萌夏は2025年のグランドスラム4大会すべてでストレートインとなった。
🎾まとめ
近年のプロテニス界では、男女ともに世代交代が進み、次世代の選手たちの成長が著しい。誰が優勝しても不思議ではない状況であり、どの大会も目が離せない試合ばかりだ。グランドスラムそれぞれの特徴を踏まえて観戦すれば、楽しみも増すであろう。また、互いに刺激し合いながら成長を続ける選手たちが年間グランドスラムや生涯グランドスラムを達成する瞬間を見届ける日を楽しみに、これからのシーズンに注目していきたい。
