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なぜヴィニシウスとシャビ・アロンソは衝突したのか? 退任につながった確執の真相

Kyle Bonn

小山亮 Akira Koyama

なぜヴィニシウスとシャビ・アロンソは衝突したのか? 退任につながった確執の真相 image

シャビ・アロンソは2025年夏、レアル・マドリードの新監督として就任した。現役時代にクラブの中盤を支えたレジェンドの帰還は、大きな期待をもって迎えられたが、その政権はわずか6か月で終焉を迎えることとなった。

在任期間中、アロンソはチームの掌握に苦しみ、戦術面・マネジメント面の双方で不安定さが目立った。クラブ内外からは、指揮官としての権威を確立できなかった点を問題視する声も多く上がっている。

とりわけ象徴的だったのが、主力の一人であるヴィニシウス・ジュニオールとの関係悪化だ。両者の間に溝が生じていたことは、関係者の間では以前から指摘されており、次第に公然の事実として扱われるようになっていた。

本記事では、アロンソとヴィニシウスの間で何が起きていたのかを整理するとともに、その確執が指揮官退任にどのような影響を及ぼしたのかを解説する。また、この問題が個別の衝突にとどまらず、アロンソ政権下で顕在化した選手とのコミュニケーション不全を象徴する事例だった点についても掘り下げていく。

なお、アロンソの解任が発表された直後に行われたコパ・デル・レイでは、ヴィニシウスがフル出場したものの、レアル・マドリードはアルバセテに2-3で敗戦。指揮官交代後も、チームが抱える課題の多さを印象づける結果となった。

ヴィニシウスとシャビ・アロンソの間に何が起きていたのか?

両者の関係に異注意が生じていることが明らかになった最初の出来事は、10月に行われたバルセロナとのエル・クラシコ(2-1)だった。途中交代を告げられたヴィニシウスが激しく感情を露わにし、指揮官との間に問題があるのではないかとの見方が広がった。

72分、第四審の電光掲示板に自身の背番号が表示されると、ヴィニシウスはベンチに向かって怒りを爆発させ、「いつも俺だ! もうチームを出る。出て行った方がいい。もう行く」と叫んだとされている。

英メディア『The Athletic』はこの場面を“氷山の一角”と表現し、ヴィニシウスとアロンソの間で緊張関係が徐々に高まっていたことを詳述している。

同メディアは、この一件の直後に掲載したレポートの中で、ヴィニシウスがマドリードの主力選手3人のうちの一人として、試合中および試合外の両面においてアロンソの手法に「納得していなかった」と報じた。その中でも、ヴィニシウスは「問題の中心にいた存在」であり、騒動の余波を最も大きく受けた選手だったとされている。

その後、ヴィニシウスはクラシコでの自身の振る舞いについてフロレンティーノ・ペレス会長と話し合いの場を持ったと報じられている。謝罪声明も発表されたが、その中でアロンソの名前に触れることはなく、指揮官について言及しなかった点は、ファンやメディアの間で意図的なものだと受け止められた。

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『The Athletic』によれば、ヴィニシウスはアロンソから「公平に扱われていない」と感じていたという。具体的な理由は明らかにされていないものの、出場時間の減少を個人的な問題として受け取っていた可能性が高い。

一方で、指揮官側の立場を踏まえる必要もある。アロンソはレバークーゼン時代から、フロリアン・ヴィルツのような絶対的主力であってもローテーションを徹底してきた。過密日程が常態化している現代サッカーにおいて、選手のコンディション維持と長期的な稼働を確保するためには、こうしたマネジメントが不可欠とされている。

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ヴィニシウスはシャビ・アロンソ解任に関与したのか?

ヴィニシウスがアロンソ解任を求めてクラブに働きかけた、あるいは直接的に退任の判断に関与したとする明確な報道は存在しない。ただし、両者の関係悪化と指揮官解任の間に、間接的な関連性があった可能性は否定できない。

エル・クラシコでの感情的な振る舞いが波紋を呼んだ数日後、『The Athletic』は、ヴィニシウスがアロンソとの関係が改善されない限り、契約延長交渉に積極的ではなかったと伝えている。

この状況を踏まえると、指揮官の退任が、少なからずこの問題と結び付いていた可能性があると推察できる。

ヴィニシウスの現行契約は2027年夏までとなっており、クラブにとっては、近い将来に契約交渉の重要な局面を迎える立場にある。主力中の主力である同選手の去就は、クラブの長期的な戦略に直結する問題であり、指揮官人事にも影響を及ぼしたとしても不思議ではない。

シャビ・アロンソはレアル・マドリードの選手たちとの関係構築に苦しんだ

各種報道によれば、シャビ・アロンソと十分な信頼関係を築けなかったのは、ヴィニシウスだけではなかったとされている。

ジュード・ベリンガムやフェデリコ・バルベルデも、アロンソの手法を「信頼しきれていなかった」とされる主力選手の一人に挙げられており、その一方で、キリアン・エンバペ、アルダ・ギュレル、オーレリアン・チュアメニらは指揮官を支持していたとも伝えられている。

また、スペイン国内の複数の報道では、トレーニングにおけるアロンソの関与の仕方が、一部のベテラン選手にとって問題視されていたと指摘されている。

アロンソがドイツでレバークーゼンを率いていた当時は、指揮官自身が練習に深く関与している様子が強く印象に残った。選手たちとともにトレーニングに参加し、「今でも自分がチームで一番のパサーだと感じている」と冗談交じりに語る場面もあった。

このようなリーダーシップはブンデスリーガでは好意的に受け止められていたが、レアル・マドリードでは必ずしも歓迎されなかった。マドリードの選手たちは、トレーニングの多くをスタッフに委ねるカルロ・アンチェロッティ前監督の、比較的自由度の高いマネジメントに慣れていたためだ。

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スペイン紙『Marca』の報道によると、アロンソがトレーニング中にチームの取り組み姿勢を公然と疑問視し、「保育園を指導しに来たとは思わなかった」と発言したとされる場面もあったという。また、英紙『BBC』は、アロンソ自身がクラブ内で「孤立している」と感じていたと伝えている。

アンチェロッティ政権下では選手たちが頻繁に外出やパーティーを楽しんでいたとされるが、アロンソはそうした私生活面にも厳しい制限を設け、問題があると判断した取り巻きの関与を制限していたとも報じられている。

華やかさと自由を重んじる欧州屈指のビッグクラブにおいて、規律を前面に押し出すアプローチは、選手たちの不満を招いた。結果として、それは指揮官がチームの一体感を築こうとする上で、大きな障壁となったと言えるだろう。

原文:Why did Vinicius and Xabi Alonso dislike each other? Explaining rift that contributed to coach's Real Madrid exit
翻訳・編集:小山亮(スポーティングニュース日本版)

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