イングランドFAカップの歴代優勝クラブ 最多優勝チーム・監督・選手は?

Will Savage

坂東実藍 Miran Bando

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イングランドのFAカップは1871-1872シーズンに始まった世界最古のサッカー国内大会だ。

特にイングランド・プレミアリーグやUEFA主催大会と比べ、近年ではかつてほど威信のある大会ではなくなっているが、多くのチームのファンにとって非常に重要な大会であることは変わらない。5月にウェンブリー・スタジアムで行われる決勝は、サポーターやチームにとって特別なイベントだ。

ドラマチックな展開やいわゆる格下クラブによるシンデレラストーリーが大会の魅力のひとつであり、世界中のファンの想像をかきたてる。

ただ、トップリーグ以外のクラブがFAカップを制したのは、1979-1980シーズンのウェストハムが最後だ。下部リーグのクラブの決勝進出も、2007-2008シーズンのカーディフ・シティを最後に実現していない。

『スポーティングニュース』では、FAカップの歴史でどのクラブが優勝してきたかをまとめる。

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FAカップの最多優勝クラブは?

FAカップで最も多く優勝しているクラブは、アーセナルだ。これまで14回の戴冠を果たしている。

アーセナルが最初にFAカップで優勝したのは1930年。最も直近では2020年だ。優勝の多くは最近のことで、1998年から2020年の22年間で8回優勝した。

これらの成功を収めた時期に指揮を執ったのが、アーセン・ヴェンゲル監督だ。特に同監督が率いた最初のころは、マンチェスター・ユナイテッドと激しいライバル関係にあった。両チームがプレミアリーグでもFAカップでもトロフィーを競っていたのだ。

そのユナイテッドは、アーセナルに続いて2番目にFAカップで優勝しているクラブ。これまで12回の戴冠を果たしている。最初にトロフィーを掲げたのは1909年。最も直近では2016年だ。準優勝9回は最多。最近では2023年の決勝でマンチェスター・シティに屈した。

1998年から2005年までの間に、アーセナルかユナイテッドのどちらかがFAカップで優勝したのは6回。2005年の決勝は0-0のスコアレスに終わり、PK戦の末にアーセナルがユナイテッドを沈めている。

FAカップの最多優勝監督は?

FAカップの最多優勝監督は、アーセナルで7回トロフィーを手にしたアーセン・ヴェンゲルだ。

また、ヴェンゲルは改築前と改築後の双方のウェンブリー、そして同スタジアムの改築中に行われたカーディフのミレニアム・スタジアムでも優勝を果たしている。

ヴェンゲルに続いて最もFAカップを制している監督は、アストン・ビラで1887年から1920年の間に6回優勝したジョージ・ラムジーだ。

現代では、サー・アレックス・ファーガソンがヴェンゲルの次に最も多くのFAカップ優勝を果たしてきた。オールド・トラフォードでユナイテッドを率いた間に、1990年、94年、96年、99年、2004年と5回戴冠を果たしている。

FAカップの最多優勝選手は?

FAカップで最も多く優勝している選手は、アシュリー・コールだ。

元イングランド代表の左サイドバックは、2000年代前半にアーセナルに在籍。2002年、03年、05年にFAカップで優勝した。

その後、コールはチェルシーに移籍し、2007年、09年、10年、12年と、さらに4回の戴冠を果たしている。

マンチェスター・シティは優勝7回

2023年の決勝でライバルのユナイテッドを下したシティは、7回目のFAカップ制覇を果たし、優勝回数でアストン・ビラに並んだ。

シティのジョゼップ・グアルディオラ監督にとって2回目の優勝で、シティはアーセナル、ユナイテッド、チェルシー、リバプール、トッテナムに次ぐ優勝回数のクラブとなっている。

遠藤航が所属するリバプールは、2023-2024シーズンのFAカップでベスト8に進出。準々決勝でユナイテッドと対戦する。

FAカップで優勝したのは何チーム?

長い歴史を持つ大会だけに、優勝したチームも数多い。1872年の初代王者から、合計で44チームが戴冠を果たしている。

クラブ優勝回数
アーセナル14
マンチェスター・ユナイテッド12
チェルシー8
リバプール8
トッテナム8
アストン・ビラ7
マンチェスター・シティ7
ブラックバーン・ローバーズ6
ニューカッスル6
エバートン5
ワンダラーズ5
ウェスト・ブロムウィッチ・アルビオン5
ボルトン・ワンダラーズ4
シェフィールド・ユナイテッド4
ウォルバーハンプトン4
シェフィールド・ウェンズデー3
ウェストハム3
ベリー2
ノッティンガム・フォレスト2
オールド・イートニアンズ2
ポーツマス2
プレストン・ノースエンド2
サンダーランド2
バーンズリー1
ブラックバーン・オリンピック1
ブラックプール1
ブラッドフォード・シティ1
バーンリー1
カーディフ・シティ1
チャールトン・アスレティック1
クラッパム・ローバーズ1
コベントリー・シティ1
ダービー・カウンティ1
ハダースフィールド・タウン1
イプスウィッチ・タウン1
リーズ・ユナイテッド1
レスター・シティ1
ノッツ・カウンティ1
オールド・カーサジアンズ1
オックスフォード・ユニバーシティ1
ロイヤル・エンジニアーズ1
サウサンプトン1
ウィガン・アスレティック1
ウィンブルドン1

※この記事はスポーティングニュース国際版の記事を翻訳し、日本向けに一部編集を加えたものとなります。
翻訳:坂東実藍
編集:スポーティングニュース日本版編集部

Will Savage

坂東実藍 Miran Bando

フリーランスライター。NBAや欧州サッカーを中心に担当。執筆業は約20年の40代。マジック・ジョンソンのような華麗さを夢見るが、現実は地味キャラ。ならば目指すはサネッティのような継続性か。日々、子どもたちの世話に追われながらバスケとサッカーを追い続け、地道に各種媒体へ寄稿。