多くのサッカーファンにとって、ボクシング・デーといえば、真っ先に思い浮かぶのはプレミアリーグだ。
この日は長年にわたってリーグの公式日程に組み込まれており、今ではすっかりおなじみの伝統行事となっている。
欧州の多くのリーグがクリスマスから年始にかけて中断期間に入る一方で、イギリスではこの時期にも試合日程が組まれる。
ボクシング・デーに行われるプレミアリーグの試合は視聴率も高く、多くのファンが自宅でくつろぎながら観戦するのが定番となっている。
では、そもそもボクシング・デーとは何なのか。そして、なぜこれほどまでに重要な日として定着したのだろうか。ここでは、イギリスにおけるその歴史と伝統を振り返る。
ボクシング・デーはいつ?
ボクシング・デーは、毎年12月26日にあたる。
クリスマスの翌日に迎えるこの日は、慌ただしいクリスマスを終えた人々にとって、心と体を整える大切な一日でもある。
なぜ「ボクシング・デー」と呼ばれるのか? その名前の由来
ボクシング・デーは、毎年12月26日、すなわちクリスマスの翌日にあたるイギリスの祝日だ。
この日は「バンク・ホリデー」と呼ばれ、アメリカでいう連邦祝日に近い位置づけにある。多くの企業が休業となり、従業員の大半は休暇を取るか、後日に振り替えられる追加の有給休暇を取得することができる。
「ボクシング・デー」という呼び名は、1833年に作家チャールズ・ディケンズが用いた表現に由来するとされている。祝日として正式に制定されたのは1871年だが、この日に贈り物をする慣習自体は、さらに古くから存在していた。
その名称は、雇い主が使用人や家事労働者など、クリスマス当日も働いていた人々に対し、贈り物を詰めた箱(ボックス)を配っていた習慣に由来する。
現在では、こうした本来の目的はほとんど失われており、慈善活動の多くもクリスマス前に行われるようになった。その一方で、ボクシング・デーは「スポーツ」と「ショッピング」の日として広く知られる存在となっている。
ボクシング・デーで最も成功しているクラブは?
フットボールリーグが創設された1888年の初年度、ボクシング・デーにはダービー・カウンティ対ボルトン・ワンダラーズ、そしてウェスト・ブロムウィッチ・アルビオン対プレストン・ノースエンドの2試合が行われた。以来、イングランドのフットボールリーグでは、ボクシング・デーに4,000試合以上が開催されてきた。
リーグ史上、ボクシング・デーに最も多く試合を行っているクラブはウェスト・ブロムで、通算107試合を戦い、46勝39敗22分という成績を残している。一方、ボクシング・デーで最も多くの勝ち点を獲得しているのはマンチェスター・ユナイテッドで、97試合で52勝27敗18分、合計174ポイントを積み上げている。
個人記録では、ハリー・ケインがボクシング・デー通算最多得点記録を保持しており、その数は10ゴールにのぼる。また、プレミアリーグ史上で最も得点数の多かったボクシング・デーの試合は、2021年に行われたマンチェスター・シティ対レスター・シティで、6-3というスコアだった。
さらに、イングランド1部リーグの歴史において、最もゴールが量産されたボクシング・デーは1963年だ。この日は10試合で合計66ゴールが生まれ、フラムがイプスウィッチ・タウンに10-1で大勝した試合や、ブラックバーン・ローヴァーズがウェストハムを8-2で下した一戦など、記録的なスコアが相次いだ。
2025年ボクシング・デーのプレミアリーグは1試合のみ
2025年のボクシング・デーに予定されているプレミアリーグの試合はわずか1試合のみとなっており、これは例年と比べても異例の少なさだ。
この決定はイングランド国内で少なからぬ波紋を呼んでいる。ボクシング・デーといえば数多くの試合が組まれるのが通例であり、トップリーグの試合がほとんど行われないことに失望するファンも多い。一方でプレミアリーグ側は、欧州大会など各種コンペティションの拡大によって日程が過密化している現状を踏まえ、選手の休養を優先するため、年末年始に試合を分散させる判断を下したと説明している。
2025年のボクシング・デーに行われる唯一のプレミアリーグの試合は、マンチェスター・ユナイテッド対ニューカッスルの一戦で、会場はオールド・トラッフォード。キックオフは現地時間20時(日本時間27日5:00)となっている。
その一方で、イングランド2部にあたるチャンピオンシップでは、現地時間12月25日に全12試合が開催される予定で、日本時間では26日から27日にかけて試合が行われる。
2025年ボクシング・デーのプレミアリーグ日程
| 試合 | 日時(日本時間) |
|---|---|
| マンチェスター・ユナイテッド vs ニューカッスル | 12月27日 5:00 |
原文:What is Boxing Day? How it became an English Premier League tradition
翻訳・編集:浄見耕志(スポーティングニュース日本版)
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