プレミアリーグのファンにとって、年末年始の過密日程(フェスティブ・シーズン)は特別な時期だ。多くの欧州リーグが中断期間に入るなか、イングランドのトップリーグは試合を続け、連日のように熱戦が繰り広げられる。
試合数が一気に増えるこの時期は、優勝争いの行方が大きく動きやすい。過密日程のなかで各チームが勝ち点を積み重ね、首位争いが目まぐるしく入れ替わることも珍しくない。
この年末年始の連戦は暦の切り替わりを目前に控えていることもあり、多くのファンはクリスマスをシーズンの折り返し地点のように捉えている。厳密にはまだ半分ではないものの、2025-2026シーズンでは、クリスマス当日までに各クラブは17試合を消化し、公式な折り返し地点の直前となる。
クリスマス首位チームの優勝確率は?
クリスマス時点で首位に立っていたチームが、そのままプレミアリーグ優勝を果たした割合は、約51.5%になる。33シーズンのうち17回、最終的にも首位でフィニッシュしている。
さらにイングランドのトップリーグ全体の歴史に目を向けると、クリスマス時点で首位だったチームが優勝した割合は約44.4%。全126シーズンのうち、56回でこの結果が生まれている。
なお、クリスマスに首位だったチームの最終順位として最も低いのは6位だ。1998-1999シーズンのアストン・ヴィラがこのケースに該当する。それを除けば、12月25日時点で首位に立ったチームが、最終的に4位以下に沈んだ例は一度もない。
クリスマス首位からの成績が最も優秀なのはチェルシーだ。これまで5度クリスマスに首位に立ち、そのすべてのシーズンで優勝を果たしている。一方で、クリスマス首位から優勝を逃した回数が最も多いのはリバプールで、5度とイングランドのクラブで最多となっている。
また、クリスマス時点で首位ではなかったにもかかわらず、最終的に優勝した回数が最も多いのはマンチェスター・ユナイテッドで、その数は8回にのぼる。ただし同クラブは、クリスマス首位から優勝を逃した経験も2度ある。マンチェスター・シティも同様に5度の逆転優勝を成し遂げており、そのすべてが直近5回の事例となっている。
| シーズン | クリスマス時点の首位 | 最終順位 | 優勝クラブ |
| 1992-1993 | ノリッジ | 3位 | マンチェスター・ユナイテッド |
| 1993-1994 | マンチェスター・ユナイテッド | 1位 | — |
| 1994-1995 | ブラックバーン | 1位 | — |
| 1995-1996 | ニューカッスル | 2位 | マンチェスター・ユナイテッド |
| 1996-1997 | リバプール | 4位 | マンチェスター・ユナイテッド |
| 1997-1998 | マンチェスター・ユナイテッド | 2位 | アーセナル |
| 1998-1999 | アストン・ヴィラ | 6位 | マンチェスター・ユナイテッド |
| 1999-2000 | リーズ | 3位 | マンチェスター・ユナイテッド |
| 2000-2001 | マンチェスター・ユナイテッド | 1位 | — |
| 2001-2002 | ニューカッスル | 4位 | アーセナル |
| 2002-2003 | アーセナル | 2位 | マンチェスター・ユナイテッド |
| 2003-2004 | マンチェスター・ユナイテッド | 3位 | アーセナル |
| 2004-2005 | チェルシー | 1位 | — |
| 2005-2006 | チェルシー | 1位 | — |
| 2006-2007 | マンチェスター・ユナイテッド | 1位 | — |
| 2007-2008 | アーセナル | 3位 | マンチェスター・ユナイテッド |
| 2008-2009 | リバプール | 2位 | マンチェスター・ユナイテッド |
| 2009-2010 | チェルシー | 1位 | — |
| 2010-2011 | マンチェスター・ユナイテッド | 1位 | — |
| 2011-2012 | マンチェスター・シティ | 1位 | — |
| 2012-2013 | マンチェスター・ユナイテッド | 1位 | — |
| 2013-2014 | リバプール | 2位 | マンチェスター・シティ |
| 2014-2015 | チェルシー | 1位 | — |
| 2015-2016 | レスター | 1位 | — |
| 2016-2017 | チェルシー | 1位 | — |
| 2017-2018 | マンチェスター・シティ | 1位 | — |
| 2018-2019 | リバプール | 2位 | マンチェスター・シティ |
| 2019-2020 | リバプール | 1位 | — |
| 2020-2021 | リバプール | 3位 | マンチェスター・シティ |
| 2021-2022 | マンチェスター・シティ | 1位 | — |
| 2022-2023 | アーセナル | 2位 | マンチェスター・シティ |
| 2023-2024 | アーセナル | 2位 | マンチェスター・シティ |
| 2024-2025 | リバプール | 1位 | — |
| 2025-2026 | アーセナル | ? | ? |
アーセナルはクリスマス首位で優勝できるのか?
2025-2026シーズンでは、アーセナルがリーグ首位に立っている。17試合を終えた時点で勝ち点39を積み上げ、2位マンチェスター・シティに2ポイント差をつけている。
クリスマス時点で首位に立ったチームが優勝する確率は、おおよそ5割とされている。しかし、この点においてアーセナルの成績は芳しいものではない。
アーセナルはこれまで4度、12月25日時点で首位に立ったことがあるが、いずれのシーズンでも最終的にリーグタイトルを獲得できなかった。
さらに、プレミアリーグ創設以前も含めてクラブのトップリーグ全史に目を向けると、その傾向はより顕著になる。アーセナルはクリスマス時点で首位に立ちながら、7度すべてでリーグ優勝を逃している。プレミアリーグでの4度に加え、旧イングランド1部時代でも1951-1952、1986-1987、1989-1990の3シーズンで同様の結果に終わった。
一方で、アーセナルがプレミアリーグを制した3度の優勝シーズンでは、いずれもクリスマス時点で首位ではなかった。その際、2度はマンチェスター・ユナイテッド、1度はニューカッスルが首位に立っている。アーセナルはクリスマスに一度も首位に立たずにプレミアリーグを制した唯一のクラブでもある。
とはいえ、希望材料もある。クリスマス時点で2ポイント差という僅差で首位に立っていたチームは、これまで7度中5度の割合で最終的に優勝を果たしている。優勝を逃した例は、1999-2000シーズンのリーズと、2002-2003シーズンのアーセナルのみだ。
ただし、不安要素も無視できない。直近5回、クリスマス首位チームが優勝を逃したケースでは、いずれもマンチェスター・シティがタイトルを獲得している。そして現在、アーセナルのすぐ背後には、そのマンチェスター・シティが再び迫っている。
アーセナルのクリスマス首位の成績
| シーズン | クリスマス時点の首位 | 最終順位 | 優勝クラブ |
| 1951-1952 | アーセナル | 3位 | マンチェスター・ユナイテッド |
| 1986-1987 | アーセナル | 4位 | エバートン |
| 1989-1990 | アーセナル | 4位 | リバプール |
| 2002-2003 | アーセナル | 2位 | マンチェスター・ユナイテッド |
| 2007-2008 | アーセナル | 3位 | マンチェスター・ユナイテッド |
| 2022-2023 | アーセナル | 2位 | マンチェスター・シティ |
| 2023-2024 | アーセナル | 2位 | マンチェスター・シティ |
| 2025-2026 | アーセナル | ? | ? |
原文:Top of Premier League at Christmas: How often do leaders go on to win the title?
翻訳・編集:浄見耕志(スポーティングニュース日本版)
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