TL;DR
- The Tyne-Wear Derby between Newcastle United and Sunderland is one of England's oldest and fiercest rivalries.
- The rivalry's origins predate football, stemming from 17th-century English Civil War political divisions.
- Newcastle has won more major titles, but Sunderland leads in league titles; both have passionate fan bases.
- The derby was absent from the Premier League since 2016 but is now set for a highly anticipated return.
イングランドサッカーには、長い歴史の中で育まれてきた数々の名物ライバル対決が存在する。
マンチェスター・ユナイテッド対マンチェスター・シティ、リバプール対エバートン、アーセナル対トッテナムといったローカルダービーは、毎年夏の日程発表でファンが真っ先にチェックするカードでもある。
一方で、ニューカッスル・ユナイテッド対サンダーランドの「タイン・ウェア・ダービー」は、2015-2016シーズンを最後にプレミアリーグの舞台から姿を消していた。ニューカッスルは同シーズンに降格となったものの、翌季にはラファエル・ベニテス監督のもとでチャンピオンシップから即時復帰を果たした。対照的に、サンダーランドは長年残留争いを続けた末、2016-2017シーズンに降格。その翌季にはリーグ1(英3部)への連続降格も経験している。
そこからサンダーランドは、長く険しい復活の道のりを歩むこととなったが、その歩みは昨季、シェフィールド・ユナイテッドとの劇的なプレーオフ決勝を制したことで、ついに実を結んだ。
両クラブが最後にプレミアリーグで対戦して以降、ニューカッスルを取り巻く環境も大きく変化している。サウジアラビア公共投資基金(PIF)による買収を経て、チャンピオンズリーグには2度出場。さらに、2024-2025シーズンのカラバオカップ制覇により、国内主要タイトルから70年に及ぶ空白にも終止符を打った。
一方、今節のスタジアム・オブ・ライトでの試合を前に、ニューカッスルはサンダーランドに勝ち点1差で迫る状況にある。レジス・ル・ブリ監督が指揮するサンダーランドは、昇格したばかりのシーズンにもかかわらず、見事なパフォーマンスを披露している。
長年待ち望まれてきた名門ダービーの復活。その背景と歴史を、ここで詳しく紹介する。
ニューカッスル対サンダーランドのダービー名称
ニューカッスルとサンダーランドの一戦は、「タイン・ウェア・ダービー」として知られている。
なお、サンダーランドのホームゲームでは、「ウェア・タイン・ダービー」と呼ばれることもある。
なぜ「タイン・ウェア・ダービー」と呼ばれるのか?
このダービー名は、ニューカッスルを流れるタイン川と、サンダーランドが河口部に位置するウェア川という、タイン・アンド・ウェア地域の名の由来となった2つの川にちなんで名付けられている。
ニューカッスルとサンダーランドのライバル関係の起源
ニューカッスルとサンダーランドの歴史的なライバル関係は、サッカーが誕生する以前にまでさかのぼる。その起源は17世紀、イングランド内戦の時代にある。
当時、ニューカッスルは国王支持派(王党派)として行動していた。一方のサンダーランドは議会派の拠点であり、王党派だったニューカッスルの商人たちが優遇されていることに強い不満を抱いていたという。
In the Jacobite rebellions that occurred later in the same century, Sunderland backed the Stuart family's claim to the British throne, while Newcastle supported the German-born King George (George I). The adversarial relationship between the two cities became even more pronounced as a reflection of their differing political stances.

ニューカッスルとサンダーランドの距離は?
サンダーランドは、ニューカッスルから南東へ約19キロの場所に位置している。
セント・ジェームズ・パークとスタジアム・オブ・ライトの両本拠地は、約25キロ離れている。
ニューカッスルとサンダーランドの主要タイトル数比較
主要タイトルの獲得数では、ニューカッスルが12回、サンダーランドが8回と、ニューカッスルが上回っている。
On the other hand, in terms of league titles, Sunderland has the edge with six wins compared to Newcastle's four. However, in the FA Cup, Newcastle boasts six victories, while Sunderland has only managed two.
Newcastle ended a lengthy trophy drought by Defeating Liverpool 2-1 in the 2025 Carabao Cup final, securing their first major silverware since the 1968-69 Inter-Cities Fairs Cup.
Meanwhile, Sunderland's most recent major trophy win dates back to 1973. At that time, Sunderland, then in the second division, achieved a remarkable feat by Defeating Leeds United at Wembley Stadium to claim the FA Cup. Furthermore, in the 2014 League Cup final, although they led 1-0 at halftime, they conceded goals in the second half and were defeated 1-3 by Manchester City.

ニューカッスル対サンダーランドの通算対戦成績
サンダーランドとニューカッスルは、公式戦でこれまで合計157回顔を合わせ、その戦績は驚くほど均衡している。ニューカッスルが54回勝利し、サンダーランドが53回勝利、引き分けは50試合となっている。
以下は、「タイン・ウェア・ダービー」直近10試合の結果だ。
| 大会 | 日付 | 会場 | 結果 |
|---|---|---|---|
| FAカップ | 2024年1月6日 | スタジアム・オブ・ライト | サンダーランド 0-3 ニューカッスル |
| プレミアリーグ | 2016年3月20日 | セント・ジェームズ・パーク | ニューカッスル 1-1 サンダーランド |
| プレミアリーグ | 2015年10月25日 | スタジアム・オブ・ライト | サンダーランド 3-0 ニューカッスル |
| プレミアリーグ | 2015年4月5日 | スタジアム・オブ・ライト | サンダーランド 1-0 ニューカッスル |
| プレミアリーグ | 2014年12月21日 | セント・ジェームズ・パーク | ニューカッスル 0-1 サンダーランド |
| プレミアリーグ | 2014年2月1日 | セント・ジェームズ・パーク | ニューカッスル 0-3 サンダーランド |
| プレミアリーグ | 2013年10月27日 | スタジアム・オブ・ライト | サンダーランド 2-1 ニューカッスル |
| プレミアリーグ | 2013年4月14日 | セント・ジェームズ・パーク | ニューカッスル 0-3 サンダーランド |
| プレミアリーグ | 2012年10月21日 | スタジアム・オブ・ライト | サンダーランド 1-1 ニューカッスル |
| プレミアリーグ | 2012年3月4日 | セント・ジェームズ・パーク | ニューカッスル 1-1 サンダーランド |
年代別に見るニューカッスル対サンダーランドの因縁
20世紀初頭の成功
このダービーにおける最多得点差勝利は、1908年12月に記録された。サンダーランドがセント・ジェームズ・パークで9-1の大勝を収めた一戦だ。驚くべきことに、ニューカッスルはその1908-1909シーズンをディビジョン1(当時の1部)王者として終えている。
この優勝は、ニューカッスルにとって5シーズンで3度目のリーグ制覇だった。一方のサンダーランドは、1890年代に「チーム・オブ・オール・タレント(Team of All Talents)」と称された黄金期に3度のリーグ優勝を達成し、1901-1902シーズンのタイトルはその成功をさらに積み重ねるタイトルとなった。
In addition, during the 1950s, Sunderland became known as "The Bank of England Club" after they twice broke England's transfer fee record with the acquisitions of Len Shackleton and Trevor Ford.
しかし1955年には、ニューカッスルがダービーで6-1の大勝を収め、クラブ史上最大の得点差勝利タイ記録を達成した。同年にはFAカップ制覇も果たしている。
プレーオフで激突した因縁の一戦
歴史上、最も重要な意味を持つ「タイン・ウェア・ダービー」の一つが、1989-1990シーズンのディビジョン2(当時2部)プレーオフ準決勝で行われた。
The first match concluded in a 0-0 draw at Roker Park, Sunderland's former home ground, but in the second encounter, Sunderland secured a 2-0 victory at St. James' Park. During this game, an incident occurred where some Newcastle supporters invaded the pitch, intending to disrupt the match, yet play continued without being halted.
サンダーランドは決勝でスウィンドン・タウンに敗れたものの、その後スウィンドンに財務上の不正が発覚。その結果、サンダーランドが昇格を果たすこととなった。
その後、1993年にケビン・キーガン監督のもとで1部へ復帰したニューカッスルは、リーグ3位に躍進し、1995-1996シーズンには優勝争いを最後まで演じるなど、黄金期を迎えていく。
プレミアリーグ時代のタイン・ウェア・ダービー
プレミアリーグ時代に限れば、総合的な成功ではニューカッスルが上回っている。ただし、印象的なダービーの名場面の多くは、サンダーランドの側に生まれてきた。
象徴的なのが、1999年8月にセント・ジェームズ・パークで行われた一戦だ。サンダーランドの勝利は、当時ニューカッスルを率いていたルート・フリット監督の退任へとつながった。

ニューカッスルとプレミアリーグ歴代最多得点記録保持者でもあるアラン・シアラーは、2006年4月に行われたサンダーランド戦(4-1勝利)で、PKから自身キャリア最後のゴールを決めている。
また、2024年1月のFAカップでの勝利は、ニューカッスルにとって2011年8月以来となるサンダーランド戦での白星だった。その間には、サンダーランドが6連勝を飾る時期もあった。
ニューカッスルとサンダーランドのサポーター文化
ニューカッスルとサンダーランドは、ともにイングランドサッカーの中でも屈指の情熱的なサポーターを持つクラブとして知られている。
ニューカッスル・ユナイテッドのサポーターは、セント・ジェームズ・パークに集まる際、「トゥーン・アーミー(Toon Army)」という愛称で知られている。さらに、ゴール裏のギャロゲート・エンドでは、「ウォー・フラッグス(Wor Flags)」という集団が、観客席を鮮やかに彩る印象的なコレオグラフィーで有名である。
一方、サンダーランドのファンは、クラブが近年リーグ1で苦戦を強いられた期間中も、揺るぎない献身と忍耐強さを見せてきた。この様子は、Netflixのドキュメンタリーシリーズ『サンダーランド“Til I Die”』で取り上げられている。
ニューカッスル・ユナイテッドのホームゲームでは、選手たちがフィールドに登場する際に、1983年の映画『ローカル・ヒーロー』のテーマ曲である「Going Home」が流れる。この曲は、ニューカッスル出身のミュージシャンで、熱烈なクラブサポーターでもあるマーク・ノップラーによって作曲された。さらに、試合前には、観客席からタインサイド地方の伝統的なフォークソング「Blaydon Races」が合唱される。
サンダーランドのチームソングは、エルヴィス・プレスリーの有名な曲「Can’t Help Falling in Love」だ。スタジアム・オブ・ライトでは、選手たちがピッチに入る前に、セルゲイ・プロコフィエフが作曲したバレエ『ロメオとジュリエット』からの「騎士たちの踊り(Dance of the Knights)」が流れる。その後、入場曲としてリパブリカの「Ready to Go」が流れる。

Stu Forster
都市内と都市間で見るイングランドの主要ダービー
マンチェスター・ダービー(シティ対ユナイテッド)、マージーサイド・ダービー(リバプール対エバートン)、シェフィールド・ダービー(ウェンズデイ対ユナイテッド)、バーミンガム・ダービー(アストン・ヴィラ対バーミンガム・シティ)といった同じ都市のチーム同士の試合と並んで、ニューカッスル対サンダーランドも、イングランドのサッカー界で最も有名なダービー戦の一つと見なされている。
ロンドンには複数のダービーが存在するが、歴史的な重要性という点では、アーセナルとトッテナムによるノースロンドン・ダービーが最も象徴的だ。
Conversely, rivalries between different cities, such as Newcastle versus Sunderland, tend to foster a stronger "us versus them" dynamic. This intensity is comparable to the fierce competition seen in the East Anglia Derby between Norwich City and Ipswich Town, or the East Lancashire Derby contested by Blackburn Rovers and Burnley.
その中でも、両クラブの歴史的な成功とサポーターの規模を考えれば、ニューカッスル対サンダーランドは、こうした「都市間ダービー」の中で最上位に位置づけられる存在と言えるだろう。
イングランドサッカー最古級のライバル関係
サンダーランドがニューカッスル(当時の名称はニューカッスル・イースト・エンド)と初めて対戦したのは1883年のことで、この対戦はイングランドサッカーにおいても最古級のライバル関係の一つに数えられる。
This contest predates the inaugural matches of the Merseyside derby, Sheffield derby, and North London derby. The initial Manchester derby encounter occurred in 1881, during a period when Manchester City and Manchester United were known as St. Mark's (Gorton) and Newton Heath, respectively. Furthermore, the first meeting between Aston Villa and Birmingham City, recognized as the "Second City derby," dates back to 1879.
さらに、世界最古のサッカークラブの一つであるノッツ・カウンティとノッティンガム・フォレストは、1866年に親善試合で初めて顔を合わせている。
Rivalidad entre Newcastle y Sunderland, explicada: resultados completos, historia y cómo el Derbi del Tyne-Wear se convirtió en una feroz disputa
翻訳・編集:浄見耕志(スポーティングニュース日本版)
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