サッカー界の象徴として長年君臨してきたリオネル・メッシとクリスティアーノ・ロナウド。W杯でも彼らの存在感は圧倒的で、数々の記録とドラマを残してきた。
そんな2人にとって、2026年大会(アメリカ・カナダ・メキシコ共催)は“最後のW杯”になる可能性が高い。大会開催時にはメッシが39歳、C・ロナウドは41歳となる見込みで、その動向には世界中が注目している。
では、これまでの歴史を振り返ったとき、W杯で最も多くの試合に出場してきた選手は誰なのか。彼らはどの位置に名を連ねているのか。
本記事では、カタールW杯終了時点の最新データをもとに、W杯通算出場試合数のランキング、リオネル・メッシおよびクリスティアーノ・ロナウドのW杯での戦績を紹介していく。
史上初6度目のW杯へ
リオネル・メッシとクリスティアーノ・ロナウドはこれまでに、5度のワールドカップに出場している。2人がW杯デビューを果たしたのは2006年ドイツ大会で、当時メッシは19歳、C・ロナウドは21歳だった。
“5大会出場”という偉業を達成した男子選手はわずか6人。両選手のほか、ドイツのレジェンドであるローター・マテウス、メキシコ代表のアントニオ・カルバハル、アンドレス・グアルダード、ラファエル・マルケスが名を連ねる。
38歳のグアルダードは、メッシやC・ロナウドとともに6大会目の出場に挑戦する可能性もあったが、2025年夏に現役を退いたことでその道は閉ざされた。マルケスは現在メキシコ代表のアシスタントコーチを務めており、2026年大会に帯同する可能性はあるものの、“選手”としてのW杯は2018年ロシア大会で幕を閉じている。
また、ジャンルイジ・ブッフォンとギジェルモ・オチョアの両GKも5大会のメンバーに名を連ねているが、実際にピッチに立ったのは前者が4大会、後者が3大会に限られている。
W杯で最も多くの試合に出場した選手は?
W杯の歴史を通じて最も多くの試合に出場しているのは、アルゼンチンのエース、リオネル・メッシ だ。これまでに 通算26試合 でピッチに立ち、この記録は歴代単独トップとなっている。
2位には、5大会で25試合に出場したドイツの名手ローター・マテウス。3位にはミロスラフ・クローゼが続き、24試合に出場している。クローゼはW杯通算16得点を挙げ、ブラジルのロナウドを抜いて歴代最多得点者としても知られる。
一方、クリスティアーノ・ロナウド は 通算22試合 で歴代5位。2026年大会で4試合に出場すれば、マテウスを抜いて歴代2位に浮上するチャンスがある。
なお、2026年大会では48チーム制の導入により、決勝まで進んだ場合は最大8試合を戦うことができる。従来の32チーム制では最大7試合だったため、1試合増える計算だ。
そのため、メッシは最大で34、C・ロナウドは最大30まで記録を伸ばすことが可能である。
W杯最多出場記録
| 順位 | 選手名 | 出場試合数 | 出場年 |
|---|---|---|---|
| 1位 | リオネル・メッシ(アルゼンチン) | 26 | 2006, 2010, 2014, 2018, 2022 |
| 2位 | ローター・マテウス(ドイツ) | 25 | 1982, 1986, 1990, 1994, 1998 |
| 3位 | ミロスラフ・クローゼ(ドイツ) | 24 | 2002, 2006, 2010, 2014 |
| 4位 | パオロ・マルディーニ(イタリア) | 23 | 1990, 1994, 1998, 2002 |
| 5位 | クリスティアーノ・ロナウド(ポルトガル) | 22 | 2006, 2010, 2014, 2018, 2022 |
リオネル・メッシのW杯記録
メッシのW杯でのキャリアは2006年ドイツ大会から始まった。当時19歳だった彼は、この大会で途中出場を含む3試合に出場し、グループステージ第2戦で大会初ゴールも記録した。
以降はアルゼンチン代表の絶対的な核として地位を固め、2010年大会以降に出場したW杯では全試合に先発。2010年は無得点に終わったものの、2014年大会では4ゴールを挙げて決勝進出に大きく貢献し、決勝で敗れたものの大会MVPに選ばれた。
そして2022年カタール大会では2度目の決勝に臨み、ついに悲願のW杯優勝を達成。自身も史上初となる 2度目のMVPを受賞 し、その名をW杯史に刻んだ。
| 年数 | 開催国 | 出場試合数 | 成績 |
|---|---|---|---|
| 2006 | ドイツ | 3 | ベスト8 |
| 2010 | 南アフリカ | 5 | ベスト8 |
| 2014 | ブラジル | 7 | 準優勝 |
| 2018 | ロシア | 4 | ベスト16 |
| 2022 | カタール | 7 | 優勝 |
クリスティアーノ・ロナウドのW杯記録
C・ロナウドが初めてW杯のピッチに立ったのも2006年ドイツ大会。グループステージ第3戦のメキシコ戦を除く6試合に先発出場し、若くして世界的スターへの道を歩み始めた。
その後もポルトガル代表のエースとして長年君臨。2018年大会のスペイン戦では圧巻のハットトリックを披露し、改めてその存在感を世界に示した。
そして何より象徴的なのが、W杯5大会連続ゴール という、歴史上ただ一人しか成し遂げていない偉業である。W杯での最高成績は2006年のベスト4にとどまっているものの、彼の功績は長い歴史の中でも特別な輝きを放っている。
| 年数 | 開催国 | 出場試合数 | 成績 |
|---|---|---|---|
| 2006 | ドイツ | 6 | ベスト4 |
| 2010 | 南アフリカ | 4 | ベスト16 |
| 2014 | ブラジル | 3 | グループステージ敗退 |
| 2018 | ロシア | 4 | ベスト16 |
| 2022 | カタール | 5 | ベスト8 |
両者のスタッツ比較
両者のスタッツを比較すると、5大会にわたるW杯での実績は、メッシが一歩抜きんでている。出場試合数、ゴール数、アシスト数のいずれもC・ロナウドを上回り、さらに2022年大会でタイトル獲得も成し遂げている。
もちろん、こうした個人記録にはチームの力も大きく影響する。しかし、個人としての差が際立つ場面も少なくない。例えば、C・ロナウドはこれまで決勝トーナメント8試合に出場しているにもかかわらず、一度もゴールを挙げたことがない。それに対してメッシは、前回大会で決勝トーナメント全試合で得点を記録し、チームを見事に優勝へと導いた。
| 選手 | 出場試合数 | ゴール | アシスト | 最高成績 |
|---|---|---|---|---|
| リオネル・メッシ | 26 | 13 | 8 | 優勝 |
| クリスティアーノ・ロナウド | 22 | 8 | 2 | ベスト4 |
メッシは2026年W杯に出場する?
アルゼンチン代表はすでに2026年ワールドカップの出場権を獲得している。同国が予選敗退したのは1970年の一度だけで、他の3度の不参加はW杯創設期における辞退によるものだ。
メッシは将来についての質問に直接答えることを避ける傾向があり、単純な問いにも曖昧な返答をすることが多い。それでも、多くの専門家や関係者は2026年大会に出場する可能性が高いと見ている。
2025年9月に同選手は次のように語っている。
「W杯についてはまだ決めていない。まずは今季のクラブシーズンを終え、その後プレシーズンがあり、そこからさらに半年ある。その時に自分がどう感じるかで判断したい。2026年のプレシーズンを良い状態で迎え、MLSシーズンをしっかり終えられれば、そのうえで決める」
大会開幕時には39歳となるメッシは、以前には「出場の可能性は低い」と語っていた。しかしアルゼンチン代表チームは、彼がチームの一員として参加する前提で準備を進めており、現時点では出場が有力視されている。
C・ロナウドは2026年W杯に出場する?
ポルトガル代表はまだ正式に出場権を獲得していないが、もし無事にW杯出場を決めれば、C・ロナウドも2026年大会に参加すると見られている。
本人は大会出場を明言しておらず、キャリア全体におけるW杯の重要性を強調することもない。しかし、コンディションさえ整えば出場すると考えられている。
同選手は2025年11月、ピアーズ・モーガン氏のインタビューでこう語った。
「僕にとってW杯制覇が夢かと問われれば、そうではない。史上最高の選手かどうかが、たった6、7試合で決まるというのか?そんなものがフェアだと思うのか?」
アルゼンチンとメッシの関係性と同じように、C・ロナウドも予選や親善試合を含め、2026年大会に向けてポルトガル代表で継続的にプレーしている。もし彼らほどのスーパースターがW杯に出場する意思がないのであれば、代表チームが大会に向けて体制を整えられるよう、より早い段階で身を引くはずだ。
原文:Has Lionel Messi or Cristiano Ronaldo played at more World Cups? Where legends rank in FIFA tournament history
翻訳・編集:小山亮(スポーティングニュース日本版)
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