ルベン・アモリム氏は、日本時間1月4日に行われたリーズ・ユナイテッドとの1-1の引き分けを受け、マンチェスター・ユナイテッドの監督を解任された。
アモリム氏は試合前後の記者会見で、オールド・トラッフォードの首脳陣に対して対立的とも取れる発言を繰り返していた。
昨季、ユナイテッドをプレミアリーグ史上ワーストの最終順位に導いた指揮官にとって、「自分を支持するか、さもなくば解任するか」という強硬な姿勢は、このような結末を迎えるリスクを常にはらんでいたと言える。
現在ユナイテッドはプレミアリーグ6位につけており、安定感を欠く戦いが続いているものの、チャンピオンズリーグ出場権争いには十分に踏みとどまっている。CEOのオマル・ベラーダ氏やフットボール・ディレクターのジェイソン・ウィルコックス氏を中心とするクラブ首脳陣は、この目標を達成するにはアモリム体制ではない方が最善だと判断したようだ。
クラブは声明で次のように説明している。
「マンチェスター・ユナイテッドがプレミアリーグ6位につける中、クラブ首脳陣は苦渋の決断として、今が変化の時だと判断した。これは、今季のリーグ戦を可能な限り高い順位で終えるために、チームにとって最善の機会を与えるものだ」
ユナイテッドは、サー・アレックス・ファーガソン氏の歴史的な時代が終わってから約12年半の間で、暫定指揮官を除けば7人目となるトップチーム監督を探すことになる。
関連記事:マンチェスター・ユナイテッドのアモリム監督が解任 リーズ戦後のインタビュー「コーチではなく監督」発言が原因か?
サー・アレックス・ファーガソン退任後のマンチェスター・ユナイテッド歴代監督比較
| 監督 | 就任日 | 解任日 | 試合数 | 勝 | 分 | 敗 | 勝率 | 獲得タイトル |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| デイビッド・モイーズ | 2013年7月1日 | 2014年4月22日 | 51 | 26 | 10 | 15 | 50.98% | コミュニティ・シールド(2014) |
| ルイ・ファン・ハール | 2014年7月16日 | 2016年5月23日 | 103 | 54 | 24 | 25 | 52.43% | FAカップ(2015-2016) |
| ジョゼ・モウリーニョ | 2016年5月27日 | 2018年12月18日 | 144 | 84 | 31 | 29 | 58.33% | コミュニティ・シールド(2016)、カラバオ・カップ(2016-2017)、UEFAヨーロッパリーグ(2016-2017) |
| オーレ・グンナー・スールシャール | 2019年12月18日 | 2021年11月21日 | 168 | 92 | 35 | 41 | 54.76% | ― |
| ラルフ・ラングニック | 2021年12月3日 | 2022年5月22日 | 29 | 11 | 9 | 9 | 39.93% | ― |
| エリク・テン・ハフ | 2022年5月23日 | 2024年10月28日 | 128 | 72 | 20 | 36 | 56.25% | カラバオ・カップ(2022-2023)、FAカップ(2023-2024) |
| ルベン・アモリム | 2024年11月11日 | 2026年1月5日 | 63 | 24 | 18 | 21 | 38.1% | ― |
サー・アレックス・ファーガソン退任後のマンチェスター・ユナイテッド歴代監督の成績と評価
以下は、2013年5月にサー・アレックス・ファーガソン氏が退任して以降、マンチェスター・ユナイテッドで指揮を執った監督を、就任順にまとめた一覧である。
※ライアン・ギグス氏とマイケル・キャリック氏は、いずれも短期間の暫定指揮だったため、本一覧からは除外している。
デイビッド・モイーズ
ファーガソン氏の「後継者(Chosen One)」として迎えられたモイーズだったが、その重い称号は、やがて皮肉を込めて語られるようになった。ただし、スタート自体は決して悪くなかった。
ユナイテッドはウィガン・アスレティックを下してコミュニティ・シールドを制覇。プレミアリーグ開幕戦でもスウォンジー・シティに4-1の快勝を収め、スタンドからは「行け、デイビッド・モイーズ。ファーギーのチームのように戦え」とのチャントも響いた。
しかし、その勢いは長く続かなかった。アンフィールドでのリバプール戦での0-1敗戦、続くマンチェスター・シティとのアウェイでのマンチェスター・ダービーで喫した1-4の大敗は、モイーズ体制のユナイテッドにとって大きな打撃となった。
2014年3月には、オールド・トラッフォードでその2クラブにいずれも0-3で完敗。スコットランド人指揮官は崖っぷちに立たされ、最後は古巣エバートンが、熱狂的な雰囲気のグディソン・パークでとどめを刺す形となった。こうしてモイーズ氏のユナイテッドでの任期は、6年契約の初年度にして幕を閉じた。
デイビッド・モイーズのマンチェスター・ユナイテッドでの成績: 51試合 26勝10分15敗(勝率50.98%)
ルイ・ファン・ハール
継続性を重視した後継者プランが破綻する中、ユナイテッドはファーガソン氏退任後、その重責を担うに足るビッグネームの招聘に踏み切った。
2014年FIFAワールドカップでオランダ代表を3位に導いた実績を引っ提げ、ルイ・ファン・ハール氏への期待は高まっていた。オールド・トラッフォードでの船出も概ね安定していたが、レスター・シティ戦での3-5という敗戦が、その流れを一変させる。
この試合以降、ファン・ハール体制のユナイテッドは慎重すぎる戦いぶりが目立つようになり、アンヘル・ディ・マリアやロビン・ファン・ペルシといった主力選手の影響力も急速に低下していった。
2015年春には、リバプールやマンチェスター・シティを相手に勝利を収め、チャンピオンズリーグ復帰を果たすなど、チームがかみ合ったかに見える時期もあった。
しかし、マーカス・ラッシュフォードの台頭がありながらも、2015-2016シーズンにユナイテッドは勢いを加速させることができず、リーグ6位でシーズンを終える。その一方で、レスター・シティが奇跡の優勝を成し遂げた。FAカップ決勝でクリスタル・パレスを下したものの、当時市場に出ていた“超大物指揮官”の存在もあり、その勝利がファン・ハール氏の進退を救うことはなかった。
ルイ・ファン・ハールのマンチェスター・ユナイテッドでの成績: 103試合 54勝24分25敗(勝率52.43%)

ジョゼ・モウリーニョ
エル・クラシコで激しく火花を散らしたモウリーニョ氏とペップ・グアルディオラ監督の因縁は、プレミアリーグの舞台で新たな章を迎えた。
シーズン序盤、オールド・トラッフォードでマンチェスター・シティに喫したダービーでの完敗は、第2幕の行方を早くも暗示する結果となった。それでもモウリーニョ氏は、初年度を一定の評価とともに終えた。
アントニオ・コンテ体制のチェルシーが圧倒的な強さで優勝を果たす中、ユナイテッドはリーグ6位に終わった。しかし、モウリーニョ氏はカラバオ・カップとヨーロッパリーグを制覇。このシーズンは、獲得タイトルの数という点では、ファーガソン氏退任後のユナイテッドで最も成功した一年として今なお位置づけられている。
2017-2018シーズン、シティの“勝ち点100”という歴史的快挙の後塵を拝したリーグ2位について、モウリーニョ氏は「自身のキャリアでも最高の成果の一つ」と主張したが、その評価には違和感も残った。ただし、当時のチームの戦いぶりは、後年になって一定の再評価を受けている。一方で、その頃から指揮官と看板補強であったポール・ポグバとの関係をはじめ、内部の亀裂も表面化し始めていた。
2018年12月、リバプール戦での敗戦を受けてモウリーニョ氏が解任された時点で、ユナイテッドは中位に沈み、苦戦を強いられている状態だった。
ジョゼ・モウリーニョのマンチェスター・ユナイテッドでの成績: 144試合 84勝31分29敗(勝率58.3%)
オーレ・グンナー・スールシャール
「笑顔でプレーすること」や「ボス」、「マンチェスター・ユナイテッドのDNA」といったスールシャール氏の言葉は、クロップ氏とグアルディオラ監督が覇を競っていた時代背景の中では、どこか軽く、現実味に欠けるものにも映った。それでも、彼が恩師ファーガソン氏退任後におけるユナイテッドで、最も成功した指揮官だったという評価を、完全に否定するのは難しい。
試合を支配するための包括的な戦術構想という点では物足りなさもあったかもしれない。しかし、モウリーニョ体制の終盤に漂っていた閉塞感を一掃し、チームを「楽しく、前向きな存在」に戻した功績は、やはり小さくない。
パリ・サンジェルマンとのチャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦での奇跡の逆転劇は、スールシャール氏が暫定監督から監督へと移行する決定打となった。2020-2021シーズンにはマンチェスター・シティに次ぐリーグ2位でフィニッシュ。とりわけアウェイでのダービーを含め、グアルディオラ監督率いるシティ相手に好成績を残した点は特筆に値する。一方で、ヨーロッパリーグ決勝ではビジャレアルにPK戦の末に敗れ、あと一歩でタイトルを逃した。
運動量が豊富で勤勉なチームを築き、将来につながる土台も整いつつあった。だが、クラブはクリスティアーノ・ロナウドを呼び戻し、その結果として指揮官のシステムは大きく損なわれる。2021年11月、ワトフォードに大敗を喫した後、スールシャール氏は職を追われることになった。
オーレ・グンナー・スールシャールのマンチェスター・ユナイテッドでの成績: 168試合 92勝35分41敗(勝率54.76%)

関連記事:アモリム解任でスールシャールがユナイテッド監督に復帰? 前政権時の成績と解任の理由
ラルフ・ラングニック
ゲーゲンプレスの“第一人者”とも称される指揮官を、クリスティアーノ・ロナウドを中心とした攻撃陣、そして徐々に求心力を失いつつあったスカッドを率いる立場に据え、そのままシーズン終了まで乗り切ろうとした。
ラングニック氏もまた、前任者たちと同様にマンチェスター・シティとリバプールに大敗を喫した。その後、曖昧に定義されていたコンサルタントとしての役割への移行が実現しそうにないことが明らかになるにつれ、ラングニック氏は公の場で歯に衣着せぬ発言を繰り返すようになる。記者会見では、現有戦力が現代的な戦術要求に適していないことや、大幅な刷新が必要であることを率直に語った。
彼の指摘の多くは反論しがたいものだったが、その振る舞いは、リーダーシップというよりも、自己防衛に近いものに映った。
ラルフ・ラングニックのマンチェスター・ユナイテッドでの成績: 29試合 11勝9分9敗(勝率39.93%)
エリク・テン・ハフ
テン・ハフ体制の初年度、その最初の3分の2は疑いようのない成功だった。
オランダ人指揮官はユナイテッドをリーグ上位争いに押し上げ、不満を抱える存在となっていたクリスティアーノ・ロナウドをチームから切り離す決断を下す。オールド・トラッフォードでマンチェスター・シティを下し、カラバオ・カップも制した。
だが、アンフィールドでの一戦が流れを一変させた。
2022-2023シーズン、実際にはユナイテッドより下位でリーグを終えたリバプールに、0-7という屈辱的な大敗を喫した。この一戦を境に、チームは明らかに別物となってしまった。
2023-2024シーズンは、リーグ8位、チャンピオンズリーグはグループステージ敗退と、目も当てられない内容が続いた。だがシーズン終盤、FAカップ決勝で前年に敗れていたシティに雪辱を果たし、テン・ハフ氏の下で2季連続となるタイトルを手にする。
その勝利が、当時から疑問視されていた契約延長につながった。しかし、その判断は、2024年10月のウェストハム戦敗戦後にテン・ハフ氏が職を追われた時点で、結果的に、極めて拙い判断だったと言わざるを得ない。
エリク・テン・ハフのマンチェスター・ユナイテッドでの成績: 128試合 72勝20分36敗(勝率56.25%)

ルベン・アモリム
スポルティングCPでの支配的な成功を引っ提げ、アモリム氏がオールド・トラッフォードに到着した当初、期待は大きかった。ポルトガルの名門で指揮した最後のホームゲームでは、負傷者を抱えるマンチェスター・シティをチャンピオンズリーグで4-1と圧倒。ファンの期待をさらに高める結果だった。
2024年12月のマンチェスター・ダービーでの劇的な勝利は、ペップ・グアルディオラ監督に対する新たな白星となり、サポーターの心をいっそう掴んだ。長年の停滞を経ていたクラブにおいて、マーカス・ラッシュフォードやアレハンドロ・ガルナチョといった主力選手に対する厳格な姿勢も、おおむね歓迎された。
しかし、ユナイテッドは単純に勝利数が足りなかった。移行期であったことや、アモリム氏が3-4-2-1に強くこだわった点を考慮しても、プレミアリーグ15位という成績は受け入れがたいものだった。
それに加え、ヨーロッパリーグ決勝でのトッテナム敗戦、多くの監督であれば、これらは解任に直結しても不思議ではない結果だろう。だがアモリム氏は違った。補強面での支援を受けながら、結果や内容が伴わないまま、それに見合わない強硬な姿勢を見せた。
ルベン・アモリムのマンチェスター・ユナイテッドでの成績: 63試合 24勝18分21敗(勝率38.1%)
原文:Man United managers since Sir Alex Ferguson: Best record, stats after Ruben Amorim is sacked
翻訳・編集:浄見耕志(スポーティングニュース日本版)
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