リバプールは今夏の移籍市場で、約4億5000万ポンド(1ポンド199円換算で約897億5600万円)を投じて新戦力を獲得し、プレミアリーグで最も積極的に動いたクラブとなった。
昨季プレミアリーグを制した彼らは、フロリアン・ヴィルツ、ウーゴ・エキティケ、ミロシュ・ケルケス、アレクサンデル・イサク、ジェレミー・フリンポン、ジョバンニ・レオーニ、アルミン・ペクシらを新たに迎え入れ、さらにフレディ・ウッドマンをフリーで獲得した。
クラブは今夏の移籍市場で、イングランド史上最高額の移籍金記録を2度更新した。まずレバークーゼンからヴィルツを獲得した際に記録を塗り替え、移籍市場最終日にはニューカッスルからイサクを獲得した際に再び記録を更新した。
リバプール移籍への誇り、PSGでの挫折が成長の原点に
そうした大型補強の中でも、最も順応し存在感を放っているのがエキティケだ。
今季ここまで公式戦10試合で5ゴール1アシストを記録。プレミアリーグでも6試合で3得点を挙げ、前線で確かなインパクトを残している。
エキティケは『BBCスポーツ』のインタビューに応じ、リバプール移籍についてこう語った。
「最初に感じたのは『誇り』だった。自分がどこから来たかを理解しているからこそ、このクラブに来られたことは特別だった。サッカーではほんの一瞬で頂点にも立てるし、すぐに転落することもある。だからこそ常に準備を怠らず、努力し、自分を高め、チームの成功に貢献したい。タイトルや勝利をつかむために、できる限りのことをしたいと思っている」
23歳のエキティケは、かつて所属したパリ・サンジェルマン(PSG)での苦い経験にも触れた。
「良い選手になることが、人生で最大の転機だった。PSGでの時間は、初めて『失敗』を知った瞬間だった。あの経験が僕をより強くしてくれた。パリで過ごして以来、僕は大きく変わった。選手としても、人間としても、はるかに成長できたと思う」
サラーへの尊敬とその素顔
新天地リバプールでのスタートは、エキティケにとってまさに理想的なものとなった。とりわけ、モハメド・サラーとの連携は高く評価されており、攻撃の最終局面で見せるコンビネーションはすでに多くの称賛を集めている。
エキティケは、チームメイトでありクラブの象徴的存在でもあるエジプト代表FWサラーについて質問されると、次のように語った。
「本当に素晴らしい人だ。モー(サラー)はとてもクールで、僕に対してオープンだし、話しやすいんだ。彼と一緒にプレーするのは本当に楽しい。テレビで彼のゴールを見ていた頃は『すごい選手だな』と思っていたが、実際に一緒にプレーしてみると、彼がどれほど偉大なアスリートかを実感する。彼から学べることは本当に多いし、一緒にピッチに立てるのは光栄だ。これからも一緒にたくさんゴールを決めて、チームを勝利に導きたい」
さらにエキティケは、サラーに抱いていた印象とのギャップについても語っている。
「彼はすごくクールなんだ。テレビで見ていた時は、無表情であまり話さないタイプなのかと思っていた。でも実際はとても気さくで、他のチームメイトたちと同じようにオープン。みんな僕がチームに早く馴染めるように気を配ってくれている」
リバプールは今季プレミアリーグで開幕5連勝と絶好のスタートを切ったが、その後クリスタル・パレス戦で初黒星を喫した。続くチャンピオンズリーグでは敵地でガラタサライに敗れ、さらにチェルシー戦でも黒星を喫し、公式戦3連敗と苦しい状況にある。
それでも、代表ウィーク明けにはマンチェスター・ユナイテッドとのノースウェスト・ダービーが控えている。エキティケとサラーが再び攻撃陣をけん引し、チームを再浮上へ導くことができるか、注目が集まる。
原文:Liverpool new signing opens up on Anfield switch and bond with Mohamed Salah
翻訳・編集:浄見耕志(スポーティングニュース日本版)
✍️この記事はいかがでしたか? 読後のご意見・ご感想をぜひお聞かせください
関連記事
- ダビド・シルバ、グアルディオラ監督の「次の行き先」について驚きの提案
- アントニー、マンチェスター・ユナイテッドでの経験を語る 「敬意に欠ける部分があった」
- アモリム監督「マンUの苦戦はシステムのせいではない」
- ククレジャがチェルシー新加入選手を称賛「とても重要な選手」
- CL2連勝のアーセナル、アルテタ監督が新戦力を称賛「素晴らしいパフォーマンス」