2025-2026シーズンのスコティッシュ・プレミアシップは、序盤からスリリングな展開を見せている。
例年、スコットランドのトップリーグは、グラスゴーに本拠を置くセルティックとレンジャーズの2強が覇権を争ってきた。しかし今季は、その構図が大きく揺らいでいる。レンジャーズは開幕から苦戦を強いられ、セルティックも10月に入りやや足踏みが続いている。
そんな中、開幕9試合を終えた時点で首位に立っているのは、ハート・オブ・ミドロシアン(ハーツ)だ。ここまで9試合で25ポイントを獲得し、圧巻のスタートを切っている。
ハーツは10月26日のセルティック戦で3-1の勝利を収めた。王者セルティックを相手に8ポイント差の首位に立ったことで、サポーターの間では「リーグ制覇」の夢が現実味を帯び始めている。
もしこの勢いを維持すれば、セルティックとレンジャーズ以外のクラブによるリーグ優勝は実に40年ぶりという歴史的快挙となる。
ここでは、セルティックとレンジャーズ以外のクラブが最後にリーグタイトルを手にしたのはいつだったのか、その歴史を振り返る。
セルティックとレンジャーズ以外が最後に優勝したのはいつ?
スコティッシュ・プレミアシップでセルティック、またはレンジャーズ以外のクラブが優勝したのは、実に1984-1985シーズンまでさかのぼる。その年リーグを制したのはアバディーンで、前シーズンに続く2連覇を達成している。
当時チームを率いていたのは、後にマンチェスター・ユナイテッドで数々の栄光を築くことになるサー・アレックス・ファーガソン氏だ。彼はアバディーンで3度のリーグタイトルを手にし、その後1986年にユナイテッドの監督へと就任した。
それ以降、スコットランドの国内リーグはセルティックとレンジャーズが完全に支配。過去40シーズンのタイトルを両クラブで分け合い、レンジャーズが17回、セルティックが23回の優勝を記録している。
セルティックとレンジャーズ、優勝回数は?
これまでのスコティッシュ・プレミアシップ(前身のリーグを含む)128シーズンのうち、セルティックとレンジャーズの2クラブで、実に110回のリーグタイトルを分け合ってきた。
驚くべきことに、その内訳は完全に五分。両クラブともに55回ずつの優勝を誇っている。
レンジャーズは1988-1989シーズンから1996-1997シーズンにかけて9連覇を達成し、一時はタイトル数で大きくリードしていた。しかし、その後セルティックが2011-2012シーズンから2019-2020シーズンまで同じく9連覇を果たし、再び肩を並べた。この間、レンジャーズはクラブの清算(リクイデーション)を経て2012年から2016年まで1部リーグに不在となり、下部リーグからの再出発を余儀なくされている。
そのほかのクラブをすべて合わせても、優勝はわずか19回。アバディーン、ハーツ、ハイバーニアンがそれぞれ4回ずつ制覇している。ダンバートンは2回(うち1回は1891年にレンジャーズと同時優勝)、マザーウェル、キルマーノック、ダンディー、ダンディー・ユナイテッド、サード・ラーナークがそれぞれ1回の優勝を誇る。
ハーツ、過去のリーグ優勝は4回
ハーツは、クラブの歴史の中でスコットランド国内リーグを4度制覇している。ただし、その最後の優勝からはすでに長い年月が経っている。
最初のリーグタイトルは1894-1895シーズン。これはスコットランドで公式に認められたリーグ戦としては、わずか5回目の開催だった。その2年後の1896-1897シーズンにも再び優勝を果たしている。その後、ハーツは半世紀以上にわたりタイトルから遠ざかることになる。
3度目のリーグ制覇は1957-1958シーズン。そして2年後の1959-1960シーズンに4度目の優勝を飾った。これが現時点での最新のリーグタイトルである。
それ以降、ハーツは5度の2位フィニッシュを記録している。なかでも最も惜しかったのは1964-1965シーズンだ。キルマーノックと勝ち点で並びながらも、当時の順位決定基準であった「ゴール平均」の差でタイトルを逃した。もし当時から現在と同じ「得失点差」が採用されていれば、ハーツが優勝していた計算になる。
さらに1985-1986シーズンにも同様の悔しさを味わっている。このときもセルティックと勝ち点で並んだが、得失点差が+26とセルティックの+29に及ばず、タイトルを逃した。
何度もあと一歩で届かなかったハーツが、再び頂点に立つことができるのか。ハーツの挑戦は、スコットランドのサッカー史に新たな一章を刻む可能性を秘めている。
原文:Last time Celtic or Rangers didn't win Scottish league title: Hearts bidding for shock domestic championship
翻訳・編集:浄見耕志(スポーティングニュース日本版)
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